第40話 先端技術研究の平和化 #戦争 #平和 #心理学 #哲学 #とは #定期
先端技術研究の平和化
戦争行為が、戦争技術開発競争を生み、それが民性技術に転換される事により、テクノロジーの進化が生まれる、という経済、政治サイクルを理由として、戦争を肯定する事には、問題がある。
戦争技術の進化は、結果として全人類滅亡を生む技術をも生み出す事になり、それは全人類の苦しみをより大きくしてしまう。
それは本末転倒であって、結局は意味が無い。
しかし、各企業単位の技術開発には限界があり、四半期決算による業績の向上という、短期的利益追求型の企業に比べ、長期的研究開発には国家が当たらなければならず、それは軍事費によってしか行なえない、という議論がある。
このジレンマは、結局は戦争をする人々がいる限り、続く。人々が戦争を行なう、という方向性に人々が向いているならば、資金も資源もそちらに向かう。
(逆にいうならば、人々の意思の方向が、戦争の方向を向かなければ、このジレンマは生まれない。つまり、全人類が、一斉に、戦争を行なうことを止めてしまえば、戦争は生まれなくなる、そしてそれは、全ての人が全人類の全ての苦しみの解決を目標とし、他者の苦しみを、自らの喜びとする事を止めた時である。)
従って、資金と資源の向かう方向性を、平和の方向にコントロールし、しかも、その平和的方向性が、戦争的方向性よりも、全人類の技術進化を保障しなければならない。
軍事力による経済構造は、必然的に大規模な戦争を経済構造上求めてしまう。
軍閥の構築は、経済構造自体の暴力性の保持という危険性を孕む。
これを克服するには、
「平和閥」
というべき経済システムを構築することが重要だ。
それは、援助活動や災害救助活動、環境保護や福祉を、先端技術開発の場として活用する、という事である。
いわゆる先端技術開発とは、人間の五感の極大化を意図する事である、と言える。
人間には通常存在しない能力を、道具の開発によって、欲望上の目標達成を求めてきた事が、テクノロジーの進化を生み出し続けている、それは五感の極大化に他ならない。
それを、
「人間を殺す方向」
に進化させる事が良いのか、それとも
「人間を救う方向」
に進化させる事が良いのか。
答えは明確で在る。
従って、援助活動や災害救助活動、環境保護や福祉を国家、民間を問わず、積極的に先端技術開発の場とする事により、経済構造自体の軍閥化からの脱却を図ることが望ましい。
ここに書いてある事は、基本的な理解でしかない。
しかし、この文章を読んだ後で、世界を見渡すならば、何をどう変えるべきか、解る様になる。
巨大な戦艦を作る資源と資金を、福祉に振り向けるならば、どれだけの世界の高齢者の人々の生活が改善するか、そして自分の老後にどれだけの助けとなるか。
災害救助の能力が、先端技術と結び付けば、どれだけの人々が救えるのか。
技術開発が進むのは、現在の技術では解決できない問題があって、その問題を解決しようと考える、という思考過程が生まれるからであり、その様な思考過程が生まれる為には、進化の為には、より大きな範囲の問題を、より認識しよう、という目標と態度があって可能となる。
つまり、問題無認識主義を否定し、進化解決主義により、より進化し解決していこうとする人生態度を持つ事こそ、より全人類を、平和という方向に進化させていく事なのだ。
そしてその様な課題を現実に見つける場として、またその課題をきっかけとして、現在の技術では解決出来ない問題を見つける場として、援助活動や災害救助活動、環境保護や福祉の場を、積極的に活用する事が、問題を解決しようと考える、という思考過程が生まれるきっかけの場を持つ事になり、それが新たな事実の発見、新たな発想と、新しい先端技術の進化を生み出す事になる。
そのような経済構造、社会構造の構築こそ、戦争を生み出さない経済構造を作る。
そして、それは
平和閥
というべき経済世界を作り出す。
具体的には、援助活動や災害救助活動、環境保護や福祉の現場での活動に、もっと研究者や技術者が積極的に関わる、そのための資金と人材を積極的に国家や企業が出す事で、現場でのフィールドワークからのフィードバックを研究に活かし、その製品化を技術転用によって可能とする事だ。
軍事技術や宇宙開発で、既に行なっているこれらの経済循環構造は、援助活動や災害救助活動、環境保護や福祉においても可能である。
そして、この経済構造を支える為には、物を買う側、消費者が、単に物やサービスを買うのではなく、その企業の態度や姿勢、商品やサービスの方向性から、理性的選択を心掛けて、買う、買わないという選択行為を行う事が重要である。
理性的消費者の、理性的購買行動が、平和閥を成立させ、一人一人の理性的消費が、世界から戦争を無くし、平和を作り出す事に繋がって行く。
一人一人が、何を買い、何を買わないか、が重要なのだ。
一人一人の「買う」という行為が、巨大な平和の流れを作り出すのだ。
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