第52話 主人公は楓ちゃん
楓ストーリー、一人称楓視点
........................................................................................................
前回までのあらすじ!
聖剣エクスカリバーを手に入れて、ワクワクの私「鈴木 楓」でも手に入れて洞窟から出たら突如、お兄ちゃんが攫われちゃった、どうしよう~
魔法少女マジカル楓!!始まります!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私たちは、聖剣エクスカリバーを手に入れた途端、お兄ちゃんが攫われ、立ち尽くしていました。
「お兄ちゃん、攫われちゃったね...」
「そうだな」
冷静な声で、サカナさんが答えます。
「巨乳だったな」
「そうですね、私よりありました」
「何処を見ているんですか!」
私は、能天気なサカナさんとドロップさん突っ込みを入れていると、その言葉にシャルロッタさんが食いつきました。
「巨乳ですって!海が危ないわ!」
「意味が分からないから、どういうこと!?」
お兄ちゃんに対しての不名誉な言い草に思わず突っ込みを入れてしまいました。
「とりあえず、お兄ちゃんを助けに行くっていう方針でいいですか?」
私が適当に案を出すと、皆さんうなづきました。そして、気になったことが一つ出てきたので、皆に質問してみることにします。
「皆さん、お兄ちゃんが死んだとは考えないんですか?」
「鈴木が?まさかな、あんな奴、死んでも死なんだろ?」
「そうね、海は刺しても死なないわ」
「海さんなら大丈夫です!」
根拠のない自信は、どこから出てくるのだろう?私は思いましたが、気を取り直して、お兄ちゃん救出に向かうため準備をすることにしました。
「とりあえず、薄暗くて不気味なので、お家にいったん帰りましょう」
私がそう言うと、皆さんが恒例行事のように私に捕まり、確認した私は、サッサとお家にワープ!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
お家についた私たちは、リビングの二つある長いソファーで、向かい合って座り寛いでいました。
「で?皆さん?お兄ちゃんが連れ去られた原因は、何だと思います?」
「変態だからに一票」
「そうね、私も一票入れようかしら」
「それじゃあ、私も…」
口をそろえて、お兄ちゃんをディスる皆さん。私は黙ってうなづくしかありません。
「他にないでしょうか...」
「ないな」
「ないわね」
「ないです…」
「そうですね!それに間違いないです!」
もう原因など、どうでもよくなってきたので、私は高らかに宣言しました。
「で、次の議題に移りますけど、お兄ちゃんどこ行ったか分かります?」
「分からないわ!」
「知らん」
「申し訳ないです...」
私は、心の中だけで、この人達実はポンコツではないのでしょうか?と思ったが、決して口には出さない。
「じゃあ、どうやってお兄ちゃんを助けましょう…」
「私、女に角が生えていたのを見たわ!魔族に間違えないわ!」
シャルロッタさんが元気に言いました。
「そうですか…じゃあどんな、魔族か分かります?」
「分からないわ!」
シャルロッタさんが恥ずかしげもなく答えます。そこに、ドロップさんが小さく手を上げてくださいました。私は、すかさず話を促します。
「どうぞ」
「はい、私魔族の正体分かりました。これまでの話、海さんが変態なことと、巨乳だったこと、そして角が生えていたことから、サキュバスではないでしょうか?」
「はぁ・・・?」
私は、なぜそうなると思ったが、シャルロッタさんが突然立ち上がり言いました。
「間違えないわ!」
「そうですね!シャルロッタ様がそうおっしゃるなら間違えないのでしょう」
サカナさんが、シャルロッタさんをおだてる様に言いました。私は、めんどくさかったので、その方針で話を進めることにしました。
「じゃあ、サキュバスってことで、そのサキュバスなんですけど、どこにいるか分かりますか?」
「知らん」
「分からないわ…」
「知らないです...」
皆さん知らないようです。ちなみに私も知りません。そこにシャルロッタさんが提案してきます。
「パ…お父様に聞きましょう!お父様ならきっと知ってるわ!」
「そうですね!シャルロッタ様の言う通り!」
ということで、私たちはカレビ帝国の王、マァカス・アイリーンを訪ねることにしました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
王の間についた私たち、相変わらず無駄に豪華な、装飾品が目立ち、目に悪いです。
「パパ!来たわよ!まず、お菓子を出しなさい!」
椅子に偉そうに座っている王に、シャルロッタ様が唐突に言います。
「シャルロッタ…一応今、職務中なんじゃが…」
王は呆れたように言いましたが、王が指を鳴らすと何処からともなくお菓子の山が出てきました。めっちゃ甘いな王!私は心の中だけで突っ込みを入れていると王が質問してきました。
「はて?あのにっくき男、鈴木はどうした?」
「サキュバスに連れてかれたわ!」
「サキュバスだと…」
王が驚愕で目を見開いていると、シャルロッタさんが続けます。
「お父様なら、海が連れていかれて行ったことに対して、もっと喜ぶかと思ったけれど、リアクション薄いわね」
「そ、そんなことないのじゃ!け、決してうらやましいとは思っていないのだ!」
心の声を駄々漏れにしている王を見て、シャルロッタさんが心底どうでもいいという表情で、王に問います
「それで、サキュバスの居場所知ってる?」
「知らん」
「使えねぇな…」
「何か言ったかシャルロッタ…」
「いえ、別に・・・」
私たちは、王が使えないことが分かり、この場所を後にしました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私たちが次に向かったのは、お兄ちゃんに泉を奪われたので、お家に引きこもっている、不憫な精霊王レナさんの所です。
「レナさ~ん!!!!!!!!!!!」
私が、レナさんのお家の前で大きな声で叫ぶと、レナさんが出てきてくれました。
「うるさいわよ!!」
「あっ、ごめんなさい」
平謝りして中に入らせていただきます。
「お邪魔しま~す」
「邪魔するぞ」
「お邪魔します...」
「邪魔するわ!」
私たちは、適当に挨拶して玄関に上がり、レナさんの言われるままに、部屋に向かいます。
「うわぁ…」
まず、私はピンク色のメルヘンチックな部屋に少々、引きました。
「な、何よ...」
「いえ、別に」
「すごい、ピンクね!レナの頭の中ってこんななの?」
空気も読まず言い放つシャルロッタさん、
「だ、黙りなさい!」
シャルロッタさんとレナさんがじゃれていたので、私は、ピンクのひらひらがついたソファーに勝手に座らせてもらうことにしました。
シャルロッタさんと、レナさんのじゃれあいが落ち着き、全員がピンクのソファーに座ったことを確認してから、話を進めます。
「突然ですが、お兄ちゃんがサキュバスに攫われました!居場所を知りませんか?」
「知らないわ」
「そうですか...」
誰もサキュバスの居場所を知りません…そこにレナさんが言ってきます。
「サキュバスにもいろいろ種類があってね、下級サキュバス、中級サキュバス、上級サキュバスがいるわ、そのどれかわかるかるかしら?」
「分からないです。それってどうやったら見分けがつくんですか?」
なぜか、レナさんは言いにくそうに…
「…胸の大きさよ...」
と言った。それを聞いた私は、質問する
「へぇ~ということは、私とシャルロッタさんぐらいが下級サキュバスで、サカナさんくらいが、中級サキュバス、ドロップさんくらいになると上級サキュバスということでいいですね?」
「な、何、冷静に分析してるのよ!そ、そうよ...」
頬を染めるレナさん、女の私から見ても可愛い...そこにドロップさんが入ってきます。
「あの~そのサキュバスの胸、私以上だったんですけど…」
「えっ!?」
レナさんが驚きの声をあげます、さっきからこの人の表情がころころ変わって面白い!
「まさかね...でも」
「どうしたんですか?」
困惑気味のレナさんに私は、質問します。レナさんは、恐る恐ると言った表情で答えました。
「たぶん、それ魔王リリスかもしれないわ…」
「魔王リリス?」
「えぇ、サキュバスの王よ、4大魔王の一人でもあるわ」
「4大魔王?」
「そう、魔王の中の魔王よ、めっちゃ強いわ」
「へぇ~」
私が、レナさんの適当な説明に、生返事していると、シャルロッタさんが言います
「今まで、魔王何体か見てきたけど、そんなに強くなかったわ!」
「そうね、魔王と言っても中には、そんなに強くないものもいるわ、魔王はね、月日がたつごとに、大気中から魔力を吸い取って日々強くなっていくの、きっとシャルロッタさんたちがあった魔王は、若い魔王だったのね」
レナがそう言うと、お兄ちゃんが攫った相手が魔王リリスだと分かったので、レナさんに居場所を聞きます。
「魔王リリスが、何処にいるか知ってますか?」
「ここからずーーーーーーーーーーーーーーと西の方に行ったところに、魔族領があるわ、そこをさらに奥に進んだところよ」
「詳しいわね...」
シャルロッタさんがなぜか、悔しそうな顔をしていたが、レナさんは、当然といった顔で答えた。
「忘れたの?私も一応魔族の一種よ」
そして、私たちは西を目指すことにしました・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます