第81話 カレビ学園生徒会

海が、カレビ学園に入学してからというもの、カレビ学園には、残念な噂が飛び交っていた。なんでも、Gクラスを統一したキチ〇イが好き放題学園を闊歩しているだとか...なんとか...。

楓たちは、その噂を聞いてすぐに察したが、「まぁいいか...」の一言で終わらせたのであった。





カレビ学園Gクラス教室...


そこでは一人の生徒が他生徒に幅を利かせていた。


「おい!!そこのお前!!サンドウイッチ買って来いよ!!」

「はい!!今すぐ!!」


その生徒の言動を黙って見守る教師。教師すら、その人物には逆らえないのだ。


「全員聞け!!僕の言いたいことはただ一つ!!」


その人物が、大きな声で宣言する。


「この僕が正義で、ほかは悪!!僕についてこいや!!」


うぇ~いという世紀末の叫び声が、教室に木霊すのだった...。


そう、このキチ〇イ発言の主こそが、人類最強の男、鈴木海なのである...。





カレビ学園生徒会室。長机が二枚互いに向かい合う様にして並べてありその隣に六つの椅子が備え付けられている至って簡素なカレビ学園生徒会室。

そんな生徒会室の六つの椅子に腰かける人物たち。彼ら彼女らこそが、カレビ学園生徒会役員たちなのだ。


窓際一番奥の席に座る黒髪ツインテールの少女。そのキリリとした少女は、何処か重苦しい表情で、口を開く。


「みんな知っての通り、あのごみのはきだめGクラスにキチ〇イが入学してきた」


黒髪ツインテールの少女が言うと他5人の役員たちがうなづく。


「今日は、このキチ〇イをどうやったら学園から追い出せるか、について議論しようと思っている」

「「「「「異議なし」」」」」


他5名は、黒髪ツインテールの少女の意見にうなづく。


「では、ラビット君から意見を言ってもらおう」

「はい」


ラビットと言われた、黒髪ツインテール少女の隣に座っていた白髪のどこか可愛らしい少年が返事をして立ち上がる。


「武力での排除が一番早いかと」


可愛らしい顔立ちとは、裏腹に物騒なことを言い出すラビット。しかし、役員たちはどうやら納得したらしく、うなづいている。


「そうか、皆一致のようだな、では具体的な案をリンに言ってもらおう」

「はい」


リンと呼ばれた黒髪ロングの可愛らしい少女は、椅子から立ち上がる。それと同時にラビットは着席。リンは、平然とした表情で口を開く。


「今議題に上がっている鈴木海。通称キチ海について私なりに調べたところ。どうやら奴は人類最強とまで言われるほどの戦闘力を持っているそうです」

「ほう、そうなのか?では、どのようにして武力行使する?」


黒髪ツインテールの少女に質問されたリンという少女は嬉しそうに頬を緩ませる。


「はい。真正面での戦闘では、排除することは難しいと考えられるます。そのため、秘密裏の暗殺が得策かと...」

「そうだな...他に意見はあるか?」


黒髪ツインテールの少女が言うと、正面座っていたムキムキのスキンヘッドの黒人が、元気よく手を上げる。


「ワタシニマカセテクダサイ」

「ボブ、普通に話せ」

「あっ、はい」


ボブと言われた、その男は黒髪ツインテールの少女のにらみシュンとなりながら、普通に話すことにした。


「私の弓術で奴をしとめて見せましょう」

「そうか、具体的な案はあるか?」

「奴が飯を食べているときがいいでしょう、どんな獣でも飯を食べているときは、それに集中するもの...」


ボブがニッタと笑い真っ白な歯を見せる。無駄に白い歯に嫌悪感を覚える黒髪ツインテールの少女。


「そうか...ではボブの作戦をサポートするのにヨシとアクが」

「「御意に」」


ボブの右隣に座る黒髪の同じ顔の少年2たりは、無表情のままうなづく。2たりの容姿に特徴はなく、特に変わった印象はない。


「では、作戦開始は明日の昼食時だ、皆、心してかかれ!!」


そう黒髪ツインテール少女が言うとそれぞれが解散していった。





生徒会が会議が行われた次の日の朝。カレビ学園の廊下には、重低音が響き渡る。


「どけどけ!!邪魔だ邪魔だ!!」


黒と銀のレーサーバイクにまたがり、学園の廊下を滑走する海。どうやら海は、バイクを作り出してしまったようだ。豚に真珠とはまさにこのことである。


海は、自由気ままにバイクを乗り回す。


「いやほおおおおおおおお!!」

「さすが、海の兄貴!!人にできないことを平然とやってのける!!そこにしびれるおあこがれうぎゃああああ!!」


世紀末の一人が海のバイクに引かれて吹き飛ぶ。


「たーのしいー」


海は、満足気な表情でバイクを降りる。

そこに、生徒会役員たちが現れた。


「そこの、あなた。なにをしているのかしら?廊下を走らないというごくありふれたルールも守れないほど、お猿さんなの?」


黒髪ツインテールの少女が海に言う。


「僕の名前は鈴木海。転校してきたばかりで右も左も分からず、バイクで廊下を滑走してしまいました。どうか僕にこの学園の案内をお願いします」


海は、先ほどの様子とは打って変わって丁寧に頭を下げる。黒髪ツインテールの少女は、なんだこいつ。と思いながら要件を言うことにする。


「何処までもふざけたお猿さんね。私たちは、カレビ学園生徒会。貴方のような人は、この学園に入らないわ。さっさと出て行ってくれるかしら?」

「もちろん!!喜んで!!と言いたいところなんだけど。僕は、この学園に王からの命令で強制送還されているので、退学することは出来ないんだ。ごめんね。」


少し可愛らしく謝る海。黒髪ツインテールの睨みがより強くなる。


「ボブ作戦はもういいわ。この男をここで始末しなさい」

「ワカリマシタ」

「普通に話しなさい!!」

「あっ、はい」


ボブは、普通に話すと海に向き直る。海は、ボブ容姿を見てかりんとうを思い出す。海は、かりんとうを食べたくなったので今度シャルロッタに作ってもらうことにした。


「貴様の相手は私だ。力づくで始末してこの学園から出て行ってもらう」


かりんとう。ではなくボブが両手を打ち付けながら、鼻息荒く海に宣言する。


「そうか、ではかかってこい。相手になってやろう」


海が棒立ちのままそう言うと、ボブが駆けだした。ボブの速さは、一般時より少し早いと言った様子で海に向かっていく。海は、ボブが向かってくる間に、暇すぎて世界一周していたが、当然ボブはそれに気づかず。拳を振り下ろす。


「うわあ~やられた~」


海は、ボブの攻撃を顔にくらい。棒立ちのまま、棒のように倒れる。


「ふん!!雑魚ではないか?これで人類最強?笑わせる…ぎゃああああああ!!」

「ど、どうしたの?ボブ?」


黒髪ツインテール少女が心配そうに言う。ボブを見て見ると、海を殴った方の腕が曲がってはいけない方向に曲がっていたのだ。


「やられた~」


海が、ふざけながらまだ廊下にコロコロしていると、ボブたちは血相を欠いて逃げていったのだった。




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