まんぼう。
いつものバス停にて――
「うっうっうっ――」
スマホをみながらダーっと目の幅と同じ涙を流してるイブキ。
「ど、どういた?」
イヤな予感をしつつも尋ねる月夜。
「うっ……うわ~ん!! 月夜~」
ダーっと月夜の胸の中に飛び込んで泣きイブキを半ばあきらめた表情と半眼のまま機械的に撫でる。
「おぉ~ヨシヨシ。どうした? あにがあった? 話してみな」
そういいつつも内心ではど~せ大した事ないくだらない事なんだろうな~と思う月夜。
「あのね――あのね――」
瞳いっぱいに涙をためたイブキの顔をみるとますます月夜のイヤな予感は増大していった。
そして――
「なんでもマンボウすぐ死んでしまうん?」
名作映画のワンシーンのようなそのセリフを無視して月夜はイブキのスマホ画面を覗き見る。
『マンボウの死因いろいろ』
・まっすぐにしか泳げないため回遊中岩に激突して死ぬ
「ぶふっ!?」
1項目にして噴き出す月夜。
・潜りすぎて凍死する
・日に当たってたら鳥につつかれて死亡
・睡眠中、陸に打ち上げられて死亡
・寄生虫を殺すためジャンプしたら、その衝撃で逝く
・食べた魚の骨がノドに詰まって死亡
・食べたカニやエビの甲羅が内臓に刺さって死亡
・水中の気泡が目に入って死亡
「ビヒっ! なにそれ!! 弱すぎる!!!」
軽く過呼吸になる月夜に
・海水の塩分が肌に染みたショックで逝く
・前からやってくるウミガメに衝突――する『かもしれない』泳ぎをしてたストレスで逝く
・近くを泳いでいた仲間が死亡したショックで自分も逝く
「ヒ~ヒ~――コイツ等弱すぎ!――って、アンタこんなの見て泣いてたの!? たぶんここ笑うトコ!!」
互いに友人の感性が自分と違うと思った出来事だった。
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