第3話◆ 知っておくと便利な『税率25%』という数字 ご存じですか? フリーランスは年収の何%を国に納めるか

 確定申告の項目でもざっくり解説しましたが、我々は毎年税金を納める必要があります。フリーランスの場合、それがどれぐらいになるかというのを知っておくと、色々便利です。(なお、会社員の方などにはまずあてはまらない話です)


 とりあえずまとめておきます。もう面倒臭かったらここだけ覚えておいてください。


ーーーーーーーーここからーーーーーー


・フリーランスで国民健康保険に入っている場合、年収から経費・控除分を引いた金額から、ざっくり『最低25%』を毎年納税することになります。


・ただし、『最低25%』という数字は状況・収入により変化します。


・またこの性質上、経費・控除を計上できれば、大きな節税効果が生まれます。


ーーーーーーーーここまでーーーーーーー



 以下、解説になります。興味があったら、暇だったら読んでいってください。


 まずあなたの年収は、仕事に必要な経費や控除分を引かれた上で、毎年結構な額の税金を徴収されることになります。

(そもそも控除とはなんぞや? と思う方もおられると思いますが、後述しますので今は読み飛ばしてください)


 税金の名目は、主に以下の三つです。


・所得税

・住民税

・国民健康保険税(よく『国保』と略されます。状況によっては『保険税』ではなく『保険料』とも呼ばれますが、税金のように支払うことは間違いありません)


(注:他にも消費税とか固定資産税とか自動車税とか国民年金とかありますが、その辺は額が固定だったり、払う払わないのケースもあったりするので除外してます)


 フリーランスの場合、この三つを合わせて一年でどれぐらいお金が引かれているか、というのはなかなか実感できないと思います。


 納付するタイミングがバラバラだからです。

 所得税については、確定申告で自分で計算するのでどれぐらいかよく分かりますが、住民税・国保は請求通り払うだけです。


 具体的に言うと、所得税は3月の確定申告で。

 住民税と国民健康保険料は、確定申告が終わった後、5月以降ぐらいに振り込み用紙やら納付書やらがやってきたりします。


ーーーーーーーー面倒なので読み飛ばしていい話ーーーーーーー


 もっと具体的に書くと、たとえば平成27年分の所得税額は平成28年3月の確定申告で決定し、必要なら所得税を払います。そして平成27年の所得税額が確定することで、平成28年に支払う国保と住民税が確定し、5月ぐらいに通知されます。なお、平成28年分の国保は28年中に支払いますが、平成28年分の所得税を支払うのは平成29年3月です。また平成28年に支払った国保は、平成29年3月に行う確定申告で所得税・住民税の控除にできます。


 安心してください、私も書いてて頭が痛くなってきます。

 間違ってないですよねこれ……。


ーーーーーーーーここまでーーーーーーーーーーーーーーーーー


 というわけで、こう覚えましょう。

 フリーランスの場合、年収から経費・控除を引いた上で、『所得税・住民税・国民健康保険料』で最低25%を持って行かれると。


 異論はあると思います。実際に計算すると差額が出ることは間違いありません。でも正確な数値を出そうとするとケースバイケースになり、とりわけまだフリーランスの立場にない人にはいよいよ実感が湧かなくなってしまうと思います。


 なので『最低25%』という数値で話を進めさせてください。

 実際、税理士さんとも相談しましたが、そう間違ってはいないはずの数値なんです。たとえば、『最低25%』の内訳はこのようになります。


・所得税(最低5%~40%)

・住民税(一律10%)

・国民健康保険(ざっくり8%。上限は50万~東京都23区内で85万円!)


 厄介なのが三つ目の国民健康保険(国保)で、その計算はもの凄く面倒です。年齢や扶養家族の有無、住んでいる地域などでもかなり変動します。実際のところ、国保だけはパーセンテージで計算しようとしても、間違いなく正しい数値は出ません。


 ただ、「ざっくりこのぐらい?」と考えると8%と考えるのはそう間違いでもない気がします。いっそ個人的には10%計算にしてもいいような……。

 でも地域によっては6%ぐらいで済むこともあるようですし、そもそも国保は所得税・住民税の控除になることを考えると、やはり8%計算でいいような気もします。より正しくするなら8%+4万ぐらいの方がいいかもしれませんが……。


 ちなみに、国保については他の保険に入ることでかなり安くすることも可能です。有名なのは文芸美術健康保険ですね。次回以降で解説します。


 というわけで、所得税を最低の5%としても、住民税が10%で国保が8%。

 合計25%じゃなくて23%じゃねえかというツッコミはその通りなんですが、


・所得税はすぐに税率が5%から10%になる(具体的には所得が195万を越えた分から)

・今は復興税もある

・国保はやっぱり8%じゃなくて10%計算の方がいい気がしてくる


 とかのクソややこしいことを考えると、やっぱり25%で計算してもいいような気がします。というか計算しやすいので25%にしましょう!(提案)


 ちなみに、何度も言いますが25%は最低の数値です。住民税は10%、国保は8%でいいとしても、所得税は5%~40%と大きく変動しますので、25%ではなく30%、50%となることも当然あり得ます。


(ただし、ややこしいですが所得税には所得控除という特別な控除があり、国保も上限があることを考えると、年収が多少増えたからといってすぐに25%という数値が35%・45%になるとは限りません)


 でも、「じゃあ年収の25%を毎年持って行かれるってこと?」となると、大きな誤解があります。折に触れて書いておりますが、『年収から経費・控除分を引いた額』から、25%が毎年持って行かれるというのが正しいです。


(逆に言うと、確定申告をしなかった場合は経費・控除がロクに計上できないので、ほぼ年収の25%を持って行かれると考えてもいいかもしれません)


 たとえば、基礎控除というのがあります。

 これは所得税の場合、38万と決まっており、年収から(正確には年収から経費を引いた額から)無条件に38万円引いた上で税金の計算をすることができます。


 なんでそんなややこしいことをするのか、という疑問はごもっともだと思います。多分色々理屈はあるんでしょうが、まあとにかく税金安くなるんだからいいんじゃないですかね?(思考停止)


 具体的な話をしましょう。あり得ないですが分かりやすく基礎控除以外の経費・控除が0円、年収が300万円だったとします。

 先ほどの25%という数値を持ち出すと、所得税・住民税・国保で300万×25%=75万を持って行かれる計算です。


 ですがここに基礎控除38万を入れてみます。


 300万-38万=262万円。

 262万の25%は65.5万円。つまり、納めるべき税金が、基礎控除があるおかげで75万-65.5万=9.5万円も安くなるわけです。


(注:詳しくは後述してますが、ここでは分かりやすく住民税・国保の基礎控除も一律38万で計算してしまっているので、少し大きい金額が出てしまっています)


 9万ですよ9万。つまり毎年PS4とPSVRが買える金額が手元に残るようになるわけです。余談ながら最近、相続税の基礎控除とか扶養控除の金額を調整するなんて話が出てますが、ようするに控除が増えれば減税、減れば増税なわけですね。


 また、基礎控除と同じように、『仕事上で必要な経費』も年収から控除することができます。つまり、経費や控除分を増やすことができればできるほど、『国に納める税金』を減らすことができるわけです。あなたが得られるお金が多くなるわけです。

(詳しくは次のお話で解説しております)


 ただし、控除については実は厄介な点がありまりて。


 所得税や住民税には適用できても、国保に適用できないものがあったり、所得税・住民税・国保のいずれにも適用できるものの、適用額が変わるものがあったりするんですよね……。

 一応どういうことか詳しく書いておきますが、面倒でしたら読み飛ばしてください。


ーーーーー読み飛ばして言いおまけ話ーーーーーー


 たとえば、さっき触れた38万の基礎控除。


 38万の基礎控除は、あくまで所得税についての基礎控除。

 これが住民税、国保の基礎控除になると、なぜか控除額が33万になります。


 つまり基礎控除の正しい節税効果を計算する場合、以下のえげつない計算が必要になります。

 年収が300万、基礎控除以外の控除・経費が0円とします。所得税はすげえざっくりで7%ぐらいになりますが、その場合、


所得税:(300万-38万)×7%=18.34万

住民税:(300万-33万)×10%=26.7万

国保:(300万-33万)×8% =21.36万


 つまり基礎控除をもう少し正しく計上したことによる節税効果は、


 75万-(18.34万+26.7万+21.36万)=8.6万円


 という計算になるわけです。


 注:実際の計算はもっと複雑ですし、差異は当然出てくるはずです。特に国保。


 基礎控除を一律38万で計算すると、9.5万円という数字が出ていました。ですが住民税・国保の基礎控除を33万で計算すると、当然ながら下がるわけですね。


 なお、経費についてはこういうややこしいことは一切なく、所得税・住民税・国保の計算に一律適用できます。

 ただ経費は自分でお金を使わなければなりませんが、控除は制度を利用するだけで増やせることを考えると、どっちが優れているかと一概に比べることはできませんが。


ーーーーーーここまでーーーーーーーーー

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