鬼探しゲーム 第一話 『悪夢』



悠「ま、間に合った…。」

僕と慧美瑠が学校についた時間は7時53分だった。よかった~。

慧「悠のせい。」

慧美瑠はボソッと呟いた。

悠「うっ…そりゃあそうだけどさ…。」

慧美瑠が待ってなければいい話じゃんと言おうとした瞬間、後ろから笑い声が聞こえてきた。

悠「何だよ…鬼火。何、笑ってんだよ。」

僕は楽しそうに笑っている鬼火 優里に向かって言った。

優「リア充(笑)」

慧「優里ちゃん、何言って…!」

慧美瑠はそう言って、顔を赤くした。

本当のことだから別にいいじゃん!

春「もうそこらへんにしとけよ。先生、来るしさ。」

小口 春介がそう言った瞬間、笹田先生が背筋を伸ばして入ってきた。

笹「お早うございます。では、号令。」

奈「起立!気を付け、礼!」

横川 奈美がはきはきとした声で言った。

全「お願いします_。」

-----------

悠(あ~、だりぃ…。早く帰りのSHR終わってくんねぇかな。)

僕は6時間の授業を見事に全部寝た。

そして今は、帰りのSHRの笹田先生の長~い話を聞いている最中だ。

悠『ったく…話長げえんだよ。眼鏡野郎。』

僕はボソッと呟いた。

すると、斜め前の女子がくるっと後ろを向いた。

友「松村君…黙って話聞こう?」

鈴宮 友音は大人しめに言った。

幸「そうだぞ、バカ村(笑)。」

高保志 幸太は面白そうに言った。

…じゃなくて!

悠「俺は、バカ村じゃなくて…」

笹「松村君、静かに。」

悠「はい。」

…眼鏡野郎に注意された。

慧「悠、何やってんの…。」

春「松村、アホか。」

優「まさに、バカ村だね。」

三人連続で言われると、さすがに傷つく。

悠『つか、まだあの眼鏡野郎話てんのかよ…。あー、つまんねぇ。』

僕はそう呟いた。

?『じゃあ、楽しい楽しいゲームを皆でしよう?』

え…?

今、声が…

奈「起立!」

うわっ!

出遅れた…。

奈「気を付け、礼!」

全「ありがとうございました~。」

皆は同時にそう言った。

笹田先生は足早に教室を出ていった。

悠「じゃあ、帰ってゲームでもし…」


バンッ!


全「!?」

教室の扉がいきなり勢いよく閉まった。

慧「え!?どうなってんの!?開かない!」

慧美瑠は扉をガタガタと揺らしていた。

春「おい!窓も開かねぇよ!」

小口も窓を開けようとした。

どうなってんだよ…。

すると、またあの声が聞こえてきた。

?『じゃあ始めよっか♪楽しい楽しい『鬼探しゲーム』を。』


バタンッ!


陽「きゃあ!慧美瑠、大丈夫!?」

柴倉 陽菜湖の声が聞こえた方を見てみると慧美瑠が倒れていた。

それを合図かのように皆が次々と倒れていく。

悠「おい、どうしたんだよ!しっかりし…ろよ…。み…ん…な…。」

あれ…?何かクラクラする…。


その時、誰かの笑い声が聞こえたような気がした。


視界が、真っ暗になった。

1時間目 『悪夢』 END

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る