第74話 お家に帰宅
海は、ヴァンパイアの一件が片付いた後、カレビ帝国の屋敷に戻っていた。
「ただいま~」
海がのんきな調子で屋敷の扉を開けると...
「おかえり・・・何処に行ってたの?」
板前包丁を持ったシャルロッタが立っていた。海はこの状況何となく予想をしていたので、あらかじめ言い訳を考えていた。
「メンラー食いに行く旅に行ってました」
「嘘だ!!!!!絶対あの銀髪のヴァンパイアとイチャイチャしていたにきまってるわ!!」
「パコパコはしたが、イチャイチャはしてないぞ?」
「もっとダメじゃない!!「
海は、突然飛んできた板前包丁を慌てて収納する。
「危ないだろ!!死んだらどうするんだ!!」
「えっ?だって殺すつもりでやったもの。あなたを殺して私も死ぬ!!」
「チョマッ!!」
海は、板前包丁を握りながら冷え切った笑顔で突進してくるシャルロッタを警戒する。海は、この時思った、シャルロッタの方が竜人族よりよっぽど怖いと。
「魔力開放!!」
シャルロッタがそう叫ぶと、シャルロッタを覆うように金色の光りの煙が現れて、目にも止まらぬ速さで加速する。
「なっ!!」
海は、突然加速したシャルロッタを見て、消えたと思ったが気づいた時には板前包丁が懐にまで来ていた。
「っ!!」
海は、咄嗟にバックステップでそれをかわそうとするが、間に合わないと悟る。だが収納を使えば大丈夫なはず...そう思っていた海だが...
「がはっ!!」
海の、わき腹に板前包丁が突き刺さっていた。
「
「痛いいいい!!」
海は、わき腹に突き刺さった板前包丁を見て絶叫する。膝をつく海を見て、見下ろすようなシャルロッタの目が突き刺さる。
「海のその奇妙な技を破る、私の必殺技「
「くっそ」
海は、シャルロッタに負けることは自身のプライドが許さなかったので、超回復水を飲んで回復しようと試みるが...
「傷が癒えない...」
海の、切り裂かれた脇腹は、完治することなく赤黒い血をダラダラと流していた。
「甘いわね海...「
シャルロッタの気...ではなく魔力が上昇して金色に輝きだす。
「ちょっと待ってくれホントに死ぬんだけど...くそっ!!」
海は、これはまずいと思いレーバテインと魔剣グラムを取り出す。レーバテインを出した瞬間、傷は完治しなかったものの、出血が止まる。どうやら不死身効果が効いているようだ。
「魔力ブースト!!」
海が、魔剣グラムから流れてくる溢れんばかりの魔力をレーバテイン流し込む。
「ワ―――――――――――――――――――――――――プ!!」
海は、逃げ出した。
海がたどり着いた場所は、ピンクのひらひらがたくさんついた部屋だった。祖そこは森の精霊王レナの家だ。
「おっす!!レナ久しぶり。おらワクワクすっぞ!」
「で?今回は何をしたの?」
レナは海を無視して質問する。
「いや、ちょっとな」
「どうせ、又やらかしたんでしょ?丁度あなたに話があったの、ほとぼりが冷めるまでここにいていいから、話を聞いて頂戴」
「おk」
海が承諾すると、レナと海はピンクのひらひらソファーに向かい合って座る。
「そろそろ私精霊の力を取り戻したいの」
「おれはYESと言わない日本人だ故に...NOOOOOOOOO!!」
「黙りなさい!!」
レナが海をぴしゃりと黙らせる。
「お願いよ...これじゃあほかの精霊にバカにされたままで、この家を出れないじゃない!」
「しゃあなし、じゃあ交換条件だ」
「なによ、交換条件って!この家に匿ってあげるって言ったじゃない!!」
「ちなみにこの家はもともと誰の家か覚えているか?」
「うっ...」
レナが痛いところをつかれて、渋い顔になる。それを見た海はニコニコした笑顔で話を続ける。
「ほかの精霊王の場所教えてよ」
「ど、どうして?」
「勿論、君たちの核となる泉を盗むためさ」
「この、おたん小茄子!!あなたはどこまで非道なの!!」
「いや~ここまで来たらコレクションしたいじゃん」
「ここまでてっ...まさか私の泉のほかに...」
「さぁ...何のことでしょうか?」
海は、白目をむいてい恍ける。そんな海を見たレナは...
「もうどうにでもなればいいわ。それで私の精霊としての力を取り戻せるなら」
「おう」
海は、レナから泉のありかを聞き出し、超回復水でレナの羽根を回復させてあげるのだった。
「さぁ、鈴木!これで、貴方を倒せるわああああああああああああ!!」
海は、生えたばかりのレナの羽根をむしり取った。
「さてと、泉でも探しに行きますか」
そう言って海は、ワープするのだった。
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