昔の作品を引っ張ってきて、感じたこと②

 さて、自分の才能ってのがドコにありそう、てのに目星を付けたら、次にやるのは他の必要能力のうちで決定的に欠けている部分のチェックだよね。


 決定的に、てくらいなので平均より劣る部分ていうんじゃなく、下を見出すとキリがないんだからボーダーラインより下の、そのジャンルを諦めなきゃいけないほどの欠点がないかどうか、てことね。


 そんなモン、おいそれと見つかるもんじゃないとは思うけど。(笑


 普通は、広く世間を見渡したら同じレベルがゴロゴロしてるような、弱点と呼ぶのもおこがましいような点を取り上げて、才能がないだの言って悲観するわけですけどね。更に下が居るんだ、謝れ、てなもんですよ。


 そういうことを言ってると、努力なしで認めてほしいという本音を隠して、駄々こねているようにしか見えないからさ。甘えるな、としか返ってこないよね。


 だけど、人はわりとよく盲目になっちゃって、広く世間を見渡す視界を失いがちなので、正しい自分の位置っていうのを見失って遠い天井ばっか見上げては悲観するって、わりとよくあるケースだと思います。


 特に、プロを目指すとかになるとボーダーが上がっちゃうんで、平均と比べることが無意味になっちゃう。プロを見渡してみての、自分の位置、だからさ。

 プロの天井なんて、文豪クラスになっちゃうわけで、そんなトコと自分を見比べたら才能ないと思うのは当たり前だよね。プロだってピンキリだけど、総じてプロを目指すという時のプロってのは、本当に輝ける才能を放つ天井付近のことだもん。


 ゴールドラッシュで一攫千金を狙うって、砂金では満足しないでしょ。砂金が定期的に取れるなら充分採算は合うんだし、質素なりに生活も出来るんだけどさ。


 才能が無いとか嘆くのは、砂金しか出ないと嘆くことに似てると思うのさ。



 砂金が出るんだから、もっともっと掘れば塊が出るかも知れないし、砂金も積もれば塊になるんだから、そこに思い至らず嘆くのはやっぱ、もったいないと思うよ。


 砂金は出たんだ、砂金は。がんばれよ。て。

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