或るクズ男の一生(源氏物語【末摘花】)

卯月とも

本編の前に

末摘花

 噂とは不思議なものです。最初とは必ず異なるものがついて、尾ひれがついて、大きくなっていきます。


 今回は、そんな噂を利用して源氏の女になった末摘花すえつむはなについてのお話しです。

 末摘花に両親はいません。老婆が一人いるだけです。家はとても古いお屋敷でした。

 彼女は面長で、長く赤い鼻を持ち、髪もパサついていました。さらに声も低く、今風に言うとブサイクでした。

 そんな彼女のことを哀れと思った老婆が、『芸事に長けた、素敵な女性がいる』という噂を流したのです。それを聞いた源氏は、早速その女性のことを調べ始めます。しかしなかなか正体が掴めず、最終的に自分でその女性(末摘花)の元に出向くのでした。

 当時は夜這いが普通です。昼に女性の所に行くことはありません。貴族の恋愛は、夜と決まっていました。そのため源氏は、初め末摘花の容姿が分からなかったのです。抱いてみて初めて、その体の貧弱さや容姿の醜さに気付きます。さらに彼女の手は、緊張していたのか手汗でベトベト。それでも源氏は優しいので、彼女と最後までヤることやって、後朝きぬぎぬの文(朝、帰ったあとに送る手紙。短歌を書いて、愛を確かめあっていました)まで送ってあげるのです。



 今でもありそうなお話しですね。

ではでは、卯月風の現代版源氏物語 末摘花をお楽しみください。

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