放課後のアルカディア

蒼井拓

放課後アルカディア

『――はい。というわけでね。今日はこのキャッスル・オブ・セブンリーグというゲームをやっていきたいわけなんですけども』

 ヘッドフォンから流れるのは、ちょっと滑舌が独特な感じの女の子の声。

 俺はいまインターネット動画配信サイト「ピコピコ動画」の生放送画面を見ている。放送名は「ドライブキャス子のお絵描かないゲーム実況」。

 ドライブキャス子というHNと声から配信主が女の子だと分かる。HNだけだとネカマの可能性もって感じだけどそれもない。声は明確に女の子のものだからである。学生なのか社会人なのかは判別できないが、特徴的な滑舌からなんとなく幼さを感じさせる。

 お絵描かないということは、普段は絵を描く作業光景の配信とかやってるんだろう。FixivでHNを検索したら絵とか見れるかもしれない。

 もっとも、さる情報筋からこの声の主が高二……俺と同い年の現役女子高生であるということは把握している。

 ピコ動の配信者の身バレ……インターネットの闇を感じる……。

 俺の名誉のためにいっておくと、俺が調べたわけではない。というか俺もかつて「彼女」に「調べられた」側の人間であり、言ってみればこの生主とは被害者同士である。同盟を結んでもいいまである。が、加害者である「彼女」――さる情報筋に逆らってはいけない。絶対に逆らってはいけない。逆らえば身バレよりももっと恐ろしい目に……いや、そんなことよりも、いまは目の前のJK生プレイ実況のほうが重要なのだった。

 ところでJK生プレイ実況っていうと途端にいかがわしくなるな? まあ、プレイっていってもゲームなんだけども。

 PCのモニタはちょっと古風な感じのゲームのタイトル画面を映し出している。

 タイトル画面を背景に「わこつー」なる文字列が次々に右から左へと流れていく。俺も「びていこつー」と打ち込む。「こんにちは」くらいの意味である。

『はいはいどもども、わこありですよー。って、え、びていこつて、フフッ』

 ウケてる! うれしみ。

 ドットで描かれたタイトルは「Castle of the Seven League」――さっき生主が言ったままだけど、そのまま日本語に訳すと「七リーグの城」になる。リーグは距離の単位なので、意訳するなら「七里の長城」ってところか。途端にスケールが小さくなってしまった。ちなみに七リーグはアーサー王伝説に出てくる七リーグの靴に由来する。

『えっと、このゲーム、PC用の国産フリーゲームなんですけども、昔懐かし古き良き、8ビット時代の趣を感じさせる横スクロールアクションでして、ちょっと画面をみてもらうと――』

 ジャキーンと硬質なSEが響き、タイトル画面がフェードアウト。ついで、ドットで描かれた古城を背景に、城壁の上に経つ鎧の騎士の姿が現れる。勇ましい矩形波のBGM。

『はい。これがゲーム画面ですね。えーと、基本的にはですね、こう、画面を右へ右へと進んでいくタイプのゲームになっています』

 鎧の騎士が右へと歩き出す。

『このグラがねー、またかわいいんですよ』

 腕を振り足を交互に前に出す歩きモーション、と言葉にするとなんてことない感じに思えるが、わずか16×16ドットという小さなピクセル数でこれだけの表現をするのがいかに大変か俺はよく知っている。まさに匠。

『攻撃とか、あとジャンプもね、ほら! かわいいでしょ~! ドヤ~、ドヤ~。って、私が作ったんじゃないんですけどね』

「かわいい」「かわいい」とコメントが流れる。これはどっちかな? どっちもかな?

 後でタイムシフト再生して「ドヤ~」のところ音声切り出そ。

『このかわいさにね、もう一目惚れですよ~。私もこういうゲームのドット絵とか描いてみたいですね~って、きょうはお絵描かないんですけど。はあかわいい……』

 うんうん。そうやね。かわいいグラフィックやね。

 でも、俺は知っている。

 見た目ほどこのゲームがかわいくないということを。

『実は私このゲームまだちゃんとプレイしてなくって、デモ動画見ただけだったりするんですよね。ほぼ初見プレイみたいな。初見なりにね、がんばっていこうと……あっ、鳥さんだ! 鳥さんかわいい! パタパターって、えっ』

 画面右上空より現れた鳥が、突如として急降下、鎧の騎士を襲う!

 一撃で三つあったライフがすべて弾け飛ぶ。

 城壁の上に倒れ伏す騎士を後に残し、鳥はV字に上昇して去っていく。

 プレイヤーの死を表現するなんともアンニュイなジングルをバックに、「どんまい」「乙」「南無」などの文字列が画面に次々流れてくる。

『ちょっといまのどういうこと……? 避けられなかったことない……? ていうかそもそもライフ三つあったのに一撃……? ライフの意味……人生とは……』

 困惑する放送主。困惑のあまり人生の意味を探し始めている。よせ! 帰ってこられなくなるぞ!

 が、すぐに気を取り直したようで、

『……まあ初見殺しとかね、よくあるからね。こういうのはね、一回見ればね』

 と、ゲームを再開する。再び城壁の上に立つ鎧の騎士。

『こいよ鳥ヤロー! 武器なんて捨ててかかってこい! そい! ここで、ジャンプ!』

 鳥の急降下に合わせ、タイミングよくジャンプ。やるじゃん。一発でタイミング合わせるのなかなかむずかしいんだよね。この生主の放送見るのはじめてなんだけど、けっこうゲームうまいんじゃないか。

 ま、それじゃだめなんだけど。

『ほら避け、えっ』

 急降下は確かにジャンプでかわせた。しかし鳥の攻撃は終わっていなかった。いまだ空中にいる鎧の騎士めがけ、向きを反転、急上昇。無残にライフが弾ける。

『は? え? なにいまの。いやさっきV字に上昇したでしょ? なんで反転するの? おかしくない?』

「ランダム」「ランダムやよ~」と視聴者のアドバイスが流れる。

『え、ランダム? この鳥ランダムに向き変えるの? 動き読めなくない?』

 そう。このゲーム、鳥にかぎらず敵のAIは不規則に移動しがちであり、読みにくい。なんでそんな動きするねん、という挙動も結構多い。高度に制御されたAIは覚えてしまえばむしろ攻略しやすい。乱数任せというのが、ときに製作者も想定しないほど理不尽な結果を引き起こす。まあ運が悪かったよね。

『え~……これどうやって避けるの?』

 言いつつも、再挑戦する生主。

 再び現れる鳥。

『あっ鳥来た、鳥ヤダ、鳥っ』

 あわてる生主に、無慈悲に鳥が襲いかかる! 必殺の急降下!

『あっこれ、降下してきたら、こうか! 降下だけに』

 えっ? いまなんて?

 俺の困惑に構うことなく、ゲームは進行していく。鎧の騎士は鳥に背を向け、後退。騎士の上空をかすめながら鳥が上昇する。そう、鳥の攻撃範囲に入らない、というのが正解だ。それは正解なんだけども。

 鎧の騎士の華麗な回避行動が決まると、間髪おかずに画面に「こうかだけに」「こうかだけに」なる文字列が一斉に流れ始める。

 なにこれ……。

『いや~いまのは効果的だったね~降下だけに』

「こうかだけに」「こうかだけに」

 もういいわ!

 もしかしてそういう配信? そういう系の実況? 女子高生じゃなくて女子高生の声真似したおっさんでは? いやこんな声質のおっさんいやだな……。おっさん並の思考の女子高生もどうかと思うけど……。でも、おっさん並の思考のおっさんよりはいいのかな……それもうただのおっさんやけど……。


 ***


 三十分かける二枠の計一時間かけて、なんとか最初のステージをクリアしたところで、放送終了の時間となった。その間に死んだ回数は五十を超える。何回死んでも一度も作者に対して一切の苦言を呈することなく楽しそうに「死んだー!」と言いながらプレイしていたのが印象的だった。ちょいちょい紳士ジョーク(精一杯の婉曲的表現)が挟まるのは……いや、ちょっとクセになるかもしれない……あとでタイムシフト再生して……。

『いやー死にゲーでしたねー。みなさんも死にたくなったらこのゲームをプレイするといいと思いまーす。以上、おつきあいありがとうございましたー。それではまた次回、ごきげんよう~』

 画面が暗転する中、「おつかれさま」や「乙」などの文字列が流れていく。

「ふー」

 椅子にもたれかかって、軽く伸びをしつつ、ぼんやりと放送内容を振り返ってみる。

 このゲームが作られたのはいまから三年くらい前になる。

 当時はまるで無名のゲームであり数少ないプレイヤーも「バランス悪すぎ、クソゲー」という評判が専らだった。こんなふうに和やかに実況できるようなシロモノでは決してなかった。

 過去形なのは、いまはそうではないからだ。

 去年の末頃に突然のバージョンアップ。

 グラフィックはすべてあらたに描き起こされ、シロウトの下手くそなドット絵から、当時の8ビット機にありそうな水準にまで向上。フリー素材を使ったSEやBGMも全てオリジナルのものに差し替わっている。

 ゲームバランスも見直され、プレイを繰り返すうちにクリアできるレベルにまでなった。それでも充分すぎるほどの高難度だが、当時の難易度を大幅に変更することはゲームの本質をスポイルするからやらない、だそうだ。

 ちなみにライフが一気に三つ減るのは仕様ではなくバグである。一フレームの間に同時に複数の攻撃エフェクトに接触すると、接触した分だけ重複してダメージを受ける。鳥の急降下は特に多くの攻撃エフェクトが重なっているので最大でライフ十個分程度のダメージを受けることがある。クソゲーかな?

 どうしてそんなに詳しいかって?

 そりゃ……これを最初に作ったのが俺だからだよね。

 自分のゲームを他人がプレイする実況動画を見る。

 死。

 あえて自殺行為に臨んだのは、逆らうことのできない人間に指示……いや、命令……ではなく、「お願い」されたからである。

「きょうは、これからななじょーがつくったゲームのなまはいしんがあるので、みること」という文面(怪文書かな?)とともにピコ生ページのURLが送られてきたときはどうしようかと思ったが、俺は「彼女」に逆らうことができないのですぐにブラウザを立ち上げてURLにアクセスした。

 ななじょーというのは俺のことである。勘の良い人はわかったと思うけど……高校二年の俺が三年前に作ったゲームだからね。死にたい。

 死の配信を見ても俺が生きていられたのは「俺が作ったゲーム」ではなくなったからかもしれない。カワイイドット絵もBGMも俺の手によるものではない。俺だけのゲームではなくなったから、そんなにつらくはなかった。たぶんそうだろう。

「彼女」はそれに気付かせるためにピコ生を見るように言ってきたのかもしれない……いや、それは……ないな。

 メールの着信を示す通知音。送り主は「彼女」である。

「彼女」は私利私欲でしか動かない。

『したにかいたぶんしょうをこぴぺして、さっきのなまぬしにメール。よろしくね~』

 いわれるがままに怪文書をコピーし、生主のアドレスに送信――の前に、件名どうするか書いてないな。こっちで決めていいのかな。てきとうでいいか。

「送信っと」

 それにしてもこの文面……どうなっても知らんからな。


 ***


『件名:びていこつ

 ドライブキャス子 こと いさなわこうこう2ねんCぐみほしかわめぐりこさんへ。

 あなたのことはよくぞんじております。

 つきましてはあすのほうかご、とくべつきょうしつとうの1F、開発二部のぶしつまでくること。こないばあい、おまえのこじんじょうほうはしぬ』


 ***


 インターネットの闇に恐れながら寝付けるか不安だったが、他人の個人情報が掌握されている事実とかよく考えなくても俺には関係ないことだったのでぐっすりと眠ることができるはずだったのだが、罪悪感からか黒塗りの高級車に激突してしまう。

 意識を取り戻した俺が見たのは、古びれたアーケード筐体と、劣化で馬鹿になったレバーを握り、ボタンに指を置き、真っ暗闇を映し出す画面を見つめている俺の姿であった。

 視点が「引き」に変わる。アーケード筐体が置かれているのはおもちゃ屋の軒先らしい。看板のペンキが剥がれて、「おもち の日 」になっている。見覚えがあるような、ないような、懐かしい感じはする。

 夕方なのに電気が一切ついてなくて、店内が薄暗い。商品棚にはまばらにおもちゃの箱が積まれててなんだかさみしい。棚の一つを前に、女の子が佇んでいる。ゲーム機の箱を見ているみたいだ。かなしそうに何か言っているようだったけれども、何を言っているのかは分からない。やがてぐるぐると渦を巻いて視界が溶けて、次に目を覚ましたら自室のベッドの上だった。

 なんの夢だったのかはよくわからない。なんとなく懐かしいような気もする。なんだっけな。夢は記憶の整理というから、ひょっとすると以前こういうことがあったのかもしれない。しかし俺は思い出すことができない。

 思い出せないまま一日学校で過ごしたら、もう夢のことを思い出せなくなってしまった。

 で、放課後である。

 特別教室棟の廊下を歩く。窓の外はしとしとと雨が降る。特別教室棟は年季が入った建物だから、梅雨の時期になると埃とカビの匂いであまり快適ではない。

 目的地へと急ぐ。

「開発二部」のプレートが目に入る。

「ほしかわめぐりこ」なる人物を呼び出した部屋だ。いや、俺がその「ほしかわめぐりこ」だからではない。単に部員だからというだけのことだ。

 なぜ部員なのかというと、俺もまた、「彼女」に個人情報を掌握されている一人だからである。

 はあ。思わずため息が出る。

「ほしかわ」に同情したからではない。俺は何をやっているんだろうな、という意味のため息だった。しかしため息を付いたところで現状が変わるわけではない。

 ドアをすべらせ、開発二部の部則その一『挨拶は時間にかかわらず「おはよう」とする』にならい「おはようございまーす」の声とともに部室に入る。

「おはよ~ななじょー」

 返事は一人。

「きょうはほかのメンバーは」

「みてのとおり」

「そうですか」

 開発二部の部員は、俺を含めて四人。

 今日いないほうの二人は、中等部三年なのになぜか部員扱いになっている後輩ちゃんこと樹くるると、俺の同級生であり現在仮入部十四ヶ月目の南都繭。

 つまり、きょうはいない、というより、きょうもいない、というわけだ。

 いるほうは、俺こと七ヶ城築と、パイプ椅子に座って何やら紙にペンを走らせている、ちんちくりんの女の子――このちんちくりんこそが、「ほしかわ」の個人情報を入手し、今日ここへ来るように脅迫した張本人である「彼女」こと開発二部の部長、山野辺史緒である。

 ちなみに一年留年して在学四年目である。

 が、周知の事実なのでなんの弱みにもならない。悲しみ。

 開発二部は、名目上「ゲームを作る部」ということになっている。

 部名の由来は、とある名作ゲームを生み出したスタジオにちなむと聞いた。

 名目上というのは実際にはこの部活でゲームを作る活動をほとんどしていないからだ。部長はいつもゲームで遊んでいる。

「学校で公然とゲームで遊ぶ空間が欲しいんだけど、ゲームを作る名目なら参考資料といってゲームを遊び放題なのでは?」という頭が沸いてるのかな?と思ってしまうような理屈で設立した部。それが開発二部だ。

 部長は単にゲームで遊びたいだけなのだ。

 なので開発機材なども特に設置されていない。俺は家から自分のノートパソコンを持ち込んでいる。部室に置くと部長に私有化されるので毎日持ち帰っている……。

 しかし部の設立請願の名目はちゃんと「ゲームを作る」ということになっているので、承認が降りてしまったらしい。

 部長は部の設立から二年に渡って悠々自適なゲームライフを送った。

 三年に上がるときになって進級に必要な単位を落として留年した。

 部長はアホだった。

 結局これが問題視されて「活動実態がない」のを理由に廃部しようという動きが起こった。去年のことである。

 話せば長くなるが、俺の弱みを握って俺にゲームを作らせることで活動実態があるように装うことで、廃部を回避した。作ったといっても、俺が過去に作ったゲームのリメイクであり、一から作ったわけではない。そのへんも微妙なところで、一旦廃部は保留になったはなったわけなんだけど……まあ、部長を見ていれば「この部を潰そう」と思う人間が生まれてもしょうがないような気がする。

 ほかの部からの突き上げも多分にあったろうと思う。

 今年になって、生徒会から「一学期中に部員数を満たさなければ廃部」という勧告がなされた。

 現在の部員数は四名。中等部生や仮入部扱いが部員として認められているのは謎ではあるけれど、いちおう四人として認められている。

 諌名和高校の部活動規定によれば、部活動の存続には五名の部員が必要である、とのこと。とはいえ、これを満たさないまま承認されてる部なんてたくさんあるんだけども。

 しかし規定は規定である。

 今学期中に部員数を五人にしなければ、廃部が決定する。

 夏休みまであと一ヶ月半もない。

 部の存続の危機である。

 さて。

「ほしかわさんはまだ来てないみたいですね」

「みてのとおり」

「それは?」

「入部届だよ~」

 なるほどね。

 足りない部員を、これから補充するわけだ。

 見ると名前欄に「星川巡子」と書かれている。めぐりこってそういう字なんだ。それにしても……星川? なんか見覚えがあるような気がするが……っていうか、それ部長が書いてもいいのかな……。

 今後の不安に思いを馳せていると。

 不意にドアがノックされる。

「空いてるよ~」

 部長の間延びした声で返事をする。

 おそるおそるという感じでドアが開く。

「開発二部ってここであってますか……?」


 ***


 現れたのは、ちょっと印象の薄い感じの女の子だった。

 どこにでもいそうで、それでいて、どこにもいないようにも思える。

 いや、容姿はとんでもなく整っている。

 長く伸ばした色素の薄い髪にせよ、透き通るような肌にせよ、その全てに浮世離れした雰囲気がある。人形めいた美しさがそこにはある。

 にもかかわらず、どことなく、視界の端にいたら見逃すような、存在の希薄さのようなものを感じる。

「あの、びていこつ……? のことで来たんですけど」

 思わずずっこけそうになる。

 いや、確かにそういうメールを送ったけど。送ったけどさあ。

「びていこつ?」

 不思議そうな顔で部長がこちらを見る。

 ちゃうねん、ちょっと魔が差しただけやねん……。

「あ、その、ドラ、いや、星川さん……であってる?」

 ドライブキャス子、と言おうとしたところで、露骨に嫌そうな顔をされた。そりゃそうだ。俺も同じ立場だったら嫌である。もっとも、苗字を呼ばれたときもかなり渋い表情をしていた。気持ちはわかる。

「あの、どうしてわたしの名前を……?」

 彼女の言う名前は、本名の方ではなく、たぶんハンドルネームのことを言っている。なぜ自分があの配信者だと知っているのか?と問うているのだ。それは誰かが調べたからなんだけど、あ、そうか。

「待って。それ、俺じゃない。俺じゃなくて、こっちの小さい……」

「ななじょーあとで屋上ね~」

 ヒイ!

「この大変愛くるしいお姿であらせられます我らが部長がですね、はい」

 うむ、と部長が頷く。

 星川は、要領を得ないという感じで訝しそうに眉をひそめる。

「それではわたしから説明しよう~」

「あ、はい」

「あのね~、きみのことちょっと調べさせてもらったんだけど」

「えっ」

「CH@TTERERのアカウントとかね~、ブログの過去ログとかね~」

「えっ、で、でも、私のアカウント鍵かかっ……えっ、どうやって?」

「きみがフォローしているレトロゲームハードbotね、あれ、わたしが作った」

「!?」

 うかつにbotのフォロバを受け入れてはいけない。いましめ。

 ていうかレトロゲームハードbotて。

 あっ、そうかドライブキャス子だからか。なるほどね。DriveCastね~。HNってたいていその人の個人的な何かに由来するから、言うほど匿名性ないんだよね。俺も去年にそのことに気付いていればな……。

「な、なにが目的なんですか。こんなことして、私をどうするつもりなんですか」

 乱暴するつもりなんでしょう! エロ同人みたいに!

 と、思わず言いそうになったが、そういう空気ではなかった。

「まあまあ、そう警戒せずに」

 それは無理だと思います。

「わたしがきみにやってほしいのは、ひとつだけ。この部活に入って、わたしたちと一緒に活動してほしいなってことだけなんだよ~」

「この部活……開発二部に、ですか?」

「そうそう」

 星川は部室内を見回す。

「っていうか、ここって何する部なんですか……?」

 会議用長机とパイプ椅子、雑然と積まれた段ボール箱と、あとは中身がすっかすかのスチールの本棚。それくらいである。もともと備品室でしたよ、という雰囲気の部屋であり、実際そのとおりだったりもする。

「ゲームを開発する部活だよ~」

「ああ、それで開発二部……」

 合点がいった表情になる星川。なんで「二部」なのかまでわかったように見えるけれども、ひょっとして俺が知らないだけで開発二部って有名なのか?

「きみがゆうべやったキャッスル・オブ・セブンリーグも、うちで作ったものだから」

「えっ」

 正確には俺が作ったものをほかの人に手伝ってもらってリメイクしたもの、である。

 BGMとSEは当時中等部二年のくるるが担当し、グラフィックは部費を使って先輩が外部の人間に発注した(実際の指示や仕様の調整はぜんぶ俺に丸投げされた)。あれ、なんかこの部活で作ったとはいえないような気がしてきた。

「それじゃあこの中にあのかわいいグラフィックを書いた人が……? もしかして先輩が……?」

「いやーあれは個人のグラフィッカーに発注したものなので……」

 夢を壊すようで大変伝えにくい。

「もともとはそこにいるななじょーがグラフィックとか全部やってたんだけどね~、出来がしょぼくてね~」

 しょぼくて悪かったな。

「ななじょー……? ああ、キャッスル・オブ・セブンリーグって、そういう……」

 星川が俺に生暖かい視線を向けてくる。やめろ。そんな目で見るな。

「中二みたいなネーミングでしょ~」

 実際作った当時は中二だったんだから勘弁してくれ。


 ***


 気を取り直して。

「この部に入ってって話なのは、わかりましたけど……入ったら私の個人情報ちゃんと破棄してくれますか?」

 じっと部長の目を見据えて星川が言うと、部長は……目をそらした。

「部長」

「しょうがないにゃあ……」

 しょうがなくねえよ。ついでに俺の個人情報も破棄してくれ。

 星川はあからさまに不審そうな表情をしている。

 そりゃそうだ。信用しろというほうが無理がある。

 でも、俺は別に星川が入部することにそれほど興味がない。というか、俺が開発二部にいるのだって成り行きにすぎない。どちらかといえば、俺のような被害者をこれ以上増やしたくないまである。

 しかし入部しなければ……想像するだに恐ろしい。

 かといって、入らないとひどい目にあうから入ったほうがいい、なんて言えるか?

 星川も、どうしたものか決めあぐねているようだった。

 部長が口を開く。

「ななじょーにとっても、悪い話じゃあないんだけど」

「どういうことです」

「とりあえずPC出して」

 鞄からノートPCを取り出す。部長はどこからともなくLANケーブルを引っ張ってきて、ノートPCに繋ぐ。いつも思うんだけどこのLANケーブルどこから引いてるんだろう……。

「まあこれを見たまえよ~」

「どれどれ」

 画面に表示されているのはブラウザのウィンドウ。

 Fixivのページだ。女の子のイラストのサムネが並んでいる。へー。けっこうかわいい。どれどれユーザは……ドライブキャス子。

「あっ」

「どうしたんですか? って、わっ、わーっ!」

 星川は画面を覗き込むなり、ワーワー言いながらノートパソコンを折りたたもうとする。あの、俺の指が挟まるから、ってもう挟まってる痛い痛い!

「やめてくださいどうして私のFixivのページを見てるんですか!」

 なんとか指を引き抜く。もげるかと思った……。

「や~。うちの部ってグラフィッカー外注しなきゃいけない状況だからね~、絵が描ける人が入ってくれたら、ななじょーもゲームを心置きなく作れるじゃない?」

「それは、まあ」

「わ、私はまだ入るなんて言ってないですよ!」

「……と本人も言っておりますし、本人の意志が大事なんじゃあないかと」

「つれないね~」

 部長は不満そうに口をとがらせる。

 あれ、俺がおかしいのかな。

「こうなったら奥の手かあ……」

 ブツブツと呟きながら、部長が突然床に寝っ転がる。

 なにしてんだこの人っていうかあんまりきれいじゃないですよこの部室の床。

 などと思っていると、

「入ってくれなきゃヤダヤダ~! 入ってよ~部活に入ってよ~!」

 部長が駄々をこねだした!

「うわ、大人げねえ!」

 あんた来年成人だろ! 見た目は女児だけど!

「わたしの理想郷を守るためなの~! お願いだから入ってよ~!」

 私利私欲のためかよ! 知ってたけど!

「いっ」

 変な声が聞こえて、そちらを見ると、

「星川、さん?」

 星川が肩をわなわなと震わせていた。

「あの、星川さん……?」

 これはひょっとして。

 ヤバイやつなのでは?

 止めようと思ったが遅かった。

「いい加減にしてください!

 星川の怒りが爆発する。

「な、なんなんですか? 私のこと勝手に調べて、よくわからない部活に無理やり入れさせようとして!」

「ちょ、ちょっと星川さん落ち着いて」

 なだめようとするが、星川は止まらない。

「私のこと、バラしたかったらバラして、笑いものにすればいいじゃない! ぜったいこんな部活になんて入らないですからっ!」

 ガラッ! ピシャッ! リノリウムに足を叩きつけるようにして、星川が走り去っていく。

 寝っ転がったままの部長が、天井を見上げてポツリという。

「あーあ」

「あーあじゃないですよ。どうするんですか。生徒会の耳に入ったら問題になって部員確保どころの話じゃ済まなくなりますよこれ……」

「そう思うんだったら」

 部長が起き上がる。

「ななじょーが説得してよ」

 どこかふてくされたふうに見える。

 思わずため息がこぼれる。

「わかりました。わかりましたよ」

 部がなくなっても俺は困らないけど、部がなくなって困った部長が何をするのかと考えると、結局俺は動かないといけなんだよなあ。

 とぼとぼと部室を後にする。と、

「ななじょ」

 背中に短く声がかけられる。

 振り向くと部長が、ちょっと困ったふうに笑っていた。

「なんでもない」

 あーあ。

 もうなんちゅうか、なにやってるんだろうな、俺は。


 ***


 幸い雨は上がっていた。

 道はベタベタで走りにくい。なので、そう遠くは行ってないだろうなと思ったら、校門の外で息を切らしている星川の姿が見えた。

 追いつきそうだなーって思ったところで星川がこっちに気付いた。

「な、なんで追いかけてくるんですか!」

 そして逃げる!

 えっ、めっちゃ走るやん! 待って、走るの待って!

 俺も! 走るの! 苦手、だから……。

 実は、俺も、校門の、ときに、すでに、息、切れ……。

 満身創痍の鬼ごっこが続く。

 いつの間にか日が傾きはじめていた。

 いつ終わるんだろうなあ、お互いの体力が尽きた頃かなあ。と思っていたが、その前に終わりがやってきた。

 パシャリ。

 水たまりで足を滑らせて、

「わっ!?」

 星川の身体が一瞬ふわりと宙に浮いたように見えた。

 バシャン。

「ちょ、だいじょうぶ!?」

 いま絶対顔から行ったけど……。

 よろよろと起き上がる。

 とっさに手をついたのか、顔は……ちょっと水がはねたような感じはあるけど、怪我はなさそうだった。よかった。

 もっとも、制服のほうは泥水で派手に汚れちゃってるんだけど。

「うう……」

 っていうかどうしよう。タオルとか持ってたらいいんだけど……。

 コンビニ行ったらタオル売ってる……よね?

 おろおろとあたりを見回す。

 コンビニはない。というか、やってる店の姿自体がまばらである。

 いわゆるシャッター街ってやつだ。

「あれ」

 ふと、看板が目につく。

 ここって。

 ペンキが薄れて「おもち の日 」になってしまっている。

「なんか見たことあるなって思ったらここだったんだ」

「なにが、ですか?」

 立ち上がって泥水まみれの制服を見下ろしながら、星川が尋ねる。

 夢に出てきたおもちゃ屋。

 思い出した。閉店した日のことを。

 そうか。ここだったんだ。

 店の軒先のほうに歩いて行く。

「この筐体でよく遊んだなーって」

 ポンポンと叩く。

 まだなくなってなかったんだな。

 電源は入ってない。それはそうだ。あの日もそう。電源は入ってなかった。電源の入らないアーケード筐体の前に立って、スティックを握って、ボタンに指を置いて。何も映し出さない画面を見ながら、身体が覚えた操作を繰り返しながら。どうしていいのかわからなくって。

 風雨にさらされてボロボロになってしまっている。

 でも、なんで外に置きっぱなしなんだろうな。

 シャッターの降りた店の姿を見ると、なんだかもの寂しい気持ちになる。

「七ヶ城さん、ここに来たことあるんですか?」

「むかしね」

 たぶん十年くらい前だったと思う。

「そう、だったんですか」

 星川はうつむいて、絞りだすように言う。

「星川さんも、ここに来たことが? ……あれ、星川さん?」

 しゃくりあげるような声。

 やがて顔を上げると、

「ここ、わたしの家なんです」

 星川の目には、涙が浮かんでいた。


 ***


 十年前、ゲームや玩具の流通というのは大きく変わった。

 ゲームやおもちゃを取り扱う家電量販店の進出やインターネット通販サイトの台頭によって。

 何が起きたかというと、町のゲーム屋やおもちゃ屋の閉店ラッシュである。

「おもちゃの星川」も、その例に漏れなかった。

「おもちゃの星川」の軒先にしゃがみこんで、星川がぽつりぽつりと喋り出す。

「あるとき、父が帰ってきて、こんなことを言ったんですよ。『父さんな、倒産しちゃったんだ』って」

 星川は苦笑交じりに言う。

 笑えねえ……。っていうか星川のセンス……親子……遺伝子……環境……こええ……。

「筐体が外に出しっぱなしなのは、『いつもあれで遊んでくれる子がいて、あれが置いてあるとまた来てくれるんじゃないか。そんな気がして動かせないんだよな』って。父がそう言ってました。七ヶ城さんのことだったのかもしれませんね」

 そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。俺以外にもあの筐体で遊んでいたやつはいたし、俺も毎日のように通い詰めていたというほどでもない。小遣いもあんまりなかったし。でも、そうだったと思うほうが、なんかいいなという気はする。

「中ってどうなってるの?」

「見ますか?」

「いいの?」

「あの頃のことを知ってる人が見てくれたら、父も片付けようって気持ちになるかもしれません」

 引きずってるんだなあ……。

「こっちです」

 裏口……というか搬入口っていうのかな、そこから店内に入る。

 埃っぽい……かと思ったけど、そうでもない。

 っていうか、これ、マジか……。

「あのときのまんま……?」

「です」

「そうかあ」

 商品棚もそのまんま、ということになる。

 不意に、ゆうべ見た夢のことを思い出した。

「たしか、こっち」

 あった。

「これ……これかあ」

 ドラキャスの箱。経年劣化でちょっと色あせている。

「私、ちっちゃい頃は、ずっとこのドラキャスの箱見てたらしいです。覚えてはいないんですけど」

 ひょっとすると夢に出てきたの、星川だったのかもしれない。

 もっとも、夢で見たのがどんな子だったのかはもはや思い出すことができない。

 ドライブキャス子とかいうピコ動ユーザのゲーム実況をみて、記憶の奥底にあったのが引っ張りだされた……と考えるのは、ちょっと都合がいいだろうか。

 ぐるぐるマークのロゴを指でなぞりながら、星川が言う。

「でも、ドラキャスは好きなのは、当時からそうだったんだろうなって思います。いまでも好きですし」

「こんな古いハードなのに?」

「古いハードだから、です!」

 そういうもんなのか。いまから十五年以上前のハードだったと思うけど……。俺にはわからない。

 コホン、と咳払いをして、星川がこっちを向き直る。

「そんなことより、七ヶ城さん」

「なんですか星川さん」

「わたしのことを追いかけてきたってことはその……」

 そうですね。そうでした。

 はて、どういったらいいもんか。

「部長は、ああいう人だけど、本当はあんなことしないで、ふつうに頭下げてお願いしますってできれば、そのほうがいいって分かってると思う」

 星川はじっと俺の話を聞いている。

「不器用っていうか、たぶん分からないんだよね。どうやったらいいのか。やり方を知らない。って、俺も一年しか一緒にいないからはっきりとは言えないんだけど」

 自分の私利私欲のために行動するのに、他人の善意に期待したくない、っていうのも、あるかもしれないんだけど、それを言うのはやめておいた。それは俺の口からじゃなくて、部長が自分で言えるようにならないとダメだ。

「やり方を知らなかったら、聞けばいいんですよ……」

 星川は脱力したふうに、そんなことを言う。

「俺もそう思う」

 そういって俺が力なく笑うと、星川も笑った。

「で、あらためて聞くけど」

「はい」

「いっしょにゲーム作ろう」

 星川はニッコリと笑うと、

「それは、考えさせてください」

 といって、断った。

 ええー……。


 ***


 けれども翌日、結局星川は自分で入部届を書いて持ってきた。

 女子の考えることはわからん。

 女子の考えることはわからんけど、ゲーム好きの考えることはわかる。

 星川なら入るって、俺は思っていたからね、確信してたからね。不安でぜんぜん眠れなかったとか、授業中爆睡してお叱りを受けたとか、そういう事実はいっさいないからね。

 しかし……星川直筆の入部届をを見たときの部長の顔といったら。

 あー、写真にとっておいたら弱みを握ってイーブンになれるのにな~って一瞬思ったけどたぶん俺が知らないところで俺の知らない俺の弱みをたくさん握っているのが部長という人間である。下手の考え休むに似たり。

「というわけで。星川さん、入部おめでとう~。ところでなんだけど~」

「なんですか?」

 部長が携帯の画面を星川に見せながら言う。

「裏アカウントって、あるよね~」

 さすがに画面は俺からよく見えなかったが。

「……」

 星川の顔から血の気が引く音が聞こえるようだった。


 ***


 こうして、星川がめでたく(一部めでたくない事情には目を瞑る)うちの部に入ることになったわけだけれど。

「結局こうやって同じ部に入るということは、ずっと弱みを握られ続けるということですよね……」

 ため息混じりに星川が言う。

「気付いた?」

 部長と一緒の部活にいるということは、そういうことである。

「七ヶ城さんは、どうしてやめないんですか?」

 確かにこの部活にいる理由は俺にはなかった。いままではね。

「グラフィッカーを確保したからね。やっとゲームが作れる」

「私まだ一緒にゲーム作るなんて言ってないですけど」

「でもさ、自分の描いた絵が動いたらって、ちょっと想像してみてよ」

 星川はきょとんと小首をかしげ、それからぼんやりと何か考えるふうに、視線をさまよわせ……ふわふわした口調で言うのだった。

「それは……それはヤバいですね……」

「ヤバいでしょ」

「ヤバみしかないですね……」

 思わずといったふうに頬が緩みきった顔で、にへらと笑う。お茶の間に見せてはいけない様相を呈している。

 星川は俺以上にゲームがないとダメな人間だ。

 閉店した「おもちゃの星川」の奥で埃をかぶっていたドラキャスの箱をじっと見つめていた十年前の星川がいまのドライブキャス子の原型なんだから、もう間違いなくゲー廃ってやつだよ。

 かくいう俺も、あのとき閉店した「おもちゃの星川」の軒先に置かれた古びれたアーケード筐体を前に途方に暮れていたので、人のことは言えない。もう電源が入らなくなったのに、スティックを握り、ボタンに指を置き、もういやというほど繰り返した操作をなぞらずにはいられなかった。あれから十年経ってこんなふうに再会するとは思っていたなかったけれども。

 そこにはべつに甘い感情はない。

 多少はあるのかもしれない。星川はかわいい。でもそれとゲームを作ることはべつだ。俺はゲームを作りたい。あの日遊んだときの感情を取り戻すために、ゲームを作りたい。

 星川だってそうだろう。

 これはだから、ただの共闘なのだ。ノスタルジーのためだけの。

 それ以上でも以下でもない。

「じゃあ」

 星川が言う。

「完成させましょう」

「……そうやね!」

 完成させなければ、いつまで経ってもどこか遠い理想のままなのだ。

 そしておそらくは、完成させたとしても、どこか遠い理想が手の届くところに来ることはないと知っている。

 それでも、作らなければ。完成させなければ。近くにだって来やしないのである。


 こうして、俺たち開発二部は星川を迎え入れ、部員数五人という部としての存続条件を満たし、ようやくゲームを作っていくための体制が整った。

 もちろんこれははじまりにすぎない。ゲームは、作る人間がいるだけでは完成しない。作らなければ、決して。そしてゲームを作る過程には、さまざまな困難が待ち受けている――んだけども、それはまた別の話。


「完成させて、その勢いで次も完成です」

「そうやね!」

「完成だけに、慣性が重要ですからね!」

「……いまなんて?」

「完成だけに、慣性が」

「もういいよ!」


 その前にツッコミ要員を入部させたほうがいいのかもしれない。


 おわり

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放課後のアルカディア 蒼井拓 @aoitaku

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