アニメイト発行の雑誌

 ムスメの部屋を強制的に掃除した。要らん(と母が判断した)モノを片端から45リットルポリ袋へと放り込む。畳の上及び机の上に無造作に転がしているものはイコールでゴミという判別法はシンプルかつ的確。今日はゴミの日だが問答無用に廃棄というほどの暴君ではないので、これはこのまま口を縛って部屋の真ん中へ置いておく事にして、掃除機を掛けた。今日から次のゴミの日までカウントダウンである。

 とにかくモノが多いムスメ部屋。申し訳程度に畳まれた布団を移動させると、なんだかアニメ絵チックな裏表紙が出てきた。


 アニメイトから発刊されているキャラグッズ紹介冊子だった。儲けてますね。


 ちょうど鼻歌でサザンオールスターズのミスブランニューディなんぞを歌ってたもんだから、ちょっとした閃きが降りてきた。昔はそう、この曲にも歌われていたように、皆が同じ格好をすることがステイタスだったんだよ。流行のものをいち早く取り入れ、遅れていると思われないことが大事だった。まぁ、私は我関せずだったけど。これに興味を示さないのはオタ系の連中だけだったような気さえするね。いや、一部アイドルオタなんかは示し合わせて法被だの何だので祀ってたっけか。


 今も確実にそういう思考の人たちは居るんだけど、いつ頃からかミックスしちゃって本来のオタクという意味合いからは遠い人々もこの界隈に流れてきたなと言う感じ。その影響なのか、オタ界隈にも流行りというのが出てきたし、流れが早いなんてのも言われるようになった。


 その反面で、ミスブランニューディの頃のような、画一的な右向け右な指向性は無くなったとも思う。昭和の頃には頻発した何かの一大ムーブメントなんてのは、この画一的指向性の賜物だったわけで、皆が同じ格好をしたがるからこそだったけど、これと相性が悪いのがオタという存在だったはずなんだよね。


 オタクというのは流行り関係なしに自分の趣向で動くタイプの人間を言うので、右向け右というのが無い人間のはずなんだよね。しかも、反発しあうトコがあって、ミスブランニューディな人々はオタクをキモいとか言って嫌っていたし、オタクは彼らを自己がないと見做してやっぱりバカにしていた。鏡みたいだったね。


 今はまた別の事由を軸とした対立構造があるだろうけど、例えばうぇーい系とか、あんまり表立っての反目はないよね。その代わり、オタク層ってのがかつてのミスブランニューディな人々の性質も兼ねていて、面倒な感じだ。


 オタは流行りだからという理由では食いつかないけど、それは反転すると自分の判断ってトコに価値観を置くわけで、流行りモノに対する反応ってのがそれこそ千差万別に分かれてしまったなと感じる。

 皆が良いというから好きになる、じゃないんだよね。例えランキングの上位からしか読まないとしても、それは決して、ランキング上位だから無条件で良いと認めたわけじゃないんだよね。いちおう彼らは自分の判断だと思ってるし、誇りを持ってる。

 彼らは、流行りに乗っかりました、というモンじゃないつもりでいるから、そう言えば怒るわけですよ。右向け右ミスブランニューディの価値観混ざってんじゃん、と言えば怒る。そうとしか見えないけども。捩れてるなーと。


 で、キャラクター商法がすごいんですが、これもとにかく数を揃えなきゃいけないって事になってる。アイドル界すらそうで、AKBとかエグザイルなんかもそうだよね、皆、差別化を欲しがっているというか。

 同担拒否なんてのもそこが根っこにある心理じゃないかなと思うんだけど、オンリーワンを求めてるんだろうなと思う。すごく矛盾してない?とも思うけど、流行りのてっぺんから探すくせに、オンリーワンが欲しいんだろうなぁと思わされるんだよね。その変形が、わしが見つけた、というアレ。人気になる作品を発掘して、真っ先に目を付けたのはわしだ、みたいな価値観もやっぱりミスブランニューディの香りが漂う。それが悪いわけじゃないんだけど。


 皆が認める自分だけのオンリーワン、なんていうのはさ、矛盾だよね。


 そのうち気付いてまた何か変化があるんだろうかね。皆が認めるという部分は不要になるのが究極のオンリーワンの在り方で、平等に分け合いましょうに究極があるのが皆が認めるの在り方だもんね。


 物事って、最後まで分解していかないと答えに辿り着けないじゃん。でも最後に残った分解不能の最小単位のものって、たいがい矛盾を内包してたりするよね。けど、この件に関してはまだ最小単位にまで到達してないんじゃないかと思うんだよね。


 皆が認める自分だけのオンリーワン、それは捩れた構文でまだまだ修正可能だと思う。「皆が認める」と「オンリーワン」とが支持層ごと離れていたのが昭和の頃だとして、今は混ざってしまっているけど、混ざったままではいられないだろうと思う。


 業界再編みたいな事が起きて、また何か別の現象みたいな顔して、「皆が認める」と「オンリーワン」は分かれていくような気もするなぁ、なんて。


 小説に関していえば、かつてないほど小説が読まれる時代になったよね。ビジネス的には、タダの作品に流れている層とか不満で買い控えている層をどう刺激するか、という問題だと思ってる。


 ソシャゲだけでなく、アニメイト雑誌に見たキャラ商戦、どこもみんな売るための戦略を練ってるよねぇ。キャラが売れるとなったら、それこそキャラ単体に絞り込んで売るんだもんね。


 今の時代はやっぱ、売れるキャラ、なんだろう。それは端的には「魅力あるキャラ」なわけだよね。けども、やがて「差別化」が求められ始めるだろう。魅力あるキャラぷらすアルファ、な感じになるんだろうなと睨んで、戦略を練っての「文章」なんだけども。


 けど肝心の自分の文章が、どうなのかってのがちょっと自信ない。(ダメじゃん)

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