第4話◆ 絶対に知っておきたい『経費・控除を一万円計上した場合の節税効果』

 前回の話を踏まえ、経費・控除を計上することで、どれだけの節税効果があるかを簡単に実感できるざっくりした計算方法があるので是非覚えておきましょう。


『控除・経費分に25%をかける』だけです。


(注1:所得に応じて所得税はあがるので、25%という数値が30%、40%になることもあり得ます。また、赤字になった場合などもこの限りではありません)


(注2:経費については25%計算で問題ありませんが、控除については所得税・住民税には適用できても国保には適用できないといったものもあるので、25%で計算すると差異が生じる場合があります)


 この計算方法を覚えておくと、たとえば紛失した2万円の領収書がひょっこり出てきた場合など、「やった、2万×25%=5000円の得だ!」なんて前向きな考え方もできなくはありません。

(本来受けられるべき権利を受けられるようになったってだけですけど)


 一応、なぜ25%かければいいかというのを追記しておきます。


ーーーーー読み飛ばしていい、ただの算数話ーーーーー


 簡単な算数です。

 経費・控除を計上することで得られる節税効果をZとします

 年収をAとして、経費・控除分をBとしましょう。

 B=0、つまり経費や控除分がなかったとして、25%計算で年収から引かれる税金は当然こうなります。


 A×0.25


 次に経費・控除分をBとして、税金はこうなります。


 (A-B)×0.25


 節税効果Zを導き出す式は、二つの差額を出せばいいわけですから、


 Z=A×0.25-(A-B)×0.25


 となり、これを分解していくと、


 Z=0.25A-0.25A+0.25B

 Z=0.25B


 となるわけです。


ーーーーーーーーーーーー終わりーーーーーーーーー


 ちなみに、私のような物書きですと、編集部、取材先へ行く交通費、本などの資料代、事務用品などを経費にできます。


 また自宅で仕事するわけですから、自宅の一部を事務所として認められることになります。そうなると家賃や電気代の内、何割かを経費として計上することもできます。芸能人の方なんかが豪華な自宅を「事務所です」と言うことがありますが、実際法律上は(一部)事務所として扱えるんですね。


 余談ながら、たとえば私はゲームが好きです。そこでゲームを題材とした小説を書き、あるいはゲーム情報誌でコラムを書いていたりすると、誰はばかりなく「ゲームは経費です」と主張することもできます。


 つまり年収300万で25%計算を持ち出すとして、仕事上どうしても必要なPS4とPSVRとゲーム、あと交通費とか諸々合わせて年に40万円使ったとしましょう。


 その場合、節税効果は40万×25%=10万。

 本来年収から引かれる税金を、10万円分も安くできるわけです。仕事上どうしても必要なモノを買った上で、『税金を安くできる』というのはオトクな話だと思います。だってほら、結果的にPSVRが25%引きになるわけですから!


 逆に、『経費にできるものを経費にしないこと』は大きな損失に繋がりかねません。なにが経費にできるかは、是非自分で色々調べてみましょう。

(めんどくさがったわけじゃないですよ!? 職業はもとより、出している本の内容にさえ依存する話なので)


 とはいえ、25%引きになるからと、収入に見合わない買い物をして赤字になっては本末転倒です。では無理なく税金を安くするにはどうすればいいか? 様々な制度を利用して、控除を増やすことです。


 実はこのエッセイではその部分を主に解説していく予定なんです。というかようやく節税の具体的な手段の話に入ります。次回以降の更新にご期待ください。


余談:

 テレビドラマなどでサラリーマンが「これは経費で落とすから」なんてセリフを口にすることがあります。サラリーマンが領収書を切った場合、それが必要経費と認められると会社から全額費用が出てきたりするので、まるでボーナスみたいな扱われ方をするわけですね。ですがサラリーマンが口にする経費と、我々自営業が口にする経費ではまったく意味合いが異なることだけは知っておきましょう。



ーーーーーーー以下、オマケの捕捉ーーーーーーーーーーーー


 ややこしいので面倒臭ければ読み飛ばして頂いて構いません。


 何度も解説しておりますが、25%という数値は所得税を5%ちょっとで計算しているので25%ですが、実際には年収が増えれば増えるほど跳ね上がります。

 詳しくはこちらをご覧ください。


平成27年の所得税率一覧


課税される所得金額      税率  控除額

195万円以下          5%  0

195万円を超え 330万円以下  10%  97,500

330万円を超え 695万円以下  20%  427,500

695万円を超え 900万円以下  23%  636,000

900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000

1,800万円を超え4.000万円以下 40% 2,796,000

4,000万円超          45% 4,796,000


 年収から経費・控除を引いた額が、『課税される所得』。

 そこから上記の表に応じた税率をかけ、さらに右の控除額を引いたお金が所得税として徴収されるわけですね。


例:年収300万、経費30万、控除38万の場合

300万-経費30万-控除38万=課税される所得金額232万

上記の表から、232万の税率は10%なので232×10%=23万2000

同じく232万の控除額は9万7500円なので、23万2000-9万7500=所得税13万4500円



 ただ、たとえば『課税される所得』が4000万超あった場合、所得税率は45%です。

 つまりこの場合、控除・経費分にかける数値は従来の25%ではなく45%(所得税)+10%(住民税)+8%(国保)=63%になるのではないか……と考えたくなります。


 ですが実際には所得が多くなればなるほど所得控除の額も大きくなります。

 また、国保は50万ないし85万という上限があるので、収入が多ければ多いほどパーセンテージとしては低くなります。


 なのでこの場合、控除・経費分にかける数値は恐らく25%でも63%でもなく、45%ぐらいになると思います。いずれにせよ、お金持ちは積極的にお金を使って経済を回してくれと言うわけですね、きっと。


(そもそも年収4000万あったら法人化しろよというツッコミもできますがそれはそれ)


 ただ一点だけクソややこしい注意点がありまして、経費を計上すればするほど45%の節税効果は薄れていくという点です。


 極端な例ですが、たとえば年収が5000万あったとして、3500万の経費を計上したとします。(あと控除はめんどいので今回は計算から外すとします)


900万円を超え 1,800万円以下 33%

1,800万円を超え4.000万円以下 40%

4,000万円超          45%


 3500万の経費を計上して、所得税の対象となる収入が5000万から1500万になった。すると課税対象所得は、「4,000万円超」から「900万円を超え 1,800万円以下」ラインまで下がる、つまり所得税率が45%から33%まで下がるわけです。


 ものすげえややこしいんで書きたくないんですが、つまり年収5000万で3500万の経費を計上した場合、所得税についての節税効果は、


 3500万のうち、1000万円分が45%。

 3500万のうち、2200万円分が40%。

 3500万のうち、残る300万円分が33%ぐらいになります。


 なにを言ってるか分からないかもしれませんがあんまり気にしないでください。まあ年収1000万とか越えてから考えましょう。とりあえず『最低25%』で計算しとけば大体問題はありません。


ーーーーーーーーーーここまでーーーーーーーーー

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