描写と構成のビミョウな関係
うん……これ……これな、……ビミョウだよね、片方では描写がないとスカスカとかいうし、ありすぎてもアカンし。
そう、アカンのだよ、ありすぎても。
描写はあればあるほど良い、という勘違いは怖い。しかし、構成上の必要部分への描写となると、あればあるほど良いは成り立つのがねぇ。構成が正しければ、描写はしすぎるということがなくなるのだ。
画面が海苔になってしまうことがアカンのではなくてだね、たとえ海苔画面だって、読んでくれるモノを書けばぜんぜん平気で読んでもらえるのだけども、だって市販の特に古い名作選なんかは真っ黒なんだから、海苔だからダメという論理は破綻してるんだ、はい、ロ~ンパ!てな感じで、海苔がアカンわけじゃない。
そうではなく、必要がない部分なのに海苔のよーに描写をしてるからアカンのだよね、それはすなわち描写の責任でなしに、構成力の問題なのだ。
最近、カクヨムでも描写がガッツリ入っている作品が増えてきたので、サンプル摘出でちょろちょろと読んでみたのだ。
……なんつーんだろ、例えば、冒頭シーンとして異世界転生する前に現世の生活と死のイベントを挟むんだけども、正直、それって必要ですか?という感じなんよ。
メインは生まれ変わってからなんで、こんな部分は減らせるだけ減らせば良い部分の代表たる部分であって。はよ、本題に行けよ、という感じ。でも、ここで主人公の性質が紹介されるんだとかいう言い訳も聞くんだけども、読者の立場で言わせてもらうと、主人公の紹介を別のトコでやれよ、という話になってしまうんだよね。読者なんてワガママなんだから。
主人公の性質を紹介するイベントは必要だけど、それってどこにでも付加できる類いのパーツであって、それを無駄イベントを挿入する言い訳にするな、という話ね。
しかも、その無駄イベントが描写バッチリで延々と細かく書き記されていたら、読者にしたらダラダラと描写が続いてつまんない、となるわけじゃないですか。それも責任は描写の方へ思いっきし寄せられてさ。
いや、その「つまんない」は描写の責任じゃないでしょ、構成のせいでしょ、無駄イベントをダラダラやるからでしょ、という感じ。
読者ってリクツじゃ解んなくても嗅覚で「つまんない」が解ってしまうから厄介だよね、冒頭を読んだだけで匂いで解るんだよ、そのイベントが無駄かどうかが。
で、無駄イベントにごってりと描写クリームが塗りたくられているってわけでさ、そのクリームそのものが美味しかったら、無駄イベントでも気にならないこともあるんだけど、そうでもないって感じのクリームだから……てね。
だけど根本的にはクリームのせいじゃないよ!?(←これが言いたいらしい)
無駄イベントを真っ先に持ってくる構成力の無さで、それを誤魔化すために描写クリームを剥がして軽量化してさ、最初からクリーム無しだからって最後までクリームが塗れなくなっちゃってるだけのモノを、「読みやすい」とか言うなよ…
(最近はWebでもクリーム塗ってあるほうがオイシイっての浸透してきたよね)
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