たぶんこの人、天才だと思う。
こんなレビュー誰も読まないと思うので好き勝手書きますけど、安定して狂っています。狂気を感じます。しかもデブです。
あと、この人、年齢も偽装してます。なんかタニタの体重計の数値らしいです。
私の正常性を担保するため、どうやってここにたどり着いたかをご説明しておきますと、雅島さんは、私がカクヨムで最高に好きな作品の初レビューを書いていらして、それがとってもユーモアに溢れた良い内容だったのです。
ご存知のように小説サイトでは、どんな名作も人の目に触れることがなければ、誰にも知られずに埋もれてしまいますので、これを発掘しレビューした功績だけでもう私の中ではヒーローでした。
最初に感じた違和感は、氏のプロフィールです。もはやなんと表現したら良いのかさえ分からない狂気。プロフィールの文字数 9360字 ありました。どうやら作品のコピペではなさそうです。
しかし、笑える。なんだこれは。
次に笑えるのが、このエッセイのレビュワー達です。
雅島氏は名作を発掘する才能をお持ちなので、文才の有り余る人達が集まってるせいか、大喜利みたいになっちゃってる。
「理不尽な運命に立ち向かう作者の哲学にはダンディズムすら感じ」
とか、「カントの魂の正当継承」とか、絶対これ笑いながら書いてますよね。
普通、レビューなんか書いて頂いたら喜び勇んで『いいね!』って押すじゃないですか。でもこれほとんど私ですからね?いいね押してるの。
感謝のカケラもない。正真正銘のダメ人間の臭いがします。
このエッセイを読めば、その理由が分かります。己の弱さとダメ人間っぷりを余すことなく見せつけて読者の共感を誘う文章スタイル。
あなたなら分かりますよね?
追記:あ…言っときますけど、このレビューのいいねは作者からじゃありません。
> さて、人間は二種類に分けられる(赤面して)(かわいい)(31歳)(巨漢)。
> 腹が減っていないと飯を食わない人間と、腹が減っていなくても飯を食う人間である。
30年ほど生きてきたが恥ずかしながらこのシンプルな事実を知らなかった。ぼくは一般に痩せている方に分類されるが、腹回りの肉のことはチラチラ気になっている。空腹を満たしているだけでもそこそこ歳をくうと気になってくる。
しかしその上に『腹が減っていなくても飯を食う』という行為があることをしらなかった。いま人生における謎が一つとけた。他者とわかり会える気がする。ありがとう。
標準体型よりもちょっぴり太目である作者が、肥満についての論考やダイエットをする過程を描いたこのエッセイ。
まず書き出しが良い。毎回何かしらの食事をしているところから始まっているのである。
食べているものも、汁粉、ジャワカレー(ガラムマサラ付き)、ラーメン+ライスなど、説得力があるものばかり。
これを読んで読者は「ああ、この人は本当に太ってるんだな」と、頭ではなく心で理解できてしまう。
その後も「腹が減ってないのに飯を食う人間は、平和の体現者である」と断言して、それを証明するためにとんでもない理屈をひねり出したり、自身の体に潜む問題を愉快な体験談を交えて色々披露して、「俺が太っているのはしょうがない」ということを読者に正当化しようとする。
しかし、言葉だけでは説得力がないと見た作者はなんとダイエットに挑戦。
それもただ痩せるためのダイエットではない。
自分がダイエットをしても決して痩せることはない運命的な肥満であることを証明する逆説的ダイエットだ!
体重だけではなく、体脂肪量や筋肉量、その日に摂った食事や、行った運動までしっかり読者に公開して、堂々勝負!
果たして作者は本当に痩せないでいられるのか…………とかそういうダイエットの成否はわりとどうでもよくて、
とにかく文章がユーモラスで凄く面白くてとにかく読ませるので、騙されたと思って最初の3本だけ読んで気に入った人はそのまま続きをどうぞ。
ダイエットに興味のある人にもない人にもおすすめです!
(必読!カクヨムで見つけたおすすめ5作品/文=柿崎 憲)