ふぁみれす。

いつものバス停にて――ではなく。ファミレスにきていた。


「ええ~っと……」

 混雑する店内にはたくさんの席待ちもおり、順番待ちの紙に名前を書こうとペンを持ったイブキ。

「そういえばさ~月夜」

「ん?」

「前にファミレスで名前欄のトコに「武田信玄」って書いたら「お館様~」って呼ばれたコトあったよ」

「アンタは……」

 月夜はあきれ顔で応じる。

「下に名前はカタカナで書いてネってあるのに……」

「いやいや、ファミレスのテ~インさんはなかなか侮れないよ! カタカナで書いてくださいってあったから「イ~ノック」とか「フリーザ」とかって書いてもフツ~に呼んでくれんだよ」

「また、そんなアホな事ばっかし~」

「でもでも~人によっては明らかに知ってる感じのタイオ~のひともいたんだよ! 「奥の席でよろしいですか?」っていうのに「大丈夫だ。問題ない」って答えたら鼻水噴き出してウケたんだよ!」

「いっぱいいるんだから早く書いてよ~!」

 体育祭の打ち上げで40名余りの生徒の代表で月夜が叫ぶ!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る