第12話 残り7人

 パンッ。パンッ。パパンッ。

 銃声が鳴り響く。昨日より数が多い。俺は、こころに電話をかける。


「こころ! まなみは、どうなった?」


『メールが届いてすぐに撃たれて……。運ばれて行った……』


 走っていた俺は、立ち止まった。


「そうか……。くそぉおーー!!」


 …………。

 北地区にある桃の家でこころと桃と合流した。

 俺は、西地区の例の民家で見つけた雅人と翔子のことを話し、こころたちから学校周辺の状況を聞いた。

 体育館を防衛しているのは、3人くらいでそのうちの1人が誠だったらしい。誠の協力があれば余裕で作戦が成功するはずだ。


「7人か……。いや、雅人と翔子は協力してくれないから5人か」


 里菜には、桃の家に向かう途中、電話で作戦を伝えておいた。生き残っている中澤理久なかざわりくと一緒にきてくれることになった。


「頑張ろう、はやと、桃っち」


 こころと桃が晩飯を作ってテーブルに運んできた。


「うちも頑張る」


「絶対助けよう。いただきます」


「いただきまーす」


「美味い!」


「あたりまえじゃん。誰が作ったと思ってるの?」


 こころも桃も料理が上手だな。選別ゲームをしていないときに味わって食べたかったな。

 ブーブーブー、ブーブーブー。

 誠からだ。


「ちょっとごめん」


 箸を止め、スマホを持つ。


『はやと君。俊介君たちを助けにくるなら明日がいいと思うよ』


「そのつもりだけど。なんでだ?」


『良かった! 明日僕、防衛組に入ってるから上手く惹きつけておくからその間に助けてあげて』


「お、おう。ありがとう」


『それじゃあ、またね』



「誠からだった」


「まこっちゃんから?」


「明日、誠が体育館の防衛なんだって。みんなを惹きつけておくからその間に助けてあげてだと」


「さすがまこっちゃんだね」


 親友のためとはいえここまでしてくれるなんて、誠は優しすぎる。絶対自分が損をするタイプだ。

 泥棒チーム残り7人で2日目のどろけいは終わった。

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