卒園して入学した

息子は、保育園を卒園して、都立特別支援学校に入学した。

現在4月の3週目。ドタバタであった、というか、まだドタバタである。


卒園については、子供たちも先生も準備などで忙しくしていたし、親も準備で忙しかった。役員などというものをしているので、おもに連絡役ではあったがどうにも気ぜわしい時期が続いていた。卒園式を終えて、ほっと一息という感じであった。でも卒園式が終わっても入学までは保育園に通うのは続くので、そんなに変わらないかと思いきや、今度は入学準備である。


ということで、支援学校入学の話をしよう。


2月頃に説明会があって、準備するものなどの説明があった。この時点で、新1年生は9人いて、全員男の子だった。昨年度の1年生はダウン症がいなかったらしいのだが、今年は何人かいた。妻がすこし話した様子と、リクリエーションルームで待っている間みんなで遊んでいるのを見た様子では、わりと動き回る子もいた。

準備するものは、大きなリュックと荷物をいれる小さな袋。袋は4種類あり、色が決まっていて、入っているものの名前とイラストを書く必要があった。これはプリンタで印刷してアイロンで貼れる用紙があるので僕が作ることになった。

それ以外にも山のような書類、しかも同じようなことを何回も書くものばかり。

妻が悲鳴をあげていた。

困ったことに、僕は4月に転職を控えており、3月がてんやわんやで4月に入ったらいきなり新しい職場で(有休消化なんかしている暇もなかった)、書類仕事についてはほとんど手伝えなかった。申し訳ないと思う。

入学式は二週目だったのだが、第一週を使い、義母にも手伝ってもらい、なんとか入学準備を終えた。2月の説明会の時に「一学期を使って揃えればよいですよ」みたいなことを言われたのだが、実態としてはしょっぱなからほぼ全部必要で、全然一学期使って揃えればよいなんてことはなかった。


さて入学式。中学部と合同である。一年生は最終的に女の子がひとり増えて10名になった。2クラスで、先生はそれぞれ2名。2組のほうは担任の先生の他の1名は日によって変わるようだ。おそらくそれに支援員の人が加わるのだろう。

片方は自閉症のクラスで片方はダウン症のクラス。ただダウン症のクラスにひとりだけダウン症ではないっぽい子が混ざっていて、でも詳細は分からない。


入学式はちゃんとした入学式であった。言い換えれば、ちゃんとしていないといけない入学式であった。中学部も合同だからなのだろう。

脱走しようとする一年生が何人かいたなかで、息子はおとなしく座っていられた。横に母親がついていたし、途中なんどか僕のほうに手を降っていたが、相当頑張ったと思う。

入学式のあとは送迎バスで帰宅である。付き添いの大人がひとりしか乗れなかったので、朝の送りをする妻が乗ることになった。僕はなんとなく気になって、全員が放課後デイの担当者に引き渡されるか、送迎バスに乗って出て行くかして、駐車場が空になるまで見ていた。支援学校の雰囲気、送迎の雰囲気、放課後デイの引き渡しや受け取りの雰囲気を見ておきたかったからだ。


どったんばったんおおさわぎ、であった。


多分クラスごと順番に建物から出てきて、順番にバスなり放課後デイの担当者なりに誘導する。たまに乗るのを嫌がる子とかいたけれど、大きな混乱はなかったように見えた。ただ、なにせ小学生全員を移動させるので、混乱はなくても大仕事である。送迎バスはマイクロバスではなく、路線バスと同じ大きさのものだ。放課後デイも何人もまとめて回収して、こちらはライトバンくらいの車に連れていかないといけない。

最後のバスが出て行くまで、20分くらいかかっていただろうか。

大仕事ではありながらも、なんとか収拾がついて、駐車場から児童はきれいさっぱりいなくなった。お疲れ様のひとことであった。


さて、そんな感じの入学式から、3週間が経過して4月が終わり、ゴールデンウィークに入った。僕は転職して出勤退勤時刻がしばらく固定なこともあり、ほぼ妻にまかせっきりだった。息子の様子はというと、

・給食を食べない。たまにご飯と牛乳は飲む。一度だけフレンチトーストとミネストローネを食べた。

・放課後デイは、一カ所については楽しくやっている。もう一カ所はどうも相性が悪かったのか、昼食にかかる時間帯に行っても食事をとろうとしなかった。ここは少し様子見することにして、しばらくお休みすることにした。

・寝つきはよくなった。下手すると8時すぎにこてんと寝る。

・寝起きについては、7時過ぎても寝ているので、起こしている。以前は勝手に7時ころに起きていたので、やはり疲れているのかもしれない。

・膝が痛いというので病院に連れて行った。腱が腫れているとのことで湿布した。

・熱が出た。最初は胃腸風邪と言われたが、同じクラスで溶連菌の子が出たと聞いたので翌日再度小児科を受診して検査してもらったところ、溶連菌が陽性になった。40度の熱は久しぶりに見たわ。


正直なところを言うと、4月から家族全員生活リズムや生活の基本部分が変わり、親のほうがダメージ喰らうんじゃないかと思っていた。しかしよくしたもので、子供の方がダメージ大きいんだなと思った。まあそうだよね。生活リズムに変わり、友達は全員新しい友達で、これまで20人クラスだったのが5人クラスになって、まわりは自分と同じようにあまりおしゃべりが得意でない子ばかりで。

そうだよなあ……。


その他にも気になることがいくつかあり、そんなことを抱えて迎えた保護者面談。GWの真ん中で僕が休みだったタイミングなので、そこにスケジュールさせてもらった。


面談では学年としての指導計画、クラスとしての指導計画に加えて、個別の指導計画についての説明があった。説明を受ける途中でこちらからの質問も適宜混ぜ込むことにした。僕が気になっていたのは、以下のような点だった。

・国語と算数はどの程度の内容をやる予定なのか。息子はひらがなにも数字にも興味を持っており、学校できちんと教えてもらえると助かる。

・友達とはどのくらいコミュニケーションができているのか、入学式で見た印象だと、みんなあまり喋ってはおらず、やんちゃではあるものの体力的には息子が一番元気があるように見えた。

・あまりうるさいことを言うと意固地になってしまうという特性はあるが、甘やかす必要はないので、適度に厳しくやって欲しい。


面談は、順番に質問するというスタイルではなく、先方の説明を聞きつつ、そこにこちらから聞きたいことを混ぜ込むというスタイルで進んだ。というか、型通りの説明だけされて終わりは嫌だなあと思ったので、適宜質問を混ぜ込むように持っていった、つもりで、結果的に悪くない内容だったと思う。聞きたいことは聞けたと思うし。

息子は予想外に友達と一緒に遊んだりして、仲良くやっているようだった。また他の子供たちも喋らない子ばかりかと思ったら、息子よりも言葉が出ている子もいるみたいで、それならちょうどよい刺激になるんじゃないかと思う。やはり支援学校を選んでよかった。それが妻と話した結論だった。


それはそれとして。


学校から山のように紙の書類がきて、書いて提出しないといけないものがある。

個別指導計画的なものは、様式がきて、こちらで手書きで書いて提出して、それを先生が打ち込み直して清書して、先生の所見を書いて、面談で見せて、意識合わせをして、最終稿を作るみたいなことをやっている。そういうのは、google docsでやるとか、いくらでも省力化しようがあると思う。こっちだって手書きで文字を書くのは苦痛なのである。配布物だってメールでいい。連絡事項の多くはただのテキストで十分だし、PDFを添付してもらってもいいし、google driveに置いてリンクだけ送ってもらってもいい。

とにかく先生が頑張って書類仕事をして、その結果がこんな無駄ばかりなやり方と言うのは、見ていて情けないとしか言えない。

日本の教育現場のIT化、もうちょっと何とかならんのだろうか。

子供にICT教育とか言っている以前に、先生がICT活用していないじゃないか。

なんてことは、面談で言おうかなとも思ったけれど、そういう雰囲気でもないので言わなかった。どうせ言っても無駄だし。


紙の書類なんかは、自分でスキャナに放り込めばいいじゃないかという節もあるが、A3だったりするのである。アホかと。

しかも、基本的に、日本人が大好きな「様式」なのである。アホかと。学校教育でこんなアホな「様式」ばっかり使っているから、それしか知らない連中が「様式」大好きの事務仕事をするんじゃないか。

まあ、言いませんけどね。








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