七柱記―それは神々と鬼たちとの戦い。書物では決して語られることのなかった日本の神話の裏面史である―

作者 七柱雄一

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★★★ Excellent!!!

ギリシャ神話、北欧神話、ケルト神話など数多くの神話が世界には存在しています。
そして、人間味あふれるものから、神秘性の強いもの、歴史的なものまでそのバリエーションには飽きることがないでしょう。

では、日本はどうでしょう?

日本を代表する神話といえば古事記、日本書紀がそうでしょう。

しかし、それは名前が示すように記録です。

(大和朝廷による)勝者の歴史と筆者は語ります。そのことは、今なお議論されていることからも明らかでしょう。

ならば、日本には神話がないのでしょうか?

いいえ、確かに記録として残されたものの中に、その断片は見えるはずです。

それをこの物語は大胆に集めて、描いていきます。

例えば、日本人に共通する『恥』という概念。
それを古事記が最も表現しているように、この物語は『和の心』を表現していると思われます。

そうなると、これは単なる神々の話ではないでしょう。
神々と鬼と呼ばれるもの達との戦いを通して描く信の物語であるように思います。

荒ぶる神として描かれるスサオノを、ちょっと変わった角度から見ている点。

それが、この物語の面白さでしょう。

古事記、日本書紀を熟読した方も、そうでない方もご一読ください。

そこに描かれていくのは、真なる神話やもしれません。

★★ Very Good!!

日本の神話と言うのはとても身近な物語である。
特に、支配階級の編纂した、政権保持のための神話ではない、風土記系の物語は、登場する神々や精、人物も生き生きと描かれ、また非情に生臭い。
また、冥府と現世との間にあまり高低差のない世界でもある。

キリスト教や仏教は地獄、現世、神々(菩薩でもいい)の世界に著しい高低差を持つが、日本の古い死生観ではそれは乏しい。むしろ平行移動の世界に、地続きに黄泉の国はある。
「落ちる」「落とされる」という感覚に乏しいのが、日本古来の死生観。

こちらの物語は非常に生々しい戦いや、心の動きがよく描かれている。これからどうなるのかという期待の抱かせ方もうまい。語尾の「だった」「である」に若干の混乱が見られ、たまに時制が行ったり来たりしてしまうのが、今後の改良点だろうか。

だが現時点でそれらは、あまり傷にはならない。描かれている勢いがカバーしているからだと思う。

スピード感と熱が心地良い作品。

★★ Very Good!!

平和な高天原の神々に、ヒルコの謀略が迫り続けます。

どこかで聞いたことのある神々の名前。

日本神話の元を存じ上げないので、これは物語に沿ったものであるのか、それとも大胆なアレンジであるのかは私にはわかりません。

それでも、迫り来る脅威に避けられない戦争。

脅威に晒されていく物語の展開に、ついつい先を求めてしまいます。

強烈な憎悪すらも感じる物語の行く末とは。

★★★ Excellent!!!

神々が登場し、神は柱と数えるから、その内の七柱について主に語られる物語です。

私は、今のファンタジー風のアレンジも感じられました。

舞台は、あくまで、日本ですが。

天への道をあるもので表したり、工夫を感じます。

描写は、かためかと思っていたら、会話形式の所もあり、読みやすくなっています。

ぜひ、ご一読をお願い申し上げます。

★★★ Excellent!!!

 神話は、そのものが既にファンタジーとしての面白さに溢れていますが、この作品では、さらに神々を物語の中のキャラクターとして個性を持たせ、会話や行動でその姿を浮かび上がらせて、ストーリーを面白く作り上げています。

 日本の神話ファミリーの闇パートのヒルコやスサノオが、とくに生き生きと描かれているのは、この物語の深淵と何か関わりがあるような気がしているのですが……展開が気になります。

 臨場感たっぷり、読み応えたっぷりの、日本の神話ファンタジーです。

★★★ Excellent!!!

と実感できる作品。
これは自分の話ですが、日本の神話って一部だけ知っていて、興味もある程度はあったのですがなかなか自分で調べる気力までは……って感じでした。
この作品は神話をベースに和風ファンタジーとして料理されているようなので、あまり詳しくない自分でも楽しめてます。
元の神話の方についても、より興味が持てました。
今度調べてみたいと思います。

★★★ Excellent!!!

良くまとまった物語だと思います。というのは、私自身、古事記に関してネットで調べているのですが、そこは神話。断片的なエピソードの集まりで、その辻褄は完璧ではないようです。だから、専門家の間でも議論が生じる。
それを作者は、仙人が昔話を語る体裁にして、上手い具合に料理しています。また、エピソード間の間隙に童話を埋め込んで繋いだりもしています。
コトシロヌシの件を発展的に位置付け直している点は見事です。単なる神話がミステリーっぽい雰囲気を帯び始めています。
この作品自体は完結ですが、未だ未だ続くようです。面白くなりそうです。

★★★ Excellent!!!

 『古事記』・『日本書紀』に馴染みのない方でも、和風ファンタジー作品として読めます。そして「記紀神話」が作者の手によって、大胆にアレンジされ、陰謀、術策、戦闘、などが繰り広げられます。三人の翁が語るという設定も良かったです。
 今、更新されたこの作品を読んで、率直に思うことは、ヒルコがめちゃくちゃ怖い!

★★★ Excellent!!!

 神々と鬼たちとの闘い。
 そんなスケールのでかいお話を作者様がどう料理するのかと期待に胸を膨らませ、いざクリック――。

 語り部である『一の翁』が話の主役に置くのは『オオクニヌシ』という神なのですが、作者様のうりである昔話風な話の進め方が個人的にはツボで、最初から楽しく読めます。
 
 お話の大筋としては、『オオクニヌシ』――通称『ナムチ』の冒険となるのですが、やはりその冒険の過程である各種イベントがとても印象深いです。
 
 スサノオとの出会い、そして試練(スサノオは作者様の別小説の主人公です)。
 スセリヒメとの、恋の逃避行。
 スクナこと小さなスクナビコナとの出会い(スクナビコナも別小説の主人公です)。 
 オモイカネ、ミカヅチらとの、出雲の国の統治権をめぐる争い。

 ――などなど。

 日本の神話と言えば七柱様ということで、皆さまも是非、ご一読を(^▽^)/

 
【第一章、及び第二章まで読了の上でのレビューとなります。第三章以降は折を見て読ませて頂きます】

★★★ Excellent!!!

主に出雲系の神々の視点で描かれた日本神話。オオクニヌシの誕生からヤマサチ・ウミサチまで、分かり易い言葉で物語が語られ、最後まで楽しく読みました。
また記紀をベースとしながらも、ヒルコと鬼の関係をはじめ様々な独自解釈も織り交ぜられており、色々と興味深かったです。

★★★ Excellent!!!

物語は三人の翁によって語られる。のちのオオクニヌシであるナムチが白兎を助けてあげたことから世界が大きく変わっていく。
それまで兄たちに虐げられていたナムチはスサノオのもとに馳せ参じ、そこで美しいスセリヒメと出会うと『駆け落ち!』して出雲の国をつくるのだが、高天原のアマテラスから身に覚えのない言い掛かりをつけられ……

ギリシア神話や北欧神話は知っていても、意外と知らない日本神話。血湧き肉躍る権威をかけた戦いや神々が繰り広げる政治劇、親子の絆、そして目眩くラヴストーリー。
その全てが美しく奏でる言霊によって綴られた至高の物語は日本人なら一度は読むべき。まずは本作から刻の言葉に耳を傾けてみよう。