弾さえあれば銃は無限に撃ち続けられる?

 何らかの方法で弾薬を銃に供給し続ければ、もしかしてずっと撃っていられるのでは?と、思った人向けのお話です。

 残念ながら、銃もそこまで便利ではありません。銃弾が撃ち出されるということは、薬室に装填された弾丸が発射ガスに押し出され銃身を通って銃口から飛び出すということです。すると銃身内部は高圧のガスが通り、弾丸が擦るので摩擦によって少しずつ加熱もしていきます。

 それをずっと続けていると、いずれ銃身は真っ赤になってしまいます。ゲームとかも最近は再現してくれるのもありますし、海外の動画でも実験としてやってくれている方がいますね。この状態になっても使い続けると、銃身が歪んだり、内部にこもった熱によって装填された銃弾が熱され爆発してしまうコックオフと呼ばれる暴発が起きてしまう危険があります。

 さらに酷使すれば、木製の部品に火がついてしまったり、銃身が加熱や摩耗によって破裂してしまう可能性もあるでしょうね。

 では、熱くなったなら冷ませばいいじゃん、と思われる方もいるかもしれません。昔は銃身を冷やすのに水冷式の機構を組み込んだ銃もありましたが、最近はほぼ空冷式です。そんな急速に冷却は出来ませんし、急激に加熱と冷却を繰り返せばそれだけで銃身の寿命を縮める場合もあります。


 とにかく、弾を撃ち続けると銃身が傷んでしまうのです。絶え間なく連続して射撃をするには、銃身を適切なタイミングで交換する必要があるわけですね。その時点で絶え間なくではなくなってはいるんですが、そこはまあ仕方ないとして。

 そのため軽・重機関銃などは銃身交換が戦闘中でも容易に行えるように設計されているものも多いです。

 じゃあ銃身交換さえ行えばいいな、となるかもしれませんが、実はそれもまた違うのです。銃はいくつも組み合わさった部品が可動して弾薬を撃ち出し、その発射の衝撃を受け止めます。なので可動部品は動く度に摩耗し、発射時の衝撃で部品は傷んだり歪んだり、色んな部分が消耗するのです。

 なので、大体この部品はこのくらい撃っても作動するよ、とかこんだけ撃ったら交換した方がいいよ、て感じで目安みたいなのを設定しているメーカーもあるようです。この部品は◯万発まで耐えられます、みたいな。当然、使用状況や使う弾薬などにも左右されるので、あくまで目安ですが。

 こういったこともあるので、弾さえあればいくらでも撃てるなんてことはないどころか、撃った後は整備してるからいつも新品同様で永久に使えるぜ、なんてことすらありえません。ただ耐久性の高いパーツを使い長持ちさせることは可能です。

 さすがに一度の射撃で使う分の弾薬程度で部品が破損することは新品ならそうそうありませんが、銃身だけは注意が必要ですね。

 

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