第14話 兄妹(アエティウスとアエネアス)

 背負う荷物が少なくなったため、昨日よりは順調に旅は進んだ。

 とはいえ、有斗はと言えば、結局グロッキー状態で半分死んではいたのだが・・・

「陛下は出が高貴でいらっしゃるから」とアリスディアは有斗をほめてるんだか、馬鹿にしてるんだかわからないフォローを入れる。

 たぶん、高貴な出だから、肉体労働とかに不向きだって言いたいと思うんだけど、・・・先祖をどこまで遡っても、平民しかいないと思うけどなぁ・・・

 有斗と違って、アリスディアはピンピンしてるのに情けない。


 次の町に入り、昨日と同じようなぼろい旅館に宿を取り、下の酒場で食事をしていると、二人が座った机に見事な白髪の老人が笑い顔を浮かべて近づいてきて、何も言わずに勝手に目の前の席に座った。

「やはり、お越しになられていた。やっと出会えましたな、大慶大慶」

「知り合い?」

 堂々とした態度、なれなれしい口調に、有斗はその老人をアリスディアの教団での知り合いか何かだと勘違いした。

「どなたですか?」

 だがアリスディアは少し警戒の色を浮かべ、老人の正体を看破しようと身構えた。知り合いではないらしい。

 老人は笑みを絶やさずに有斗に近づくと、声のトーンを急に落として耳打ちした。

「このようなひなに陛下が行幸みゆきなさるなど、一生に一度あるかないかの慶事。ぜひともお目通り叶いたいと思い、幾日もお探しておりました」

 正体がばれた。有斗は一瞬にして青ざめ、アリスディアは仰天して飛び上がった。

 老人は二人の急な感情の変化にも動じず、笑ったまま、アリスディアと有斗の手を押さえて騒動にならないようにする。

「このようなところで正体が露呈することは、陛下の本意ではありますまい」

「・・・・・・!」

「安心なされよ。私は敵ではない」

 険しい目を向けるアリスディアに老人は両手を広げて武器を持っていないことをアピールする。

「もし害意を持つのならば、このように老人一人素手で訪れはしまい? そうではあるまいか、女官殿」

 確かに理屈ではそうではあるが、いろいろと解せないことがある。有斗とアリスディアは少し富裕な農民くらいの姿に身をやつしている。ぱっと見では王と後宮の侍女だとは気づくことはできないはずなのである。

「ご老人、なぜ陛下が南部にいる、と?」

 老人は目を閉じると、宿の低い天井に顔を仰いだ。

「星を見たのです」

「星?」

「凶星が黄道に入り、玉座の星が南部を犯すように見えました。それも急に。乱が起き、陛下が南部に下向なさると解釈いたしました。それゆえ山から下りて、数日前から町にて旅人たちを見ていたのです。きっと陛下がこの道を通られるはずだ、と。今日やっと、そのお姿を見つけました」

 老人は軽やかに笑うと、有斗の顔をしげしげと眺めた。

「それにしても陛下の面相は貴い。これほどの顔は見たことがありません。さすがは召喚の儀で降臨なされた天人ですな」

 生まれてこの方、顔を褒められたことは悲しいかな一度としてない有斗は、お世辞にしても酷すぎると嫌な顔をするが、その老人は有斗のその顔を見てもニコニコと笑顔を絶やさなかった。

「褒めすぎです。ご老人の言う通りならば、反乱など起きなかったはずです」

「ことを急ぎすぎましたな、陛下は。人はおおもとは安定を求め、変化を嫌う生き物。急速な変化は人心に不安をもたらします。あまりにも急ぎすぎたため、新法に反感を持つ者だけでなく、中立の立場や無関係なものまでもが、陛下に疑いの目を持ってしまった。悲しいことです」

 正直、そこまで目の前の老人を胡散臭げに見ていた有斗だったが、老人の見識の高さに襟を正さざるをえなかった。

「・・・おっしゃるとおりかもしれない」

「ではそこまでおっしゃるからには、成功する方法をご老人はお知りなのですか?」

おおとりが天高く舞い上がるのには左右の翼を必要とします。なのに今の陛下には両翼がございませぬ。それでは天を掴むことなどできますまい」

「翼?」

 有斗はアニメキャラではない。いたって普通の人間である。翼などあるはずもない。

「陛下は政治についてお詳しいですか? 戦場で一騎当千の強者を切り伏せられますか?」

「・・・いや」

「でしょうとも」

「ご老人、不遜です」

「いやいや、陛下を馬鹿にしたわけではありませぬ。そのような些事さじは臣下にやらせるもの。王たるものもっと大きなものを見据えなくては。ですが代わりに王の手足となって働く者が必要なのです」

「今こそ、わかった」

 有斗はそう言うと机上で軽く頭を下げた。

「御老人。僕にはあなたのような物の道理を知り、僕にでも理解できるように教えてくださる方が必要なのです。僕の手助けをしてください」

 老人は笑いながら顔の前で手を振り、有斗の言葉に婉曲に断りをいれる。

「私はもう年老い、先は長くない。大業をなすことも、もはや望んでおりませんし、富や栄誉を求めてはおりませぬ。人と交わって毀誉きよ褒貶ほうへんを身に浴びることもわずらわしい。隠者として余生を穏やかに暮らすのが、何よりもの望みなのです」

 どうやら有斗がどう頼んでも、老人は有斗に手を貸す気はなさそうだった。

「手助けしていただけないのなら・・・僕には天下を手にすることはできないということですか」

「いつの時代も英傑はいます。しかも、まるで陛下の降臨にあわせたかのように、とりわけ、この当代には英傑が多い。坂東のカトレウス、越のテイレシアやその将軍たちなどは、このアメイジアにおいては、童ですら童謡で歌うくらい知られております。関西にはステロベ、バアルといった知勇兼備の勇者がおり、関東にもエテオクロスやヒュベルという良将がおります。この南部にもマシニッサのような奸雄もいれば、アエティウスやヘシオネという若く、将来有望な諸侯もいます」

「彼らを得れば、僕は乱世を鎮められる、と?」

「片翼を得たことになるでしょうな。彼らはいずれも武に長け、万の兵を率い、民を治める器量を持っておりますが、はかりごと帷幄いばくのなかにめぐらし、千里の外に勝利を決するような器量は持ち合わせておらぬようです」

「片翼・・・もう一方の翼は得られないのか・・・僕では乱世を治められないということか」

 しょげかえる有斗に、老人は今度は先ほどとは打って変わって、励ますかのような言葉をかける。

「陛下、世にその名を知られておらぬ英傑も、アメイジアにはまだまだおりますぞ。

中原に権変の奇あらば、南部には王佐の才あり。共に千載に一人の大器です。もし、その二人のどちらかを得れば、陛下は天下を手中にできるでしょう」

 その老人の言葉に勇気をもらったのは有斗だけではなかった。その言葉にアリスディアも希望に満ちた目を有斗に向けた。

「陛下・・・!」

「それで、その者の名は?」

「ふおっふおっふおっ」

老人は再び否定とも肯定とも取れぬ笑声をあげただけだった。

「陛下直々の御諮問、答えられぬのですか? 無礼です!」

「そうではありませぬ。答えぬのは教えられないからではなく、教える必要がないからです。天命が乱世の終結へと帰結するのなら、私が教えるまでもなく、その者たちは陛下の前におのずと現れることとなるでしょう。陛下の目に今、その者たちが映っておられぬのならば、時が来ておらぬということです。乱世はまだまだ続くということです。この世が乱世なのも、陛下が降臨されたことも、全ては天命。私に言えることはただひとつ。もし陛下が望みをかなえたいとお思いなら、そのものたちが陛下の前に現れた時に、陛下は決してその時を逃さぬことでしょうな」

「御老人、それほどの見識をお持ちなのに・・・召喚の儀で降臨なされた、天与の人たる陛下を手助けせぬのですか? 乱世を終わらせるのに、力を尽くそうとはなさらぬのですか?」

「乱と治とは表裏一体、どちらかを消し去ることはできぬのです。例え乱世を終わらせ治世が訪れたとしても、それは悠久の時の中では仮初かりそめの姿、ほんの瞬きに過ぎません。いずれ必ず再び乱世が来るのです。人為など天意の前には何の力も持たない」

「例え、何もしなくても、いつかは必ず乱世が終わるのだとしても・・・仮に平和をもたらしても、いつかは再び乱世へと戻るのだとしても・・・僕は今、この瞬間にも乱世を終わらせたいんだ。そう強く望んでいる」

 そう、それこそが有斗が蒼い髪の少女が願ったような天与の人になる、たったひとつの方法だと思うからだ。

 老人は有斗の言葉に何度も強く頷いた。

「実に見事なお覚悟・・・御立派です。その通り・・・乱世は短いほうが良いに決まっております。生きるのならば誰しも天下安寧たる治世に生きたいもの。特に民にとっては。この乱世に陛下のような方がご降臨なされたのは、アメイジアの民にとってのなによりもの幸い。このおいぼれは陛下が大業を為しとげることを、南部の片田舎で祈っておりますぞ」

 そういうと老人は深々と一度首を垂れると、机に手をついて立ち上がった。

「では失礼いたしますぞ。来たかいがありました。こんな尊貴な相を生きているうちに見られるとは、長生きはしてみるものですな」

 少しの間、考え込んでいたアリスディアは何かに気付いたのか、後ろを向いて歩み始めた老人に声をかけた。

「もしや、あなたは月鏡先生では?」

「ふおっふおっふおっ」

 老人はふたたび否定とも肯定とも取れぬ笑声をあげただけだった。

「月鏡先生って?」

「当代きっての博学で人相見です。幾度も三公が招聘しょうへいいたしましたが、そのすべてを断り、野に隠棲して多くの弟子を取り、薫陶くんとうしたとか。これから訪れようとするダルタロス公もその教えを受けたほどです」

「いやあ貴なり、貴なり」

 その不思議な老人は来た時と同じように、ひょうひょうとした歩みで、町の人ごみの中に消えていった。


 数日後、城壁で囲まれた大きな都市が目に入ってきた。

 最初におもちゃのようだなとすら思えたその城壁は、近づくにつれ圧迫感を感じるほど高く高くなっていった。二十メートルとかあるんじゃないのか、これ。

 しかし、よく見ると、ところどころ城壁が崩れていた。

 城門には兵士が見張りに立っていたが、有斗等を含めて通行人はなんのチェックもなく入ることが出来た。

 城壁を直さずにいるのに、見張りの兵がのほほんとしていられるということは、それだけ平和ってことなんだろうな。

「けど」

 思ったことを口にした。

「南京南海府っていうわりに大きくないね・・・商店もそんなにないし」

 南部の中心と言う割には都よりかなり小さい。それにどっちかというとモノウのほうが栄えている気がする。

「ええ・・・大海に乗り出し海の向こうと貿易していたころは、ここは空前の繁栄を享受していたのですが・・・」

「今は違う?」

「はい。海の向こうとの交易は細々ながら続けておりますが、この国は今は群雄割拠の時代です。今は海外貿易よりも国内の商取引が主流です。しかもこの街は一度大きな戦で完全に破壊されました。それで国内交通の要衝であったモノウに交易都市としての地位をとられてしまったのです」

 でも、とアリスディアは言葉を紡ぐ。

「それでも、ここはこの国ではいいほうですよ。支配者のダルタロス家は強大で他の諸侯の侵略を寄せ付けません。だからもう十年は戦禍を免れています。それに今の当主は賢君で善政をしいていますし」

 確かに街を歩く人達の顔は、ここへ来てから見慣れた、あの失望で曇る澱んだ顔ではなく、どことなく陽気でにこやかに見えた。

「ここには平和があります」

 ぽつりとアリスディアは言った。


 平和か・・・

 ふと思った。

 もし有斗にダルタロス家が助力してくれると言うのならば、それは朝廷と戦うと言うことだ。この地も戦場になるかもしれない。

 少なくともここの兵士は戦場に行くことになる。何人かは、いや何百何千人は確実に死ぬだろう。

 いわば有斗は平和な南部に戦争を連れて来て、人を戦場という名の死へ追いやる死神ということになる。

 平和に暮らしているという、この土地の人達を兵乱に巻き込む資格が有斗に果たしてあるのだろうか・・・?


 この街の教会に到着すると、完全にへばっている有斗を一室に残し、ちょっと伝手つてを訪ねてきます、とアリスディアはどこかに行ってしまった。

 文字どうりの重荷から、やっと開放された有斗は、壁に全身を委ねて放心していた。

「何も荷物がないって最高だなぁ・・・」

 大きく伸びをして体をほぐすと、有斗の肩まわりの関節が悲鳴をあげた。

 きっと明日は筋肉痛だぞ・・・

 この世界から帰るにしても、王都に行って儀式をしなくちゃいけない。つまりどう考えてもしばらくはこの世界で暮らすことになる。

 筋トレとか、しといたほうがいいのかなぁ・・・と有斗はふと考える。

 せめて逃げるための足腰くらいは鍛えといたほうがよさそうな気がしてきた。

 ・・・

 逃げるときのことばかり考えてるのは、王様としてはダメなんだろうなぁ・・・

 なんとかゲリヲンじゃないけど、逃げちゃだめだ。


 ・・・


 でも、セルノアにしたことを考えると、有斗にはそれを言う資格がない・・・

 有斗は再び思考の迷路に迷い込む。


「よろこんでください!」

 唐突に部屋のドアが開いて、アリスディアが勢いよく入ってきた。

 その時の有斗は完璧に油断していた。疲れが溜まっていたため半分寝てたので、ちょっと驚いてビクッっとしていた。

「・・・あ、ああアリスディアか」

 寝てたのがばれないように、慌てて寝ぼけた目をこする。

「陛下の希望を伝えてもらったところ、すぐにでも会いたいとおっしゃっているそうです!」

「あ・・・そう、それはよかった」

「思ったより反応はよさそうですよ! ひょっとしたらご助力いただけるかも!」

 興奮して話すアリスディアが開けた扉の向こう側に、瞳の色も赤、髪の毛も赤、着てるものも朱という目立つ格好をした少女が立っていた。

 ここまで赤いと何かが三倍の速度で動く可能性すら感じさせる。

 強い意志を表したかのようにきりっと吊り上がった細い眉が印象的な顔立ち。美しい少女である。

 少女は「失礼いたします」と言って、アリスディアについて部屋に入ってきた。

 有斗をちらりと一瞥いちべつする。が、すぐに有斗に興味を無くしたのか、部屋の中をきょろきょろと何かを探すかのように見まわした。

 何者なんだろうかと有斗は興味を覚えて、その少女を観察する。

 その無駄のない動きは、女でありながら、ひきしまった細身の軍人であることを思わせる。

 そういえばダルタロスという人が男であるか女であるか、有斗は聞いていない。

 ひょっとして・・・この人がダルタロスとか言う人なのか・・・?

「もしかして、貴女はダルタロス家の・・・?」

「う・・・? うん。そうだけど?」

 やっぱり。

 この武人らしい身のこなし。そして少女マンガの世界から抜け出したような濡れた長い眉毛。さすが南部きっての名家の当主、絵に描いたような美々しさだった。

 立ち上がって握手しようと、有斗は右手を差し出す。

「これはわざわざ・・・僕が・・・?」

 が・・・?

 視界と思考が右回転でぐるっと一回、二回と回りだす。

 先ほどまで寝ていたうえに、急に立ち上がったものだから、立ち眩みが起きたのだ。

 有斗は後ろにひっくりかえりそうになる。

「・・・え? ・・・・・・わわ!」

「だ、大丈夫ですか!」

 アリスディアが駆け寄るが間に合いそうもない。

 が、その少女は半歩前に出ると、倒れる有斗の腕をとっさに掴み、片手で力強く引き上げた。素晴らしい運動神経と腕力だ。

「大丈夫?」

 有斗に微笑みかけた。天使のようにかわいらしい笑みだった。

「あ・・・ありがと・・・う?」

 引き上げてくれたものの、有斗はまだ平衡感覚を完全に取り戻してはいなかった。

 こんどは前に、自然、その少女に向かって倒れこむ形になった。

 いけない、と体を何かで支えようと、手を前に出す。

 少女の胸に当たった。ぼふっという音とともに左手にその音にふさわしい柔らかな感触が伝わる。

 丸い。そして柔らかい。あと思ったよりも大きい。

「へ?」

 少女はとっさには何が起きたかわからなかったようだ。何度か有斗の顔と自分の胸と有斗の手とを視線が往復した結果、自分の身に何が起きたかを把握したらしい。少女の顔が羞恥でみるみる真っ赤になった。

 次の瞬間、目の前の赤い服の女の、硬く握り締めた左拳が有斗のアゴに『ゴキュル』と嫌な音を立て、めり込んだ。

 軽く記憶がとぶ。

 すばらしいアッパーだった。賞賛の言葉を送りたいほどの。喰らったのが自分でなければ、という話ではあるが。

「キャアアアアアアアアアアア!!!!」

 後方に倒れこもうとする有斗の体を左手で引き戻すと、憤怒の表情が有斗の目の前に現れた。

「なんてことをしてくれるのよ!? 兄様だって触ったことないのに!!!」

 右の肘が顔に飛んで来るや、次の瞬間、左ヒザが有斗の股間に襲い掛かる。

「・・・・・・!!!!!!」

 声が出せない・・・!

 ・・・それだけはやめて・・・婿に・・・お婿さんに行けなくなっちゃうッ・・・!

「ひどい! ほんっと最低!!!!」

 両手で首を完全に絞められ頭上に持ち上げられた。

 なんて馬鹿力だ! 息が一切出来ない!!

「く・・・苦しい・・・」

「やめて、アエネアス!」

 アリスディアがようやく止めに入ってくれた。

「陛下になんてことをするのですか!」

「陛下・・・?」

 アエネアスと呼ばれた、この赤さ満開の女は、アリスディアに怪訝けげんな顔を向ける。

 その間も有斗の首は絞めながら、だ。

 誰か助けて下さいっ・・・もうあの世に逝きそうなんです。

「アリス、ふざけないでっ!!」

 アエネアスは首を絞めたまま、有斗の顔を目の前まで引き寄せ、ジロリと眺めた。

「これが陛下なわけないでしょ!?」

 そして人の一人や二人殺しそうな目で有斗を睨んだ。

「いきなり私の胸を揉んだ、どう見ても従者にしか見えない、この変態が!?」

 いや・・・それは事故。不幸な事故なんです!

「私たちが入ってくるまで、どうみても寝ていたとしか思えない! そんな危機意識の欠片すら持ってない、このマヌケ面が!?」

 ひどい言われようだ。そこまで言わなくてもいいじゃないか。

 まぁ当たってはいるんだが。

 そこはこんな状態ででも寝ていられる肝の据わった英傑、とか好意的に見ることもできるんじゃないかな?


 ・・・・・・無理か。無理ですよね。


「申し訳ありません!!」

 十分後、アリスディアの話を聞き、ようやく有斗が王であることを確認した少女は、土下座して平謝りに謝った。

「お願いです! 御手打ちにするのだけは勘弁してくださいっ! 花も実もある乙女なんです!!」

「それで許されると思っているのですか。王に手をかけたということは打ち首もやむを得ない重罪なのですよ」

「そんな~。アリスと私の仲じゃん。なんとか陛下に取りなしてよ~この若さでまだ死にたくないよ~」

 少女が涙目で拝むのを見たアリスディアは、とりなしの言葉こそ発しなかったものの、代わりに許しを請うように有斗に視線を向けた。

「まぁ、胸を触った僕も悪いし・・・」

「陛下・・・そんなお甘い!」

 語句の内容に反して、アリスディアの口調は嬉しげだった。一応、立場上そう言わなければならないのであろうが、本心はこの少女を許してやってほしいのであろう。

「本当!!」

 少女は顔をパッと輝かせる。

「ありがとうございます! 私はアエネアス・ダルタロスです。兄様の使者として陛下をお迎えに参上いたしました!」

「そっか。じゃあダルタロス公のところに連れて行ってくれれば、さっきのことは無しにしよう」

「ふふふ、陛下ってば話が分かる人ね。私、気に入りました!」

「アエネアス、陛下に向かって、その口の利き方はなんですか」

「まぁ、いいじゃないか。ダルタロス公と会えるのなら安いものだよ」

「ほらほら、こう陛下もおっしゃっておられる! 細かいことでアリスディアは怒らない! じゃあ、さっそく兄様のところに行きましょう!」

「ところで、さっきから兄様兄様って・・・誰のこと?」

 いぶかるる有斗に「ダルタロス家の御当主ですよ」とアリスディアは助け舟を出す。

 なるほど。とすると、この娘は妹ということか。

 本人が来たわけじゃないけど、卑臣ではなく、直々に妹を派遣するくらいだから、望みがないわけじゃなさそうだな、と有斗は思った。


「ええと・・・で、どこへ向かうの?」

 有斗の質問にアエネアスは黙って小高い丘の上にある城を指差した。

「あれ? ひょっとして徒歩?」

 辺りを見回すがなんの乗り物もない。馬も馬車もない。

「そうだよ」

 だけど・・・結構遠いな・・・昼間あの重い荷物を担いできた僕にそれだけの体力がのこっているかどうか疑問だ。

 もっとも、代わりに馬が乗れない醜態をさらさないですむ。それはいいことだ。

 よかったような、よくなかったような。

「あれ? 君も歩いて帰るの?」

 当主の妹と言うからには馬に乗れないことは無いはずなのだが・・・

「陛下が馬に乗れないと聴いたから! 王が徒歩なのに、私が馬上するのは、おかしいでしょ?」

 どうやら有斗は気を遣われたらしい。

 三人で徒歩で丘をゆっくりと登った。

 城に近づくと、アエネアスは裏手のほうを指差した。

「こっち」

「正門はこちらじゃなかったかしら?」

 アリスディアがここからでも見える大きな門を指差した。

「そうだけど・・・城の裏側から入って欲しいって、兄様が」

「陛下に裏門から入れと!?」

「そうだよ」

「ちょっと、アエネアス。それは非礼です、抗議します!」

「でも派手に正門から入られて、あらぬ噂が立てられるのは困るもの。我がダルタロス家が王に肩入れしていると思われちゃう。兄様はあくまで私的に知人アリスディアと会う。アリスディアには偶然、連れがいる。その連れと会話を交わす。それだけよ」

「会ってくれると言う以上、助けていただけるのでは?」

 アエネアスはくるりと振り返ると、真面目な顔に豹変した。

「まだそこまでは踏み込めない。兄様しだいになる」

「・・・そんな!」

「いいじゃないか、アリスディア。会ってくれるだけでも」

「・・でも!」

「今の僕には何にもない。こっちは王だから、そっちは無条件に手伝ってくれと言うのは筋が通らないよ?」

「へえぇ」

 アエネアスはアリスディアに向かって言った有斗のその言葉に感心したらしい。くるりと半回転し、有斗を値踏みするような目で観察した。

「意外と謙虚ですね、陛下は」

 アエネアスは何故か鼻で笑った。

「それに、そのほうがいいと思います。アリスディアはダルタロスが助力しないと決めた時のことを考えたことある? 王として来たなら、それなりの格式で出迎えねばならないじゃない。当然、大事になって周囲に知れ渡る。人の口を塞ぐことはできないもの」

「それに何か問題でもあるのですか?」

 言葉は丁重だったが、アリスディアにしては珍しく顔と声から不快のオーラが出ていた。

「陛下に助力すると決めたときはいいわ。けど助けないと決めたときはどう? 我がダルタロス家は南部屈指の兵を持ってる。でも正面きって王師と戦えるほどではないわ。王が来たのに捕まえもせずに逃がしたとしたら、ダルタロスはどうなるの? 王師がきっと懲罰と称して攻めてくるじゃない? それと戦わなくちゃいけなくなるのよ?」

 確かに有斗を保護したとみなせば、今や反有斗の牙城と化した朝廷は王師を出して攻めてくるだろう。

「ダルタロスだって無駄な争いは避けたい。ということはその場合の解決方法はひとつ」

「ひとつとは?」

 と、訊ねる有斗に、アエネアスは軽い口調でぶっそうなセリフを吐いた。

「首と胴を切断して、陛下の遺骸いがいを王都にお届けすることになります」

「・・・そんな!?」

「そうしないために馬だけでなく馬車をも取りやめて、裏口から地味に入るのよ。むしろ感謝して欲しいくらい。うまく行かなくても死体となって門から出なくて済むのだから」

 アエネアスは、少女に似つかわしくない不敵な笑みを浮かべた。

 普段は可愛い顔をしていても、戦国の世を生きる諸侯の血族の非情さを垣間見せる表情だった。


 有斗たちは応接室らしき広間に通される。

 その部屋に入るまでに、いくつのドアをくぐり、いくつの廊下と部屋を通ったことだろう。

 なんだかこの城、つくりが全てにおいて大きい・・・

 この部屋も天井まで五メートルはある。フロアもふかふかの真っ赤な絨毯が敷き詰められ、端から端まで十メートルはある巨大なテーブルが備えられていた。

 が、それがまったく大きく見えない。

 そのことがこの部屋の大きさを物語ってると言えよう。

 壁際には甲冑や剣がずらりと並べられている。武門の家だとはアリスディアの談。

 馬鹿でかい肖像画もある。横にしたら、たぶん実家の有斗の部屋より大きいだろう。ヒゲ面の厳格そうな武人が鎧兜を着、剣とマントを着用し正面を見ていると言う絵だった。これが当主なのかな、と有斗はしげしげとその絵を観察する。

 まさにこの部屋は、ダルタロスという家が南部屈指の名家であることを示している。こんな大きな絵を描かせることが出来、こんな立派な部屋を飾ることが出来るのだから。

 王宮も立派ではあったが、ここまでではなかった。家具や調度品は有斗の目に触れるところは新品を使っていたけど、本来、有斗が立ち入らないような場所はいたんだ品や壊れた品があった。

 そんな想いで肖像画を見上げていると、奥の扉が開き、アエネアス、メイドが数人、そして背の高い上品な青年が入ってくる。

「お初にお目にかかります、陛下。お会いできて光栄の極み」

 その青年は有斗に向かって優雅に頭を下げた。

「私が現在、ダルタロスの当主を務めておりますアエティウス・ダルタロス・セナでございます」

 アエネアスとはあまり似てないけど、またこれも美男子だなぁ・・・

 金髪と合わさって宝塚にでも出てきそうな顔姿。有斗とは大違いだった。

 こっちの貴族とかって皆、美男美女なのだろうか?

 とりたてて美点など無い自分の姿に有斗はなんか悲しくなってきた。

「僕は夕雅有斗。よろしく」

「ユウガ・・・様と読んでよろしいので?」

「こちらふうに言うならば、名がアリト、姓がユウガということになります。アリト様と呼ばれるのがよろしいかと」

 と、アリスディアが横から訂正を入れる。

「ああ、そうか。サキノーフ様のいた世界では、確かそうでしたね。失礼いたしました」

 でも・・・見るからに若い。二十歳いっているかどうか・・・

「・・・驚いた」

「何にでございますか?」

「南部屈指の家柄で、武人として高名な方だと聞いていたから・・・そこにある肖像画の人のように、もっと年老いた厳しい人物だとばかり。こんなに若いとは思わなかったよ」

「お褒めに与ったと思って、よろしいので?」

 有斗の言葉にその青年はいたずらっぽく爽やかに笑う。

「あ、そうか」

 この世界は元いた世界と似ているようで違う、ということを有斗はすっかり忘れていた。

「といっても、こっちだと年齢と外見は一致しないんだったっけ。実は結構なお年とか・・・」

 その言葉にアエネアスが頬を膨らませた。

「兄様は私と三歳しか違わないよ! 二十二歳なの」

「おいおいアエネアス、陛下になんて態度をとるんだ」

「大丈夫。陛下は御心が広いから、多少のことは許してくださるのよ!」

「これは・・・アエネアスの不調法、代わってお詫びいたします」

「いや、いいよ。僕もその子に失礼なことしちゃったし」

「陛下は何をなさったんです?」

 有斗が答えるより早く、アエネアスが頬を膨らませて問いに答えた。

「・・・胸を触られました」

 有斗は抗議した。それじゃあ有斗が単なる変態としか思われかねない。

「いや、あれはあくまで事故で・・・」

「事故だろうがなんだろうが、私の胸を触ったじゃない!」

「胸を触ったのは否定してないよ。ただわざとじゃ・・・」

「わかっています! それにわざとだったら陛下でも許しません!!」

「アエネアス、そのあたりにいたしなさい。陛下に無礼です」

 どうやらアエネアスというのは当主の妹とあって相当に奔放に育てられたようだ。

 確かに王が有斗でなかったなら、厳格で恐れられているサキノーフ様とやらならば、打ち殺されても文句は言えないところであろう。

「じゃあ責任をとってもらうか?」

「責任?」

「陛下に、お前を嫁に貰ってもらうというのはどうかな?」

「え~!」

 表に明らかに不満の色を現した不遜なアエネアスに、今度は流石のアリスディアも、口先だけでなく、本当に怒りを見せた。

「アエネアス、それは本当に無礼ですよ!!」

 だがその当事者である有斗はというと、目の前で繰り広げられた、ちょっとした喜劇に、噴き出すのをこらえるのがやっとだった。


 そこへメイドがポッドとカップと皿を持ってきて、紅茶を入れて僕らの前に置き、バスケットに入れられたクッキーとケーキの中間みたいな、やけにパサパサした菓子をテーブル中央に置く。

 メイドが退室したのを目で確認すると、アエティウスは表情を変えて、有斗に向き直った。

「さて」

 その顔は乱世を生きる当主に相応しい鋭いもの。さっきまでの柔らかな表情とは大違いだ。きっとこっちが本当の顔なのであろう。

「本題はなんでしょうか? 我がダルタロス家を頼ってこられた用件です」

「アリスディアから聞いてなかったんだ?」

「まぁ、察してはおりますがね」

「というと・・・?」

 彼がどういう立場でこの会見に臨んでいるか分からない以上、そうそうに手の内は見せないほうがいいだろう。

 彼が有斗をどう捉えているか、それによって会話の中身を変えるべきだ。

 有斗はしばし様子を窺うことにした。

「陛下は王都から放逐されました。反乱が起きたのに、王都ではその後の混乱が見られない。もしこれが一部の不届き者の、一時の激情に駆られての行動だったら、普通は地位を巡って争ったり、論功行賞で多少なりとも揉めるはずなのですが・・・。つまり反乱後の体制作りも含めてよほど綿密に計算されたとしか思えない。王の与党は処刑されたか寝返って、もはや王都にはいないと考えるべきです。となると王は今、徒手空拳である」

 喉が渇いたのか、一呼吸置きたかったのか、アエティウスは紅茶を一口飲んだ。

「王が今、欲しいのは味方でしょう」

 有斗は驚いた。有斗の思考を読んだかのような的確な指摘だった。

「だが河北は群雄が割拠して相打つのに忙しい、河東はカヒ家とオーギューガ家が三代前から続く因縁があります。王のことなど気に留める余裕はないでしょう。といっても、関西は王としてのあなたの存在自体を認めないでしょうしね」

 アエティウスの現状認識には一点のブレも無い正しい認識だった。さすがは戦国の世を生き抜く諸侯であるといったところか。

「つまり、王が動かせる兵力があるとしたら、ここ南部だけです。南部をまとめ上げれば、王師に匹敵、いや上回ることも可能です」

 有斗は頷いた。いちいち説明するまでもなく、この男はわかっているのだ。

 有斗が訪ねた目的と、そして現在の状況を十分すぎるくらいに。

 だとしたら、有斗に会うことを決めたのにも理由があるはずだ。有斗を手伝ってくれるにしろ、捕らえて首を刎ねるにしろ、だ。

「王を助けると、王都に睨まれる。つまり今の王を助けるのは火中の栗を拾うようなものです。しかも南部の諸侯は王に馴染みがないうえに、中小の諸侯が多い。誰も先頭切って助けようとする侠気のある者はいないでしょうね。でも誰かが『王を助ける』と言いさえすれば話は別でしょう。中央に対する反感は皆持っていますし、王に勝ち目があると踏めば、諸侯はこぞって勝利の分け前にありつこうと参集してくるでしょう。この策のキモは、最初に手をあげる物好きな諸侯を作れるかどうかです。つまり王が有力な南部の諸侯を口説き落とせるか否かに懸かっています」

「さすがです」

 アリスディアとセルノアが考えてくれた策を完全に見抜いてる。

「そして僕が説得したいと思ってるのはダルタロス家。それも見抜いてるのでしょう」

「ええ」

 有斗は己のの心理を正確に把握しているのがしゃくだったので、こっちもそちらの手の内は織り込み済みかのごとく振舞ってみたが、それすら見通してるようだ。アエティウスは余裕の笑みだった。

「私が叛徒に組してる場合はどうなさるつもりですか? ここで捕らえられる可能性を考えなかったので?」

「どうもしないよ。というか何も出来ない。南部で僕を助けてくれる可能性を持ってる諸侯はと聞いたら、ダルタロスの名前が辛うじてあがった。もしダルタロスが味方をしないと決めたなら、僕はもう打つ手がない。だからダルタロスがどういう立場であろうとも会うしかなかった。その結果捕まるなり、殺されるならそれは僕の運命だと思うしかないんだ」

「結構です。お覚悟の程は理解しました」

 アエティウスはそわそわ右手を握ったり開いたり落ち着きがなかった。

 顔色は一つも変えていないが、内心ではどうするべきか迷ってるのだろう。

 有斗には嬉しいことだ。迷っているということは味方してくれる可能性がゼロではないのだから。

「ひとつ訊ねてもよろしいですか?」

「どうぞ」

「なぜ貴方は王都に戻りたいのですか? 王としての贅沢な暮らしがもう一度したいからですか? それとも反乱を起こした者どもを縛り首にするためですか?」

 有斗はその質問に少しの間、考えると答えた。

「たしかに王の生活は素晴らしかったよ。みな僕を王様としてチヤホヤしてくれる。綺麗な女の人に囲まれて、立派な大臣たちを命令で思うがままあやつる。悪くなかった。それに反乱を起こした連中に腹が立たないかと言われたら、そりゃ立つに決まっていると答えるしかない」

 綺麗な女の人、と言った時にふいにセルノアのことが浮かんだ。そうだ・・・彼女の為にも僕は王として王都に戻らなくては、と有斗はもう一度決意する。

「それに僕を逃がすために犠牲を払った者たちもいる。その人たちに報いてやりたい。その為にも王として王都に戻らないといけないとも思うんだ」

 でも、それは一面。有斗が王に戻りたいと思ったきっかけではあっても、決意させた重要なファクターではない。

「でも違う・・・かな」

 有斗はセルノアと旅したときに見た難民の目を思い出していた。あの人たちの希望をなくし、暗くよどんだ瞳を。

「僕はここに逃げて来るまでいろんな人を見たよ。その多くは絶望の中にいる人たちだった。この戦乱の世界を何とかして欲しい、だが誰も何ともしない、そして自分にも何ともすることができない、そういった表情をしていた。それで僕はやっと気付いたんだ。何故、僕がこの世界に呼ばれたとき、皆が僕を眩しげに見上げていたのか、そして僕が政をして宮廷を混乱させた時、暗く沈んだ顔になったのかを、ね。」

 そしてもう一度セルノアの目を思い出していた。『サキノーフ様と同じ召喚の儀で呼び出された伝説の王』を見る、あの憧憬と尊敬と希望の混ざったあのキラキラした瞳を。

「僕はもう一度、王になりたいんだと思う。一度は失敗したけれど、王になってこの戦乱で明け暮れるこの世界を平和にしたい。皆に希望を与えてあげたい・・・僕に出来るかわからないけれど」

 それは有斗の偽らざる答。


 だが僕はうまく言えただろうか・・・?

 目の前のこの青年の心を少しでも動かすことができただろうか・・・?


 アエティウスはしばらく固まっていた。

「陛下」

 ようやく声を出したとき、アエティウスは小さくククク、と笑い出した。

 アエネアスは驚いた目でアエティウスを見つめる。

「あなたはとんでもない夢想家だ。そうでなければ稀代の詐欺師だ」

「ダルタロス卿、それは無礼です。理想が高いのですよ、陛下は」

 アリスディアが小さく抗議の声をあげる。

「これは失礼」

 だがアエティウスはまだ笑い止まらなかった。

「いいでしょう、あなたが夢想家であれ、詐欺師であれ、理想家であれ、私を満足させるに十分すぎるほどの返答はいただきました」

 ようやく笑うことを止めたアエティウスは急に真面目な表情を作る。

「面白い。実に面白い。・・・しかし、そんな答えが返ってくるとは思わなかったな」

 馬鹿にしているのかとも思ったが、よくよく観察すると、アエティウスの表情は何故だか少し嬉しそうだった。

「陛下が夢想家か、詐欺師か、理想家か・・・それをじっくり傍で見させていただきましょう」

「では・・・!?」

「よろしいでしょう。我がダルタロス家は王に組することにいたします」

 アエティウスが差し出した右手を有斗はしっかりと握り返す。

 そしてアエティウスは腰に差していた剣を鞘ごと両手で持ち、跪いて高々と有斗に捧げた。臣従の誓いだ。

 それを有斗はおごそかに受け取る。


 ようやく、だ。ようやくここから僕が本当の王になる道が始まったのだと有斗は強く感じた。




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