◆52




正直、再生できるのか怪しい。でもみんなに不安感を与える訳にもいかなかった。

心臓を貫かれた時点で治癒、再生では気が遠くなる程の時間と魔力が...それでもハロルドは再生術でどうにかしようと。

わたしが蘇生術さえ使えればすぐにでも...っ。



「状況は良くなっていますが...このペースだと完治まで1...2ヶ月は...」


メディケ スペクタクルでハロルドの状況を見た星霊がわたしに伝える。やはり再生術では危険すぎるか...2ヶ月も意識を失った状態で魔力を減らし増やしを繰り返していると身体が魔力の変化に対応出来なくなり...。



「大丈夫だよ」



歯噛みするわたしの背後から突然届く声。

ワタポもプーもゆりぽよも控え室にはいない。星霊達はわたしの視界に入っている。

ここに居ない、居なかった誰かの声!?

急ぎ振り返ると....誰だ?

星霊...に、しては粗末というか星霊っぽくない格好。

重く渇いた赤黒いフードローブで身を包む人物が再びクチを開く。



「その人は今凄いスピードで自己再生してるよ!そのメディケ スペクタクル...もう少し使える様にならなきゃね!」


なんだこの子...治癒術師には見えないが...。今の1回でメディケ スペクタクルの熟練度を見抜いた?ハロルドが凄いスピードで自己再生してる?


「...、うん!そろそろ吐血するよ、それが再生完了の合図!」


そう言うと本当にハロルドは吐血、急いでメディケ スペクタクルを発動した星霊は驚きの声をあげる。


「傷が!?...治ってます...」


再生術でもこの速度は...知らない。

わたし自体再生術師でもないがこんなバカげた再生能力を持つ術が存在しているのか!?でもさっきは2ヶ月くらいかかるとか...。


「上級再生術 リジェネレーション。リチャと相性のいい自己再生術だね!この歳で使えるなんて凄いよ!凄い凄い!」


ハロルドが選び使った術名を言い、妙にテンションをあげる謎の人物。リジェネレーション...自己再生術の中でも群を抜いてレベルの高い術だったハズ。確か...魔力消費が恐ろしい速度で使う人が本当に存在しないとまで言われているあってない様な再生術。



「...、吐血が再生完了の合図ならもうリチャいいよね?」


マナリチャージを止め謎の人物に話しかけると「大丈夫だよ」と短く。

この人物は一体どこから、なぜここに...よく見るとまだ子供だし....でも再生術の事をよく知っている。


「助かったよ、それでキミは誰?星霊には見えないけど」


「星霊じゃないよ、わたしは...あっ!ごめんね。戻らなきゃ」


「はぁ!?待って待って」


「その人あと10分くらいで起きるよ!探し物してるから行くね!」



そう言い謎のフードローブは笑顔でブイサインを...濃いピンク色の髪で前髪は左眼を覆い隠す。

ブイサインをしている右手には痛々しい縫い傷...あのピンク色どこかで...てゆーか、なんなんだこの子。

それに 行くって...、


「な!? えぇぇ!?」


すぐにブイサインを崩し、空気を引っ掻く様に素早く手を降り下ろすとガラスが割れる様にその空間が割れ七色に揺れる。


「空間魔法を無理矢理こじ開け...砕き開けて、繋いだ!?」


不可能ではなが長期間 空間魔法に関わっている者でなければ出来るワザじゃない。

空間魔術師なのか?その歳でこのレベルの?


「バイバイっ」


あどけない笑顔で手をふり空間魔法の中へ飛び込むと捻れる様に扉が閉じ、そこには始めから何も無かったかの様に...元に戻る。


「なんっっだ 今の...」


夢でも見ているのかと思う程、、、素早く空間の扉を砕き開け去っていった。


「エミちゃん!!」


急ぎ走る足音を響かせ控え室に現れたのは今度こそ知ってる顔...なのだが。


「なんっっだ その髪!?」


長かった髪を大胆に切ったプー。どこでそんなイメチェンを施して来たのか...それも雑に。


「あ、えっと...え!?喋っちゃ魔術が」


「んぁ、もうハロルドは大丈夫だよ。あと10分くらいで起きるって」


溜めていた空気、緊張、心配を一気に吐き出し その場に座り込む大胆ヘアーのプー。本当に安心した表情を見てわたしもやっと現実に戻る。


プーがここに居る、ここに来たという事は戦いに勝利したという事だろう。ならば今戦っているのはワタポか。

座り込むプーへ手を伸ばし一応聞いてみる。


「お疲れ、勝ったんしょ?」


「ありがと、勝ったよ!」


伸ばした左手を掴み、右手でブイサインを作り笑顔で答えるプー...あれ?この感じ今...。


「ひぃちゃんは寝かせてあげよ。ボク達もワタポ応援だ!行こうエミちゃん」


「んあぁ、そだね。いこ」



たまたま...か?

突然現れて突然消えたあの子のインパクトが強すぎてプーと重なっただけかな。

さっきのが誰で何しに来たのかよく解らないけど考えてもそれこそよく解らない。

ハロルドももう大丈夫だし、今はワタポだ。




もう戦いは始まってるらしいので急ぎ闘技場へ向かった。






ボクは誰も殺したくないし誰かから何かを奪ったりしたくないんだ。この獅子座さんにも大切な何かがあると思うし...獅子座さんを大切だと思う人も存在すると思う。キミ達も暇潰しとか言って他人の大切なモノを奪ったり壊したりするのは辞めなよ。そーゆー所にボクは怒ってるんだよ。


獅子座戦後に時にプンちゃが強く叫んだ。

それに対してこの2人、今ワタシが戦っている相手の双子座は偽善と言った。

偽善...外面的には善い行為をして本心ではなく虚栄心や利己心で行われる事。

騎士団長や国王が言うとそれは偽善に聞こえるかも知れない。でもプンちゃの言葉は真実に聞こえた。

同時に...嘘にも聞こえた。


誰も殺したくないし誰かから何かを奪ったりしたくない。


この言葉だけが凄く白くて...悲しい程 黒い。


そんな色を含んだ声、言葉だった。


ワタシも十二星座には怒っていた。その怒りを変わりに放出してくれた気がして今は落ち着いている。

仲間が傷付けられて今も苦しんでいるのに...驚くほど落ち着いている自分。


助かると信じているから?

今自分はこの戦いに勝つという目的があるから?

それもある。でも何だろう...妙な胸騒ぎ、不安感がある。

それが何なのか、ただの気のせいなのかすらわからない。でも何かあった時の為にワタシ自身が持つ武器をより鋭く、より強力にしておきたい。


まずはこの眼...わたしのディアを完全に把握して使える様にする。

プンちゃの赤い瞳。あの瞳は恐らく先を見るではなく今現在を切り取る事が出来る瞳。だからあの速度で動いても視界の端がブレても中心はハッキリ見えているのだろう。

カウンターに反応が遅れた事から先を見る力ではない。


あの赤い瞳に負ける様なら...こんな眼使い物にならない。


「回避!回避回避!さっきからやる気あるの!?」


「...やる気あるの?」


怒り両頬を膨れ上がらせる双子座....死なない時点でフェアじゃない気もするし、人を傷付ける暇潰しは許されないと思う。てもなんだろ...この2人はまだ理解していない気がする。何かが足りない。

奪う事への覚悟?死?命?

それ以前にもっと...もっと始めの何かが足りない...。


そもそも暇潰しって星霊は暇なのかな?


「ねね、星霊って普段なにしてるの?」


さて、答えてくれるかな...。


「何も!何も何もしてないよ!だからみんな暇!」


「...うん 何もしてない。暇なの...」



みんな暇...ね。

この子達が暇 ではなくみんな暇...本当にやる事がないのかな?

少し気になるけど、それは勝ってからでいいや。




交互に攻める双子座の動きを、先を見て回避、またはパリィ。簡単に攻撃へ対応される事への苛立ちを隠しきれない様子でただ短剣を振る2人。

元気のいい子ポルクは予想通り負けず嫌いだけど...カトルも同じくらい負けず嫌いなのは意外。



「カトル!カトカト!アレやるよアレ早く早く!」


「...やる」



アレやるよ と言って先に接近してきたのは元気のいいポルク。手に持つ短剣は強い光を放つ。

剣術...しかしあの強い光は簡単なモノではなく高レベルの、上級剣術。

こんな子供が上級剣術を使えるとは...。短剣の剣術は剣等の一撃に比べれば威力こそ低いが速度と手数は圧倒的。

短剣使いが相手で剣術を発動してくる場合は受け止めたり回避したりではなく、その剣術を迎撃、弾き潰すのが定番で絶対。

剣術は途中で剣が止められればファンブルする。


強く発光する短剣が素早く風を斬る時、ワタシは眼を見開き灼熱の剣を構える。

受け止めファンブルを狙っているワケではなく、全てを軽く弾きディレイを狙う。

この眼でどこまで剣術を見切れるか...それで全てが決まる。


「....、セッ!」


剣術発動中の時間は僅か2秒。その2秒で突き四回、斬り二回、驚く事に全てが急所狙いだった。

だった過去形。

初めて見る剣術でも、その動きが見えれば、先が見えれば問題なく対応できる。

この眼にはそれが出来た。狙い通り全ての斬撃を軽く弾き軌道を反らせる事に成功、上位剣術のディレイに襲われるこの子を...斬る。

踏み込むと同時に灼熱色に染まる刀身。それを眼にしてもポルクに焦りはない。

斬られても死なないから。それもあるだろう。

それ以上にポルクを安心させているのは今まさにワタシの背後から短剣を振り降ろしているもう1人、カトルの存在。


カトルの持つ短剣は 特種効果武具エクストラウェポン。それも相当なレベル。

掠りでもすれば状態異常に襲われるのは確実だろう。


上半身を捻り向きを変えた時、ワタシの左肘へ短剣の先が触れる。そのまま手首までを刃が撫で進み手のひらに到着した瞬間に短剣を掴み引く。


「...え?」


小さく漏れた声ごとカトルを躊躇せず焼き斬りすぐにポルクの方へ。

....本当に凄い子だ。

もうディレイが終わっている。何度も剣術を使い、身体がその剣術にもディレイにも慣れている証拠...毎日毎日短剣を握っていたからこその結果...毎日短剣を握らなければならない環境が産んだ結果。


ワタシ達と戦って、負けて、変わるといいね。色々と。



左手に握ったままの短剣をポルクへ投擲とうてきし距離を瞬間的に詰める。


読んでいたかの様に短剣の刀身が無色光を放つ。


この状況、1人が斬られた状況でも落ち着いて剣術を発動させた...凄いけど、悲しいね。どちらか1人が斬られる状況にも慣れているからこその反応。


終わりにしよっか。


灼熱色の刀身が無色光を纏い、2つの光が強くぶつかり合った。


「えっ?え、ええぇ!?」


驚き、焦り、いやもっと...理解出来ない。そんな声を出すポルク。

ファンブルされたのは初めてなのかな?

それじゃ、ファンブル後の攻撃に対応出来ないね。

勉強になったね。2人はまだまだ強くなれるよ。

でも...戦ったりするよりもっと楽しい事を見つけられるといいね。

斜め上から振り下ろしたワタシの剣はまだ無色光を強く放つ。剣術が終わっていない事に気付かないまま、ポルクは灼熱色に焼かれた。


二連剣術 ターンスラスト。


初めて2人斬られたのか、眼を見開いたまま立ち上がらない。当たらない攻撃、発動しない状態異常、下級剣術にやられた。

この戦闘の全てが積み重なり、2人の戦意は静かに焼き消えた。


こんな相手、それも子供にこれ以上剣を向けられない。


灼熱の剣を冷却させる鞘へ戻し、短剣を奪い2人を抱き上げた。

武器を奪われ抱き上げたられる事へ小さく震え怯える2人。いくら強くても、いくら背伸びしても、心の本質は子供のまま...少し安心した。

この子達の心までもが戦う事に塗り潰されていたら...もう変われない。でも心は子供のままだ。


「ワタシの勝ちだね」


そう言い双子を戦場外、場外へ。


「あ、そうだ」


「「....?」」


「はい、これあげる。二人で食べてね」


試合前にゆりぽよがくれたアメ玉を2人へ1つずつ渡し司会星霊を冷たい瞳で見る。



「ひっ...し、試合終了!な、何と言う事だろうか...」


プンちゃのあの戦いの後だ。

まだ本調子ではない司会実況だが...そろそろ切り替えてもらわないとワタシ達も困る。

もう1度冷たい瞳で星霊を少し睨み腰の剣をかるく撫でる。


星霊は一瞬肩に力が入ったが咳払いし、喉を仕上げて、叫んだ。



「挑戦者チームの勝利だぁぁぁぁっ!いつか来るだろうと思っていた、しかし!来てほしくないと願っていた...十二星座の敗北!!我々は今、歴史が変わる瞬間を見ているのです!」



歴史が変わる瞬間...ね。

どんなチャンピオンも勝ち続ける不安感と周囲の期待感に押し潰されて、敗北、または引退する。

引退を選ばなかった時点で敗北の足音はすぐ後ろまで迫り来るもの。

記録はいつか止められる。

歴史はいつか変わる。

でも、間違えないで。歴史は誰かに変えられる ではなく、自分達で変えるもの。記録と歴史は違うもの。


星霊界って聞いただけで凄く綺麗で幻想的な世界を想像するのはワタシだけじゃないハズ。戦いなんかよりももっと楽しくてもっと素敵な暇潰しがきっとある。

だから...今日ここから歴史を変えてね。



ワタシの想いが聞こえたのか、十二星座への労りなのか、観客達が拍手を送る。



ゆりぽよ は 少し憎らしくも可愛らしい顔で手を上げ拍手へ頷く。


虹色のラインが蜃気楼の様にブレ消えた。観客達の拍手と喝采が一気にワタシへ届く。

いい試合を見せてもらった。次は負けない。等の言葉がワタシの不安を、勝った後双子達が責められないか 等の不安を綺麗に消してくれた。


「勝ってよかったんだ...」


「あったり前じゃん!負けてたらブッ飛ばしてるぞ綿の子!」


綿の子...。まーた変な呼び名...。


「...エミちゃ!もうひぃちゃは大丈夫なの?」


控え室でマナリチャージをしているハズのエミちゃがここに...という事はひぃちゃは治った?


「あとは起きるのを待つだけだよ!ボク安心した途端にお腹減ってきちゃったよぉ~」


「んにゃら、みんにゃでコレ食べようニャ!」


プンちゃの言葉にゆりぽよが反応し、ワタシにくれたアメ玉を2人にも渡す。

包みからアメ玉を取り出し拍手の雨が降る中で、戦いに勝った事、ひぃちゃの完治を喜び、同時にクチへほおりこんだ。



「んがぁ」


「うぇぇ」


「....(まっずぅ)」


「八宝菜味!うみゃいニャぁ~」



勝利と喜びの味は...とても、個性的だった。

















10年前わたしは喉が弾け身体が力なく跳ねる感覚を最後に息をする事を止めた。

1度世界から弾かれた。

そしてすぐ無理矢理繋がれた。


眠らなくても平気。

お腹も減らない。

呼吸もしない。

痛みもない。

壊れても直る。

冷たい身体、体温はない。

人の形をした人ではない存在...人形として今もこの世界に繋がれている。




汚れた命...。

温度の無い声。

全てが、本当に全てが変わってしまったわたしを...受け入れてくれますか?









「なに、して、る、の?」


「あっ...ゴメンナサイ、海鳥達のお家が」



港街の折れた看板の上に巣を作って生活している海鳥。

その看板が折れてしまっている。巣は地面に落ち帰る家を無くした海鳥は鳴いている。

帰る場所が...無い。


「...、利き、腕は、ダメ、よ」


「アリガトウ!...すぐ終わらせるね」



ローブの中で左肩を触る。

少し魔力を使って縫合ほうごう部分を撫でる。

するとわたしの左腕はわたしから弾かれる。

痛みはない。


肩、二の腕、手首や指の縫合部分を同じ様に触れると太く黒い縫合糸はほどけ、わたしの魔力に反応しピンク色に、髪の毛と同じ色に変わる。



わたしの眼は左右違う。

右はわたしの瞳。でも左は灰色の瞳。

この瞳のおかげでわたしは 縫合魔術や他の魔術が使える。


折れた看板を縫合魔術で縫い合わせ落ちた巣を看板の上へ。潮風に飛ばされない様に巣も縫合魔術で縫い合わせる。

この魔術のいい所は縫合完了後、それはただの糸になる。

魔力感知されないただの糸に。


「...、まだま、だ、ね。縫い目、が、雑よ。これ、じゃ、縛り、結ん、だっ、て、感じ、ね」


独特な句切りで話す彼女がわたしを1度世界から弾き、すぐに繋いでくれた人。

彼女の左眼にはわたしの瞳。

わたしの左眼には彼女の瞳。



「でも、これで海鳥達はお家へ帰れるね」


「そう、ね。早く、あなた、の、願い、も、叶う、と、いい、わね。モモカ」


「うん!わたしの願いが叶うと、リリスの願いも叶うね!早く欲しいなぁ...」


「そろ、そ、ろ、行く、わよ。みんな、待っ、てる、かもし、れない」


そう言って彼女は、リリスはわたしの腕を縫い繋いでくれた。

わたしはまだ自分で自分の身体を縫い繋ぐ事が出来ない。

でもいつか必ず自分で縫い繋げる様になって必ず願いを叶えるんだ。


「アリガトウ、これで自由に動かせるや!えへへ」


「さぁ、仕事、しま、しょう。今回、は、私、も参加、する、わね」




両手の指を奇妙奇怪に動かすと地面に魔方陣が描かれる。その魔方陣から現れたのは大きな斧を持った男。


これが ギルド レッドキャップの 死体人形術師パペットマスターリリス。


それがわたしのマスターで、友達。

わたしはリリスを中心に一定の距離内で自由に動ける。

でも他の人形達はリリスの力で操らなければ動かないただの人形...死体になる。


死体を人形の様に操る力を持つリリス。

死体人形術師パペットマスター の他にも 死霊術師ネクロマンサー とも呼ばれている。

どっちもリリスの力にピッタリな呼び名。



「ねぇリリス、今日の仕事は?殺せばいいの?奪えばいいの?壊しちゃダメなの?」


「今日、の、仕事、は...、ある物、を、探す。邪魔、が、入っ、たら、壊し、て、いいわ、よ」


「わかった!」



今日は何かを探す仕事らしい。

何を探すか知らないけど、早く終わらせて縫合術の練習をしたいなぁ。



「さぁ、行く、わよ。早く、終わ、ら、せて、縫合、術、の、練習、す、るわ、よ?」


「..、うん!わたしとリリスの願いを叶えるためにね!」



リリスの願い。

それは わたしの身体を自分の物にする事。


わたしの願い。

ある人の身体を自分の物にする事。


その為には ある人を殺して魂には出て行ってもらわなくちゃ....そこにわたしの魂を縫合で繋ぎ止めて馴染ませる。


そしてわたしの身体で同じ様にリリスも。



そうすればずっとずっと、ずーーーっと一緒に居られるね。

もう離ればなれにならないね。

1つになれるね。
















お姉ちゃん。










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