「反出生主義」とかいうモンがあるそうだ…

『生まれてこなければ、人生で受ける苦難は存在しなかった』という理屈だそうな。


 死後の世界はどうかまだ解らんけど、魂は「ある」に傾いてる昨今だけどもなぁ。


 魂があったとしたら、生まれてこれなかった魂は何をしているんだろうか、というトコから考えなきゃいかんよね。死んだらそれっきりで魂などないとかいう主義でもない限り。


 いっそ、生まれてくるとかでなく、存在しなかったら良かったと考えた方がスマートにならん? 完全なる消滅な。具体的にはどうすりゃいいかなんか解らんけど。


 だけど、完全消滅という最終解決を突きつけられたら、ちょっと躊躇すんだろ?


 恐怖の根源にある問題に掠めてるからさ、自分の正体ってのを突き詰めた時に出てくる「不安定」とか「不確実」とかに直結しちゃってさ、逆に真正面から問題を見据えなきゃいけなくなる考え方だと思うけどね。(笑


 自分という存在が、どうしようもなく何の保障も根拠も持たない、てことをあぶり出してしまうだけと思うわ。生まれなきゃ解決、てわけはないよ。生まれる前を考える切っ掛けにしかならないじゃん。そこでご都合に天国がとか言うのかい?(嘲


 キリスト教圏では、本当に根源に宗教が根ざしていて厄介だ、と武士道を引き合いにした新渡戸稲造がボヤいてたって説話があるけどもさ。この主義も、なんか陰には「天国思想」が隠されてる気がするよね。生まれなきゃ天国でぬくぬくしてたのに、てか?

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