第55話 怖い人混みと怖くない人混み
53話、54話に続く話になる。
人混みには怖い人混みと怖くない人混みがあると書いた。
これは本当で、ライブ会場・ライブ映像に限定されるのだが、これは通勤電車の満員状態並みに、もしくはそれ以上に会場いっぱいに人が詰め込まれていても怖くない。
参戦しなかったライブ映像に至っては、その場に居たかった!とすら思う。
だが、街の人混みは怖い。
写真の人混みも怖い。
改札ですれ違う人の波ですら怖い。
人混みが怖くなってから、有名テーマパーク等には行かなくなったので、その人混みが怖いかどうかは判らない。
実験するにはテーマパークの値上がり具合がアレなので、躊躇っているのだが。
ライブ会場・映像の人混みが怖くないと思うのは、何となくわかる。
仲間だと思えるからだ。
メロイックサイン(と言うものがある。基本的には人差し指と小指を伸ばし、他の指を折る形になる。あとはバンド次第で多少変わる)で繋がれる、仲間だから。
実際、メタラーはそもそもニッチだからか、妙な連帯感が生まれやすいような気がする。
話はずれるが、病んでから暫くしたころ、近所のショッピングモールで、BABYMETALとマキシマムザホルモンのTシャツを着ているカップルに出会ったことがある。
思わずTシャツに反応してしまった俺が、「ほぅ」と声を上げてしまったのが相手に聞こえてしまい、怪訝な顔をされたので、それぞれにおずおずとキツネサインとメタルポーズを送ったら、2人とも満面の笑みで返してくれた。
嬉しかったし、ほっこりした。
ショッピングモールですれ違うだけでそれなので、会場の一体感は半端ない。
それが心地よいし、楽しいのだ。
友人の中にはメタル仲間たちも居て、基本的にカラオケとライブ会場&その後の食事程度でしか会わないのだが、カラオケのオフ会で50人が1部屋に集まって、初対面の人もたくさんいる中でも、怖いとは思わない。
だが、例えば大きなエレベーターに、ぎゅうぎゅうに人が詰まっていたら、それはもう、怖くて怖くて仕方ない。
間違いなくどんなに大きくても50人は乗れないだろう。
それでも、だ。
そして残念ながら、その怖い人混みを構成する人たちを、「仲間だ」と自分をだますことは出来ない。
試みたことは何度もあるが、どうしても、だまし切れないのだ。
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