第128話 最寄駅に近づいてみた
友人達とは何度も近づいている最寄駅は、1人ではほぼ近寄らない。
なので電車に乗る必要がある場合は1つ離れた駅を使っている。
最寄駅は、まだ「怖いような気がする」のだ。
今日、1人でカラオケに行ってきた。
場所は、最寄駅のすぐ近く。
最初、線路沿いも歩こうとして欲張った結果、失敗。
薬を飲んでいても線路沿いはとても恐ろしく、足がすくんで動けなくなり、それでも何とか這う這うの体で逃げ出して、一旦帰宅してしまった。
落ち着いてから、出直した。
「怖い」よりも「歌いたい」の方が勝ったからだ。
線路沿いはリベンジする気にもならず、遠回りして。
遠回りの道は、いつも友人たちと通っている道だったのもあり、1人で歩いていると改めてわざわざ認識しなければ、それほど怖くはなかった。
と言うか、途中で1人なのだと思ったら、途端に怖くなったので、考えないようにしたのだ。
果たして、カラオケ屋に着いた。
着いて、暫くは動けないかもなと道中は思っていたのだが、受付を済ませ部屋に入ったら普通に4時間歌えた。
素直に楽しい時間を過ごすことが出来た。
帰路は往路と同じ道のりを使った。
線路沿いのリベンジは、考えもしなかったことに、帰宅してから気付いた。
一旦帰宅してから、ショッピングモールに買い物に出かけた。
近道をしようとすると、そこも別の道ではあるが線路沿いを通ることになる。
少し悩んだが、買い物は別の道だから、と、線路沿いの近道を選んだ。
線路を視界に入れないようにして、と言うか、前をまっすぐ向くのもちょっと怖い気がしたので、無理はせず、うつむき加減で歩いた。
歩いて、買い物にも行けた。
帰路も同じく、線路沿いを歩いた。
荷物が多く重かったので、近道をしたかったのだ。
往路より必要に迫られていたからか、帰路の線路沿いは少しだけ前も向けた。
電車が視界に入った時は、顔をそむけてしまったが。
久しぶりの最寄駅は、視界に入れていない。
今はまだ、「近くまで行けた」それで十分だと思っている。
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