今の出版業界に必要なのは…

 私個人の意見なのだけど、これは編集者を養成する機関じゃないかと思ってるんだよね。書き手はそれこそ個人ででもやりようはあるし、ハウツーも有り余るほど出てきてるから道しるべに不自由はないでしょ。だけど、編集者となると、そのノウハウも含めてまったく出回ってなくて、こっちにこそある種のマニュアルがあっても良さそうなのに無いんだよね。


 小説の書き方のマニュアルなら、初心者向けから中級クラスまでなら作れるだろうと思ってるし、実際、あるんだけど、編集者用となると無い。

 そんで、作家が編集者に用が出来てくるのは、この中級以後に行ってから、なんだよね。その時に役立たずだから名だたる作家陣は編集に意見を求めないだけでしょ。もう一伸ばししたいのに、意見を聞けるほどには頼りにならないから。


 出版不況の直接の根っこにあるのはここじゃないかと思ってて、私は自分のエッセイでは作者ではなく編集者に向けて意見を発している時があるよ。編集作業なんか解からんだろうと言われるかも知れないけど、曲りなり、他人様の原稿集めてアンソロジーを作る程度の編集経験はあるんで。まったくのシロウトじゃないつもり。


 商業なら大学にそれ向けの課程ってのがあるし、工業職だったらやっぱりそれ専門の大学の卒業生を採るだろ。そういう専門課程ってのが編集者にはないんじゃないかと。政府ですらが大学に文系は要らんのとちゃうか?なんて寝ぼけた事を言ってるご時勢だからさ、時々、カドカワさんとか新入社員採用基準見直した方がいい、と本気で思うんだよね。本の専門家が文章知識に疎いってアカンやろ。


 というのも、ちょっとした偶然で編集者だとかいう人のツイッター発言まとめを読んだんさ。何を毒にも薬にもならんことを偉そうなフリで書いてんだ、コイツ、と思ったんだよ。なんとゆーか、作者の為にはならんけど編集の保身だけはしっかり保たれる小説メソッド。居るんだよこういう奴。どこの職種にも居るけどさ、相手は確かに失敗はしないだろうけど発展もない、当たり障りないアドバイスをしてくるヤツ。


 当たり障りなく正しくはあるから、賞賛レスが付いてたりする。これなら間違ってる方がまだマシ。保身だけはしっかり機能した意見なんだよな。こういう方向へ走ってしまったのだって、その人自身に文章に対する学問がないからでしょ。基礎知識が足りてないから、自己流のノウハウさえ作れないから、自信も持てなくて保身ばっか能力高めちゃったんだよ。


 育てる気がないっていうより、育てることが出来る人材がない、が正しいんでしょ? こういう編集が出てくるって、業界全体の責任だよ、これこそ。


 それから、作る側のチームと売る側のチームは完全に分けるもんじゃないの?

そんなんどこの業種でも当たり前の分担になってるよ。編集の持つ仕事の割合が大きすぎるから手が回らないんだよ。販売事業部の責任はどこも軽く見られがちなのも問題なんだろうと思う。例え質が悪かろうとそれを売るのが販売部の仕事。そこを編集部にやらせるなら、販売部など二重で無駄なポストでしかない。編集部と販売部がいがみ合って互いを貶してるくらいが売り上げは向上するんじゃないかと思うけど。


 最終的にウェブ画面というのは、スマフォも含めて、フマキラーCMのような形になるだろうから、最終では一周回って紙媒体の形式に戻るよ。SF作品が常に未来予測をしてるじゃん。


 私は、編集者というのは製作部門の人間なんだと思っていた。編集部とは一冊の本になるまでを担当する部門で、その後のメディアミクスだの販促戦略だのは営業部の事業内容だと思っていた。

 作家にも全部自分でやりたい人と二人三脚でやりたい人とが居るから、全部一人でっていう人は直で営業部と繋げて、二人三脚の作家の為にあるのが編集部だと思っていたよ。違うのか。残念だ。普通の企業ならそれが当然の形態だと思ってたよ。

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