SandBox
??_外側_01
※「外側という名前のお話は飛ばした方が良い。少し間をあけてすぐには見えないようにしておくから」
『ある見方として純粋な物語にしたいなら、“外側”のタイトルを持った箇所は飛ばした方が良い』
「と伝えるらしいけれどこれで伝わるかしら。流石に私も導線までは加工も制御もできないはずよ」
「いらっしゃい。聞きたいことがあればどうぞ」
「あのおじいさんは最後にどんな映画を観ていたの?」
「それは答えちゃいけないと思うから答えないわ。数値がいくつを示していても、それを超えて守られるものがあるのよ」
「じゃああの2人の監視員についても聞かないでおくね」
「ご推察どうもありがとう」
「……今回のあなたはちょっと人間的なのねナミコさん」
「ニックネームまで。そういう制限なのかもしれないわね。与えられたのだから制限はおかしいかしら。まさか通りすがりのあなたにもう一度会うとは思っていなかったし。基本的な役割は変わらないはずよ」
唯一の地に着いた文は彼女が見せた非常に魅力的な微かな笑顔の安心感を上手く描写できなかった。数値がヒト基準ではないから、なのかもしれない。
「この時代にはルールというか、基本的な考え方は無かったの?」
「あの2人が揺れていたように、脆いものではあるけれど存在はしたみたいよ。あなたの言う生と死に関する、ね」
「それなら可能性が見えるかもしれないね。よし……じゃあ行ってくる」
「どうしたの?」
「もしかして見ていてくれたり……」
「少しの間ね。あとは一人でやった方があなたらしいんじゃない?」
「……そうだね、ありがとう」
「もう一度同じ質問よ」
「最初のあれ、毎回なのかな?」
「そのつもりよ」
「大変だねえ……」
「少しの間でもフラットでなくなったからには割と楽しんでいたりして」
意外な回答を聞いたので特権で地に着いた文が再度許されたが、やはりその微かな笑顔の魅力についてはそれがあったことと、見ていたもう一人も思わず微笑んだことしか伝えられなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます