唐太宗時代の敦煌を舞台としたボーイミーツガールです。敦煌といえば、唐と西域の文化が出会う街。恋愛もののお約束を手堅くまとめた安定したストーリーの中で、敦煌の情景が、まるで砂漠をわたる乾いた風が吹き付けてくるように鮮やかに描かれているのが本作品のみどころです。そんな敦煌の魅力に引き込まれて、多彩なキャラクターたちと一緒に城市を駆け回っているかのような心境で最後まで一気に読んでしまいました。参考文献を知りたいです。
若者が大人への第一歩を踏み出すのは、何が契機になるかわからない。彼女の場合はまず出会いだった。二人の少年との出会い。次に事件。不気味な怪異の正体と、これを暴く大冒険。そして別れ。ただひと夏の交流でも一生の朋友、別離の辛さは身に沁みる。彼女の身に何が起こったか? 事の顛末は?それを知るには、あなたも紅砂の城市へ行くしかない。紅色の毛氈の上で裙子を翻す踊り子に、いますぐ会いに行くしかない。