定期的に「○○はラノベじゃない!」談義が出てくるけど…
ラノベの境界線って、レーベルが最初のボーダーでさ、だけどラノベに括れない作品も余裕でゴロゴロしているから、後から一般レーベルに移してハードカバーで表紙もなんか幾何学的なデザイン画とかに変更されてさ、「ラノベレーベルからなんて出てましたっけね?」みたいなツラで出されたりしてね、そんな状況だから境界線とか言っていいのか、て感じでさ。
それはまぁいいんだ、作戦変更とか世間の評価が想定外とかの事情だろうから。それは別にいいんだけども、ふとさ、じゃあ確実にラノベじゃないなと余裕で認定されるよーな作品って、例えば何があるんだろ?とか思ったりしたわけですよ。
自分もまぁ、読み手としてはつい最近からだからね、ヘビーなのも読むようになったのなんて。それまで辛うじて読めてたのは、余裕でラノベ相当の軽い文体の作品ばっかなので、当時に読んでた作品はまぁラノベ認定だろなぁという納得はあるわ。
クラッシャージョウとかダーティペアとか吸血鬼ハンターDとか幻魔大戦とかな。
キマイラとかも読んだし、狼の紋章とかも出せるし、コバルトもちょいちょい読んだ。ぜんぶ軽い文体の、現代ならばラノベ相当と言っていい作品群と思う。銀英伝とかな。カフカの変身と、ヘミングウェイは簡潔過ぎる文体がもはやラノベレベルに軽やかで、そも文体で分けようってのが無理があるっての、解っちゃうわけだけども。赤川次郎とか池波正太郎も全部入ってきちゃうんだから。
これをラノベの括りにしたら、間違いなく世間一般じゃ恥ずかしい人認定だわ。
んで、何がボーダーラインなんだろう、境界線はドコだろう、そもそも絶対に誰もラノベには放り込まないだろうって作品あるんかいな?と、思ったんよな。
文体だけで言えば、余裕で「論語」だって軽やかだもんなぁ、て。
軽くない文体……専門用語がバカスカ飛び出して、注釈だらけで、読者の教養を試しているとしか思えない、参考文献羅列な文体を誇る「黒死館殺人事件」を言うのも違うと思うし、あれかな、伊坂幸太郎とかの、私が挫折したタイプだろうかとかも思うのだ。一文レベルで意味深で、哲学的で、ずーーーーっと読み下していかないと真意も読み取れず、別解釈も隠されていそうな、そういう文体なのだろうかとか。
だけど、よもやカフカをラノベと言ったら笑われる。
そう、笑われるのは必定なのだ。
まったくストレートに、哲学なんかも文章そのものには織り込まれちゃいないから、すんなりと素直に読み取ったままでOKなんだけど、あれとラノベが同じということは絶対に違う、それは解るんだ。今日びラノベと称される作品群の中にカフカレベルにラノベじゃないのに紛れ込んでいる作品だってもちろんゴロゴロしてるような気もしている。
だが、名称、区分としてのラノベという時のラノベと、ラノベと似通った軽い読み口の作品の、ラノベではない、の作品とが違うということは明白なんだ。この違いを認めないヒトも居るだろうが、まぁ、意見の相違は誰にだってあるさ、お引き取りください、てなもんだ。
論争好きなので意見の相違を喧々諤々やるのは望むところではあるんだけども、よく見る「差はない派」の意見って、理想論100%でオハナシにならないから、話すだけ無駄だろうなという予感がな。現実見ろよ、と言いたくなるし。(苦笑
漫画でいうならな、同じ永井豪作品だからと「ハレンチ学園」と「手天童子」を同列にするような乱暴さだ、というわけだよ。テーマもスケールも、根底にある哲学さえまるでベクトルが違うもんを同列に捉えたとして、それで枠としての機能を果たしていると言えるのか、というわけですよ。ラノベと他を区別しろと言った途端に、目くじら立てるヒトに言いたいのはね。
検索するのにタグが機能してなかったら文句タラタラのくせになー、と、彼らの矛盾した意見にはブーブー言いたくなりますわ。(ラノベというタグを何でもかんでもに付けとけって言ってるも同然なんだからね、それ!)
機能しないタグなんか必要ないだろ、ラノベというジャンル名など要らないって言ってるよーなもんだぞ、聞きようによっちゃ、と思うのですわ。機能しないタグは百害しかないぞ。ぶつぶつ。(一周回ってコンプレックスかよ、ともな)
ライトノベルは、軽い読み口の作品全般と言いつつ、厳密には「文体では括れない」ことが解っていますわな。ラノベかと言いたくなる文体のラノベ括りじゃない作品はなんぼでもある。
では、内容が軽いモノを指すのかとなると、逆に「軽くないモノとは?」という疑問がな。どこで線を引く、何を基準に軽重を測る、となるわけで。
例えば、戦場を舞台にしてたら「重い」のかと言ったら、必ずしも重いとはならないんだよね。バリバリのラノベ認定の作品で戦場舞台って珍しくないし。だから、設定で決まるわけでもないってことは確かですわな。
私が感じるところは、「心情」かなぁ、と。キャラクターの心理状態で左右されるのかな、という感じはあるかも。
だからさ、ラノベの「軽い」は読者が軽く理解を果たせる、ということだと思うのな。伊坂幸太郎とか手塚神の漫画とか、映画でも難解なトコロってのはそのキャラの心情理解で頭ヒネらないといけないトコにあるじゃん。「ブラックスワン」なんか超難解で何回観ても解らんかったし。(シャレじゃないよ)
文字通りの、「重たい」作品群のことな。ガチで読まなきゃいけない作品。
その差かなぁ、と思ったりもしたのですわ。違うようなんだけどね。(苦笑
だって、池井戸潤の大ヒット、三倍返しなんてのはそんな難しい思考のトレースをさせられるような作品じゃないじゃないですか。それでも、あれをラノベと呼んだら世間は嗤うだろうよ。カテゴリとしてのラノベにゃ入らないのは明白。(同様に、幻魔大戦や銀英伝や他を入れても失笑されるだろう)
文体も心情も軽くて、設定もわりと漫画チックで、って。だけど、物語で起きるエピソードの数々は銀行の内情を駆使してあって、解説がないと解んないトコもたっぷりだもんねぇ。ガッツリと銀行というシステムに食い込んだストーリーで、銀行というガチ設定がないと成り立たないわけで。
そういうものはラノベからは外されているじゃないですか、て。
だんだんと境界線は曖昧になっていってるけど、ラノベというタグに求める読者のニーズが守れてない作品が大ヒットに繋がることはないわけで、さらにそういう読者の求めにはない「不純物」が占める割合が上がるとさ、いわば「売れるモンも売れない」状況に、ジリ貧で迫っていってるだけじゃないのか、という危惧ね。そういうのを感じるのですわ。
ひと言でいうなら、「タグが機能しないんじゃー!」というね。
(逆にさ、だからガチガチに凝り固まってるテンプレ異世界ばっか売れてんのかもよ? そういうイミでのカテエラ作品にはぶち当たんないわけじゃん?)
基本、余計なお世話しか書かないスタイルですが。(笑
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