初めてのチェーンスパイク 雪山初体験

今しばらく、雪山シーズンの北アルプスの景色とはお別れ。関東の雪山にチャレンジしてみる。少しばかりの夏山は経験してきたので、初心コースの雪山を探す。

2015年2月。埼玉県にある標高960メートルの丸山へ、大野峠からスタート。1月にK子とチェーンスパイクを購入したのだが、早くチェーンスパイクを使ってみたかった。3月K子と雪山に行く計画があったが、またまた待ちきれず1人で、初めての雪山へ。

「先にチェーンスパイク試して来るね」と、K子には前もっていっておいた。

またまた緊張する。低山とはいえ、どの位の積雪量なのか、山好きのサイトで確認してはいたが、日々状況は変わるので不安だった。ストックと、チェーンスパイクで果たして行けるのか。初めてだと、何もかも想像つかない。

登山開始、まず初めの出だしは雪はなかった。段々と周りは雪景色となってきたが、山道にはまだ雪はない。ちょっとした短い距離、川の上を丸太で横断する。すると山道が凍っていた。とても登山靴では滑って危ない判断。ここで初めてのチェーンスパイク

を靴に装着。恐る恐る凍った道を歩いてみる。

「ザクッ、ザクッ」スパイクが凍った道に食い込み、歩き易さ抜群だった。

「楽しい。この突き刺さっている感触がたまらない。これなら安心」

1人で、初チェーンスパイクに、食い込む音の心地良さに感動していた。

だが、低山ならではなのだろう。雪がなくなったり、出てきたりするので、チェーンスパイクを外したり、装着したりを途中繰り返す事になり、この作業で足が攣った。結構外す時に、余り足場が良くなかったりすると、無理な体勢から外すので、足が攣ってしまう。

丸山山頂付近はに近づくと、たっぷりの雪で楽しく雪道歩きが出来た。一面の雪景色の中、チェーンスパイクが雪を踏みしめる音がたまらなく心地良く、ストックを突き刺し、

「雪山登ってます」

と、いう実感込み上げる。

山頂に着いた。私は、雪道を歩きたくて、初心者でも大丈夫なこの丸山を選んだ。ただそれだけの理由だった。

展望台があったので上がってみる。予想もしていない光景。

360度の大パノラマだった。

「何これ、この景色は。こんなに展望が良いの。初雪山で、低山なのにこの大パノラマの素晴らしい景色。最高!」

眼前にど迫力の「武甲山」が見えた。採掘で削り取られ山肌が剥き出しになっているが、返ってそれがデンとずっしりとした勇ましい山に見えた。

遠くには日光連山、八ヶ岳、浅間山…もう雪化粧の山並みはとても美しく綺麗で、願望最高。

まさかこんなに展望が良いとは全く知らなかったので、思いがけないご褒美を頂き、最高の気分だった。

「何て素晴らしい山なんだ。この山選んで良かった」

まさかの展望の良さに、かなり休憩してしまった。ぐるっと周り景色を見渡す。

「飽きないな」何周したんだ私は。

「いい加減下山しないと」

そう自分に言い聞かせ、下山する。行きは大野峠からはいり、反時計周りに一周して埼玉の「芦ヶ久保駅」に戻ってきた。駅に行く前に「道の駅」があったので、そこで遅めのランチとコーヒーを飲みながら、今自分が体感した足の感触、雪景色、山並みを思い出し、とても充実した1日過ごせた事に感謝する。

初めはとても不安であったが、初雪山1人チャレンジは、安心へと変わった。

会社に行き、昼休みK子に、丸山でのチェーンスパイクの感触と、雪道、大パノラマの話をした。

もう、K子は私の話しと、私が山好きな方が集まるサイトに山行記録をアップしたのでそれを見せたら、我慢できなくなったようだ。

「凄い、雪景色。綺麗だね。チェーンスパイクそんなに感触良かったの。私も早く試してみたい」

「そうだよ。ぐずぐずしていると雪なっくなっちゃうよ」

私も、もう次の雪山探しに入っていた。








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