第69話 雑音は落ち着かない

今日も散歩をしてきた。

ついでに、喫茶店に入り、お茶をしてきた。


喫茶店は某チェーン店で、ショッピングモールの中にあるのだが、昼間から混んでいた。

ウォークマンで外界の音をシャットアウトしていても、なんだか居心地が悪い。

いつもならゆっくりするのだが、今日は早々に退店してしまった。


人混みではあるが、喫茶店では怖くはなかった。

ただ、本当に居心地が悪かっただけだ。


でも、ショッピングモールを後にして家に帰る途中、学校帰りの小学生の塊と出会い、それはとても怖かった。


人数的には喫茶店の客の方が多かった。

それでも怖くなかったのは、慣れている場所だったことと、人の動きに目を向けなければ、ただの雑音になるからなのかな、と思った。

小学生の塊も、見知った慣れている道ではあるものの、歩いている関係上、どうしても前を見ざるを得ず、ちょこまかと動き回る団体が目に入ってしまう。


電車にもっと慣れることが出来れば、電車内の人混みも、いつか雑音に変わるのだろうか。

・・・その前に人混みそのものを克服しているかも知れないが。


今、どちらがより怖いのかと聞かれると、優劣がつけられず、悩んでしまう。

上に、どちらも怖いものだから、考えているうちにどんどん怖くなってしまう。

だから、途中で考えるのをやめる。

なので、結局どちらがより怖いのか、自分でも判らないでいるのだ。


ただ、今日1つ気が付いたのは、散歩ができる程度には調子が良くて、それを雑音だと認識できれば、人の話し声等々などは、「居心地が悪い」程度で済む、と言うことだ。

これに、小さな子供の鳴き声などが加わってくると、また話は別になってしまうが。


帰ってきてから、電車の音を雑音だと認識できるかどうか試すために、ウォークマンを外してみた。

電車の音は「怖かった」

どうやら、まだ雑音にはならないらしい。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る