Web小説が書籍化されても、同じ小説とは限らない

作者 坂東蚕

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★★★ Excellent!!!

ここに書かれていることをうまく取り入れれば、人気が出そうな小説を書けるかも?

紙媒体とネット媒体では、読者の感じ方にどのような影響があるのか――ということを詳しく述べたエッセイになっております。
脳に与える刺激の違い、そこから生まれる感じ方の違い、そうしたところからネット小説とはどのような特性があるのかという部分に迫っていきます。
作者の経験を基に作成された創作エッセイを是非ご覧ください。

★★★ Excellent!!!

カクヨム内でよく聞く

「丁寧に書いた小説はちっとも読まれないのに、適当に書いたエッセイの方が高く評価される」

理由が納得できました。

もしかして、Web小説は、作家が紙に文字で「書く」物語ー小説よりも、ずっとそれ以前の…村の語り部が子どもたちを集めて「語る」物語に近いものなのかもしれません。

長い間、紙の本を売る仕事をしてきた自分ですが、どちらも否定せず、共存できる未来を望みます。

それは、丸くて、四角いものです。
丸も正解。四角も正解。
でも、同じもの。
上から見ると丸。正面から見ると四角。
つまり、円柱形の立体です。



   
  





★★ Very Good!!

 おもしろい分析をされていて、Web小説と書籍の小説では、読み手の読み方が違い、求められている文章も違うことを指摘されています。
 とても刺激的で、わかりやすい作品です。

 以下、私見。

 どっちがいい悪いではなく、読者が違うのですから、そのような違いが出るのはしょうがないことかな、と思います。
 最後には、その統合も可能か、という話まで進みますが、私は統合はしないほうがいいと思います。

 たとえば、映画の原作の小説と、映画からのノベライズでは、作品としてまるで違うだけではなく、読者も違うはずです。
 読者が違うのなら、話法、語り口、描写なども違っていいわけで、あえて統合する必要はないと思うからです。

 三遊亭圓朝の落語を速記して書籍化した『怪談牡丹灯籠』などは、いまでは「読む本」でしかありませんが、微かにでも圓朝の話芸を知る手掛かりにはなっています。とはいえ、おそらく書籍にするときに、かなりの編集をしているはずで、語り口のままではないでしょう。
 もし同じストーリーを小説にするなら、誰かが小説として書き直すしかないと思います。おもしろいかどうかは別です。
 これに似たことは、すでに過去にいっぱいあり、西洋の小説を「翻訳」ではなく「翻案」した作品も多数あります。日本向けに日本の話にしてしまう。黒岩涙香が有名ですね。
 読者が違うので、原文に沿って翻訳しても読めない。楽しめない。だから翻案(二次創作とはまた違うかな)。いまでは、その需要は少ないとは思うものの、場合によっては許されることです。

 大人向けの作品を子ども向けにするのも、よくある話です。表現をかなり変えなければ子どもにはわからないから、そういう手間をかける。

 つまり、最初にWeb小説として書いて、それを書籍化するときには書籍スタイルに書き直す。または、その逆もありかな、と思います。繰り返しますが、お… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

 Web小説が書籍化された際に、それを読んで言葉にならない違和感を感じた読者(自分もその1人ですが)が、何故そういう風になってしまうのか? という事を解説した、非常に勉強になるエッセイです。

 全ての答えは脳の中で、Web小説と書籍化小説を読んでいる箇所が異なっているから。同じ小説なのに、どうして異なってしまうのか、という事を実に明快、かつ丁寧に解説しています。

 とにかく書籍化されたWeb小説を読んで『あれ? 何か変!?』と思って、その事が気になって気になって仕方がない方は、このエッセイを是非とも読んで下さい。その答えが見付かると思います!

 

★★ Very Good!!

 面白い着眼点だと思いました。
 人は常に錯覚と戦わなければなりません。
 錯覚はどうしても起こります。
 それは情報分析能力よりも取り込める情報の量に左右されるのだと思いますが、取り込めた範囲での分析能力も同様に重要です。
 何れにしろ、新しい技術には何が潜んでいるか分りません。


 ただ、一つ気になる点がありますので、そこだけ私なりに感じたことを書かせて頂きます(主に読む人の為にです)。


 何かを分析した結果を読む時、重要なのは前提を知ることです。
 その分析が何を前提にしているかが重要です。
 分析方法そのものの問題を考えるならその限りではありませんが、結果を読むなら前提が重要です。意識すべきところはそれだけではありませんが、とても重要な点です。

 この作品を読み気になった前提は、Web小説を読む人たちとはどういう人達なのかという点です。
 少なくとも日本人はあまり Web を活用していないと一般的に言われております(正しいか否かはご本人でご判断を)。
 ですので、Webで文章を読むときに陥る罠として錯覚が入り込むという話と、Webで読書する人がどのような文章を否定するのか、これは錯覚に完全支配される話でない可能性があります。
 錯覚が影響を与える結果、読者の傾向が変わるのか、そもそも読む層が異なるから傾向が違っているのか。それは変化するかしないか。
 解りやすいのは市場分析を行うときなどで、それは市場の性質を考える必要があります。古い話ですが、店頭販売と通信販売では明らかに購買層が異なります。その形態の大きな違いから売り手のスタイルも変わります。
 購買層の商品の見定め方も、売り手の選ぶ商品の傾向や流通形態もまったく異なる。
 結論を言えば、店頭販売と通信販売を同列に比較することは不可能だという話です。
 ただ、そこを考えるのは、読者の役割であり、作者さま… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

「つ、続きが気になる~!」と毎回の更新を身もだえしながら待っていたweb小説、書籍化したので手に取ったら、そこまでワクワクしなかった――とか。
逆に「盛り上がりに欠けるなぁ… これ、文庫本だったら一気読みできそうなのになぁ…」と感じるweb小説があったりとか。
「このweb小説、描写がくどい、うざい、濃いんだよ~!」と感じたとか。
そんな体験、ありませんか?

その感覚の正体をずばり突き止めたのがこちら。
他にも「web小説は読み手にとっても書き手にとってもアトラクション」「変態になれ」他、参考になるポイントはたくさんあります。
なるほど、と膝を打ち首を縦に振り続けながら読み進めました。

「アクセスはあるのに、星とフォローの数が伸びないんだよね」そんなお悩みをお持ちの方にお勧めします。
私も心理描写が薄めの書き手です。
書き手の悩みに効く有益な考察をありがとう。

★★★ Excellent!!!

書籍化されたしっかりと書き込まれた小説はなぜかWeb上では読む気が起きない。
逆にWeb小説をそのまま書籍では読みたくない。
漠然と感じていたことを人間の脳と絡めて考察していただいています。
Web小説はまだまだ未知数。これからも発展、進化を遂げていくのでしょう。

★★ Very Good!!

『人は見た目が9割』という書籍を思い出します。

先入観というものも手伝って、脳は瞬時にWeb小説と他の小説を識別する、という方が正しい気もしますよ。

判断基準がタイトルからなのか、あらすじからなのか、冒頭一行目からなのかは解かりませんが、Web上にあるからWeb小説というような乱暴な判断はさすがにないと思います。
一瞬の判断は、字面全体を見てか、一文を見てかは解かりませんが、Web小説であるかどうかを判定しているように思います。

脳はパターン化により、Web小説という形式が識別出来るようにはなっていて、Webではそれが読みやすいというようなTPOが出来ているのかも知れません。使い分けている可能性、ですか。

イラストなどでそうするように、総合での「これはWeb小説、これは文学、」程度の切り分けはするでしょう。その上で、Webを見ているという状況情報が加わり、文学は余計に避けられやすくなるという現象が起きているように感じます。

問題は、ではWeb小説は、従来の小説という認識でないなら、どういう用途で利用されているツールであるのか? にあると思います。

その辺りの考察も、今後、期待させて頂きますね。

★★ Very Good!!

自分も読者として、Web小説ではまどろっこしい表現、文体は苦手だったりしますね。

そもそもWebの成り立ちは、半ば検索エンジンの進化にありまして、広漠たる情報源から抽出し選択する仕様になってます。
Web小説の読者も、複数ある小説の中から自分の為の娯楽情報を選択すれば良いわけで、面倒なフォーマットは避けるようになるのは必然かとも。

逆説的には旧来の紙媒体はある種、本を読まなければならないという強迫概念があって、それを逆手に取った複雑な様式になったとも言えますね。

その両者の背馳を作者さんがどのように解法されるのか楽しみです。

★★★ Excellent!!!

脳の機能につながる、創作のお話。

どう書くのが読み手の脳を刺激するか。

そんな高尚なことまで、今まで考えてなかった!

私の創作姿勢にガガーンとぶつかってきた、この情報。
読んでいなければ、独りよがりなままだった。

是非とも皆さまも、お読みください。

そして、ガガーンと衝撃を受けてください。

絶対にためになります!