初老の目から見える風景Ⅰ

作者 篩 獅師

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★★★ Excellent!!!

この作品の作者さまはとても良識的な方だと思います。
この作品からは変に奇を衒ったり、媚びたりすることのない清廉さや芯が感じられ、同時に作者さまの男性らしい細やかさが、その文体から感じられます。
それは、掃除の行き届いたお寺のような佇まいに似ているのかもしれません。


作者さまはこの作品の中で、様々な価値観について語られています。
もちろん共感できる部分、自分とは考え方が異なるな、と感じる部分はあります。
私見では、その無為自然的な発想から、老荘の思想に近い部分を感じるところがありました。


現代はSNSなどの普及により、価値観の衝突を目にする毎日ですが、作者さまの文面からは、そういった争いの種になるような印象はありません。
時に共感したり、時に自分との相違を確認したりしながら、書き手と読み手が実際にそんな会話を楽しんでいるように錯覚させてくれる――そんな文章だと思います。


それは、作者さまご自身が与えられた時代や文化を愛し、そこで培われた思い出を大切にされており、同時に異なる世代の方のことも大事に思われているからなのかもしれません。

★★★ Excellent!!!

四十歳。それは医療保険に介護保険金が加算されるようになる「高齢」への入り口。
ということで、こちらのエッセイはその四十歳を半ばまで過ぎたという作者さんが心情を綴られたお話です。

人間、齢を重ねることでさまざまな「あるある」が発生するものなのですが、作者さんはそれに対するご自身の意見を、その年齢と現在置かれた状況とを併せて語っておられます。
これが等身大のご自身からの発言でありながら少しだけ強い気持ちを込めた願いも見えてきたりして、本当に趣深いんですよね。
同年代の方からすればまさに「ちょっと身につまされるあるある」で、下の世代の方なら「そんなこともあるのか」、上の世代の方であれば「そんなことも思ったものだ」になるのではないでしょうか。

誰の身にもいずれ当てはまり、いつか当てはまらなくなる不惑という時間。不思議なくらい感慨を呼び起こされる作品です。

(必読!カクヨムで見つけたおすすめ5作品/文=髙橋 剛)

★★★ Excellent!!!

きっと作者さんは、私と数年しか違わないかなぁという印象をもちました。
作者さんがあげられた昔のもの、すべて懐かしいです。

私も中学生でロードス島戦記にはまり、高校大学とTRPGをやりました。もちろん、最初にやったのはソードワールド。
リプレイ集もわくわくしながら読んでいました。
あげられた雑誌もすべて懐かしい。

40代になっても筋力はつけられる。
この言葉を心に刻んで、私もさぼらずジムに行こうとおもいます!

Good!

「気持ちは若いつもりが、若い人から見たら老成している部分もあるし、感性がずれている部分もあるし、若い人が気が付かない自分の置かれている『社会的立場』の重要性に痛感したり」という(揺れる?達観している?)オジサマ心を淡々とした筆致で書き出しています。
なんか読み耽ってしまいました。

★★★ Excellent!!!

「十歳くらい年上の友人を作りなさい。きっと人生の先輩となってくれるから」
何かの本でそんなことが書かれていた。

年長者の長々とした話が辛いこともある。それはきっと多くの人が「かっこいいところ」の話しかしないからだ。
過去の武勇伝ほど興を削ぐものは無い。

だけど、この作者はまったく飾らずにありのままの姿を見せてくれている。そこには生活臭すら感じられる。
仕事のこと、趣味のこと、親のこと。
誰もが近い将来通る道を、余計なフィルターを通さずに語りかけてくれる。これが「人生の先輩」でなくて何なのか。

たまには先輩の語りに耳を傾けてみてもいいんじゃないだろうか。


※カクヨムユーザーは10代〜30代が多いのではないかと勝手に想像して書きました。違ったらゴメンナサイ。

★★★ Excellent!!!

40代の作者が綴る、静かで、確かな重みがあるエッセイ。
今まで生きてきた人生の中でのちょっとしたアドバイスや考えが丁寧に書かれています。
かといって説教臭いわけではなく、淡々と語る文体が思考する余裕を与えてくれます。


”健康が何より大事”
”自分が本気で打ち込めることを決して手放してはいけない”

この言葉の重要さを改めて感じることができ、それだけでも10年分の価値があったと私は思いました。

有難うございます。