忘れる前にメモ、メモ。(怪談注意)

 昨日、醍醐寺に行ったんすわ。旦那と。


 で、どこだったか、五重塔を観たあとで行ったお堂ですか、確か五大力さんが祀られていましたっけ。そこになんかお坊さんを含めた一団がいて、なんか、急に全員で賽銭箱の前あたりで正座したんですわ。


 お坊は別に念仏唱えるでもなく、隣の女性にボソボソ話しかけている様子。しばらく見てると、突然、その女性が怒鳴る。唸る。それがよくよく聞くと男性の声が混じってんだけど、旦那はどうやら気付いてない。


 ヤバ味を感じて、先に別のトコ行こうと言ってその場を離れまして。旦那、興奮気味にあれってキツネ憑きだよな、とかウキウキすんな、という感じで。


 次に向かったお堂には、涅槃像があって。その手前の献花台? 蝋燭がほとんど途中で消えてるのばっかだったんで、自分の分を捧げるついでに消えてるのも全部付け直して。


 で、ヤバかったのはこの後。


 キツネ憑きは半分落ちかけだったんだね、それが流れてこっちに余波が来てたみたいで、涅槃像を観た途端に、なんだろ、あれ。ぶわーっと涙が。

 ヤバい、ヤバい、と焦る自分の傍らに、誰かの感情が救いを求めて、涅槃像を観てウルウルしてんのよ。


 慌ててその場で正座して、まぁ、以前にも除霊は自力でやったんで、同じように説得しまして、一人で行け、と。誰かに連れてってもらうのは無理、ちゃんと迎えは来るから、あの五重塔はそういう意味であそこに建ってんだから、あれを登ってけ、というカンジですね、古今東西、塔ってのはそういう意味で建ってんだ、と、自分でも知らんかったことを切々とやりまして、なんとか離れましたわ。


 前の時みたいに解りやすく上空にガッと昇ってく感覚はなかったんで、本当にちゃんと昇れたのかは不明。落としも途中段階だったみたいだし、お坊があとはやってくださったものと願いますわ。


 お坊さんでも神主さんでも、マジモンのキツネ憑きとか対峙しないといかんので、ほんと、大変だなぁと旦那と帰りの電車で言っとりましたん。(笑




 忘れてたんだけど、キツネ憑きの落としを観たのはこれ、実は二度目ですだ。確か、中学時代で学校の帰り道の途中で神社の杜を眺めながら帰るんだけど、その時に見たのよな。


 まぁ、そんなこともあるってことで。(笑

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