第69話 NISAで買ってみた

NISAで買えることが分かったので、早速NISA預りで株を買い出したのだが、私のポンコツっぷりはまだまだ止まらない。


NISAがどういうものかよく分からず『申し込んでから5年の間は120万円分非課税になる』ということだけを理解していた。

NISA預りのボタンを押すのを忘れないようにして、不動産会社を40万円程、カラオケの会社を30万円程、食品メーカーを50万円程と買っていった。


そして不動産会社が少し値上がって3万円プラスになったので売ってみた。

120万円分非課税だから、あと117万円儲けても税金を払わなくていいんだと思いこんで。

次にデパートの株を買おうとしたら『これ以上買うことができません』と表示されてしまったのである。

「どうして買えないの?」と思って、再度購入しようとしてみたけどやはり買えない。


ここで大きな勘違いをしていることに気付いた。

私は儲け額が120万円分まで非課税になると思っていた。

つまり年間の儲け額が130万円だとしたら、そこから120万円を引いた10万円分の税金を払えばいいのだと。

しかしNISAとは『120万円以内で購入した株はどんなに儲けても税金がかからない』というものだったのだ。


例えば40万円、30万円、50万円とそれぞれ購入したとする。

合計は『40万円+30万円+50万円=120万円』である。

ここで40万円で買った銘柄が300万円と値上がったので売ってみる。

260万円の利益を得ることができた。

この260万円分の税金は払わなくていいとなるのがNISAである。

これがNISAで買っていなければ260万円の20%の52万円を払わなければいけないのに。


だから私はもう120万円分買っていたから、新たにNISAでデパートの株を買おうとしても拒否されてしまったのだ。

それをやっと理解したところで、すごくNISAを無駄遣いしたことに気付いた。

NISAで買った不動産会社の株40万円を43万円に値上がった段階で売ってしまったのだ。

これが60万円に値上がったときに売れば、20万円分が非課税で得をしたというのに。

私はたった3万円を非課税にしただけだった。


これでお分かり頂けただろうが、NISAはデイトレーダーのような数円の利益が出たら売るというやり方には適していない。

買った株がいくら値上がっても非課税なのだから、5年以内であれば一番の高値を目指して保有し続けた方がいいと思う。


あとどうしてもNISAで買うと欲が出てきてしまう。

非課税になるのだから大きく儲けたいと思う。

その為少しくらい値上がっただけでは売るのがもったいなく感じてしまうのだ。そして売り時を逃すとなってしまう。

だから最初から普通に買うものと、NISAで買うものとを考えておいた方がいい。

これは絶対儲かると思うものをNISAで。

とりあえず買っておこうと思うものはNISAを使わずに購入した方がいいと思う。


NISAは120万円分しか買えないのでナンピン買いができない。

使えたとしてもナンピン買いを駆使して、少し値上がったところで買い増した分を売ろうとしたら、数千円の利益しか出なくなるからもったいないということになるのだ。

もちろん数千円分でも非課税になるので買わないよりかは買った方がいい。

NISAを使わずに取っておいて、そのまま使わずじまいでは本末転倒のような気がするので。

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