つんでれ。

 いつものバス停にて――


「月夜ってさ~」

「ん~?」

 イブキが厳しくなってきて朝の寒さを全く感じさせずにスマホを操りながら、カロリ~メイトの新食をかじっている月夜に話しかける。

「つんでれっぽいよね?」

 ポト。

 月夜が食べていたカロリ~メイトを落とす、それに構わずイブキはさきを続けた。

「ほら、みんなのまえだとムシしたり、『きやすくはなしかけないで!』とかいってそ~だけど、ふたりっきりになったらかわいくアマえたりして――」

「う、ウチってそんなイメ~ジなの?」

 月夜は地面に落ちたカロリ~メイトを拾って迷った挙句ティッシュにくるんでカバンの中に入れると、そう応える。

「ううん。イブキさんのカッテなイメ~ジだよ」

「あ~よかった。みんなにそ~思われてると――」

「うん、そ~いうふうにコ~サクしようかな~っておもって」

「やめろ」

 短くそう言い切ると、イブキの頬をつねった。

「だっふぇ、だっふぇ――」

 頬をつねられながらもイブキが言い募る。

「こふぇみてよ」

 そういってイブキが差し出したスマホ画面には、

「『出会えたら奇跡、男子が実際に遭遇したツンデレ女子』?」

 月夜がイブキの頬から手を離してスマホをうけとると、イブキが頬をさすりながら、

「それによると、ツンデレって10パ~セントいないみたいなんだよね」

「へぇ~」

「だから! イブキさんが月夜をリッパなツンデレに――」

「だから、それはやめろ!!」

 月夜がイブキの大型スマホでイブキの頬を『スパァン!』とは叩いた!

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