42.二項分類 - アーレン症候群セルフテスト

 あっれ? 桜の広場こっちじゃなかったかなぁ。テニスコートと芝生の広場に来ちゃったわね。

 ここ、休日の昼間は子連れやワンコが沢山遊んでいるのよ。広いから人が多くても皆のびのびと遊べているわ。そこそこ風が吹くし電線もないから、凧上げにもいいかも。

 今はもう夕方近いから、人が減っているわね。子供よりワンコが多い。可愛いなー。あなたは犬、好き?

 あっちのテニスコートは、今日も満杯みたいね。ボールの白い音が絶え間ない。

 この公園ほんとうに素敵なのだけれど、欠点としてはアクセスが悪いところね。その割に駐車場も駐輪場も狭いから、入れずに帰ることもある。バスで来るのがおススメよ。


 ああ、そうだ、そうだ。アーレン症候群の問診票の話をしようね。

 知っているかもしれないけれど、問診票っていうのは、病院とかで渡される、質問が書いてある紙ね。症状とか今までかかったことのある病気とか聞かれるアレ。この場合病院じゃないから、質問票って言った方が適切かしら。

 細かいことはまぁいいや。

 質問票は電話の数日後、筑波大学公式の封筒に入って届いたわ。封筒の厚みから既に嫌な予感がしていたのだけれど、うん。

 開いてみたらA4で8枚、裏表に質問がびっしり。イエスかノーの二択とはいえちょっとクラクラしたわね。

 始めてみたら、最初の当惑なんて忘れるくらい興味深かったわ。「光過敏」「平衡感覚の過敏・鈍麻」「聴覚の過敏・鈍麻」みたいな章に分かれていて、各章に質問が四つ以上。答えてみたら不思議なことに、ほとんどイエスの章とほとんどノーの章にすぱっと別れたの。

 ノーで埋まった章の中には、意味すら分からない質問もあったわ。「小麦粉の入った袋を持っていると落ち着く」とか……。きっと当事者なら超分かるんだろうね。

 逆に「文字や数字がどこかに行ってしまう」とか、このタイプの症状持ってない人には意味不明な質問でしょうね。私は超分かる。色によって消し飛んだり、背景の色に掻き消されてしまうのよ。


 この質問票、気になる? やってみたい?

 Irlen Syndromeでググってみて。『Irlen — The Official Irlen International Website』ってサイトでSelf Testを体験できるよ。英語だけどそんなに難しくない。私に送られてきたものより項目は少ないけれど、雰囲気は分かってもらえると思う。

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