「京アニ放火事件」ニュースで危惧

 徐々に、情報が集まりだして報道が深まってきた。


 事件発生から、リアルタイムに報道やネットの情報で続々と犠牲者数が増える様子を見つめているしかなかった。なんという事件なのだろう。今日になって、言葉を失った。


 犠牲になられた方々のご冥福と、一刻も早い恢復をお祈りします。


 

 犯人が、自称で「無敵の人」を表明していたらしいことが気になるよ。本当はたぶん違うんだ。リアル社会で見捨てられ症候群みたいに感じている人が、ネットに居場所を求めて、そこからさえ落伍したと感じた時に暴発する、そんな事件が相次いでいるような気がしてならないんだ。


 思い起こせば秋葉原の犯人もだし、やまゆり園の犯人もだし、ネット論壇の有名人を襲った荒らしの犯人、彼もそうだったような気がする。


 何も失うものがない、と彼らは豪語してるけど、ほぼ捨て鉢と同じだよ。


 共通するのは、犯人が「ネットに正義を求めただろう痕跡」だ。


 秋葉原の犯人は凶行に至る前にネットでしきりに抑止を求める行動を起こしていたのは知られた事実だし、そこでも煽られるばかりだったから、実行に移している。


 やまゆり園の犯人はネットでの交流がどうだったかの情報は入ってこないけど、かなり偏った思想を育んでいて、その都合の良い情報の仕入れ先はネットだろうと思う。ネットは見たいものしか見えないハコ、というのは誰の言葉だったか。


 その次の論壇の人にしても同じ経緯がある。周囲からは荒らし行為としか見えなかったが、当人にとってはどうだったろうか。仲間に入りたいという欲求の裏返しの可能性もある。


 今回の犯人も、おそらく事件に至る前になんらか行動を起こしていると思われる。喚き散らしていた「パクリ」の件も、現場でだけ発揮していたとは思えない。散々、ネットの中でも言い続けただろう。


 しかし、その結果はどうか。多くは荒らしとしてスルーされるか、逆に非難される結果に終わっただろう。そして、実際にパクりは行われていなかったにせよ、そう誤解する可能性は高かったと思う。


 犯人が失調である以上、それは思い込みである可能性も高いが、実際に似たような設定や展開をもつ作品がヒットして、それはアニメ化されたか、される予定になっていたのだろう。犯人が流行りのテンプレを書いていたなら、そもそもで元から似たものだったはずだからだ。


 そのアニメを手がける予定の会社が京アニだったとも言いきれない。違う会社だったかも知れない。ここも失調の失調たる所以で、共通点がアニメ制作会社というたった一点だけでも、同罪と見做されただけの可能性さえある。もう、防ぎようがない。


 三者に共通なのは、リアル現実の世界に絶望感がある中で、もう一つのネットという住空間でさえ、彼らの正義には誰も耳を貸してくれなかった、これだ。被害妄想には違いないのだけど、当人にしたら切実を通り越した事情になってしまう。本当に防ぎようがない。どこからどう思考が飛躍していくか、予測もつかない。


 けれど、彼らは、「自ら鉄槌を下す」という暴挙に出ることは共通する。




 これはあくまで、私の予想するもので、実際はどうか解らない。他人の心など解ったものじゃないし、おそらく犯人の自供でも犯人は本当など言わないだろう。


 マスコミも取材で色々言われていたりするが、本当に彼らも懸命に情報を探している。何も解らないけど、なんとか解明したくて、その為にはまだまだ情報が必要なんだろう。私個人としても、何がなんだか解らなすぎて心地が悪すぎる。

 こんな時くらいは、反感抑えて少しでも協力出来たらなと思うから書く。


 本来なら、何も解らないくせに何か書くのはデマの元だから控えたかったが、もうそういう時期は過ぎただろうと思うから、憶測でしかないけれど、誰かの試行錯誤の足しにでもなればと思うから、書いておく。


 なんでこんな事件が、それも似たような背景をもつ事件が、この数年のうちで立て続けに起こるのか、妙な符号を感じて気味が悪い。(根本の原因が同じだと連鎖するが、もうこれで打ち止めになってくれと祈る…)

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