53:どうしてエロゲは売れないの?

 気がつくと総PVが50万を超えておりました。

 みなさまいつもありがとうございます。


 ツイッターでバズッた記事のPVがもちろん伸びているのですが、特にバズッてもいない沢澤さんの話がめちゃくちゃ伸びています。

 みんな沢澤さんのこと好きなんだな。わかるよ。俺も好きだ。


 さて、今回もネタがないので質問回です。

 早速行ってみよう。


■エロげ業界の売上高が毎年下がり続けているのは何故なのか

 そもそも業界不況なのに、毎年も新ブランドいくつか設立はなぜですか


 俺はただのライターに過ぎないので業界に身を置くものとしての推測しか話すことはできない。とまずは前置きしておく。


 以前にも話したが、エロゲが売れない理由の最大の原因は「高すぎる」からだと思っている。

 その証拠に比較的安価なエロ同人はとても勢いがあって、商業では10000本売るのも難しいのに、同人では余裕で超えていく。

 エロに限らなくても、今は1000円も払えば良質なインディーズゲームが買える。300円くらいで数十時間遊べるようなゲームもある。


 これも前に話したが、インターネットが普及する前は、2次元のエロは今ほどお手軽に見られなかった。

 エロゲかエロ漫画を買うしかなかった。


 それに2000年前後のシナリオゲー全盛期は、オタクの間で「エロゲは高尚」という、不思議な共通認識があった。

 エロゲをたしなんでいるオタクは、ワンランク上の特別感があったのだ。

 俺と同じ時代を生きてきたオタクならば、ちょっとは共感してくれるんじゃないだろうか。

 コミュニティにもよるだろうが、そういう雰囲気が当時は確かにあったのだ。


 しかし、今ではそんな特別感などない。

 二次元のエロを求めるなら、ネットで検索すればいくらでも出てくるし、高い商業エロゲではなく安い同人エロゲを買えばいい。なんなら、同人の方が凝った作りになっていたりする。

 以前おすすめのゲームの話をした際に触れたが、「輪舞曲Duo -夜明けのフォルテシモ-」が良い例で、あのクオリティで3000円もしないとか、商業エロゲにしてみれば脅威でしかない。

 そして前回触れた「ネコぱら」も(この規模になるといわゆる「商業同人」というくくりになりそうなので例として不適切な気もするが)、紹介ムービーを見て貰えればわかるが、しっかりお金をかけて作っているにもかかわらず、DMMなどのDLサイトで約2000円、エロ無しだとsteamで980円である。安すぎる。

 ハイクオリティのエロゲをその値段で買えるのだから、なおさらフルプライスの商業エロゲを買う理由がない。


 良質なストーリーを求めたいなら、内容がわからない新作よりも過去の名作を買った方が確実だ。

 新作エロゲは一種の博打になってしまうから、いかに期待を煽るか、いかにスタッフを信頼して貰えるかの勝負になる。

 つまり売れるのは既に有名なメーカーか、莫大な広告費を投じている作品で、それ以外の作品は「既に売れていて」「スタッフも信頼されている」過去作には勝てない。


 ゲーム性を求めるなら言わずもがなだ。

 かつては大量の選択肢による複雑な分岐であったり、マップを移動したり探索したり、というゲーム性を持たせたアドベンチャーはそこそこあったが、今ではほとんど見かけない。

 RPGやシミュレーションというジャンルも、年に数本あればいい方じゃないだろうか。中には同人にもとても及ばないレベルのシステムしかないエロゲも結構ある。

 遊ぶことを目的にするなら、評判のいいインディーズのゲームを買った方がよほどいい。


 エロ同人は売れているのだから、エロゲ自体に需要はあるはずだ。

 つまるところ、商業エロゲはその需要に価格が見合っていない。ということになるのだろう。

 最近の同人は値段の割にクオリティが高いから、その分『商業』エロゲに向けられる期待も大きくなる。


 全メーカーがゆずソフトのように、OPムービーにふんだんにアニメーションを使用して、立ち絵やCGの差分数も豊富に用意して、声優も豪華で内容も毎作安定している、というクオリティを維持できるのならば、商業エロゲというジャンルがまた盛り上がることもあるかもしれない。

 だが予算的に無理だし、メーカーによっては同人以下のクオリティになってしまっていることもある。

 同人以上のクオリティとコストパフォーマンスを実現しない限り、商業エロゲはどんどん同人にシェアを奪われていくんじゃないだろうか、などと思えさえする。


 そんな状況で、なぜ新ブランドが現れるのか。

 アドベンチャーは他のジャンルに比べて開発難度が低く新規参入が容易、なんて理由もあるのだろうが、ぶっちゃけると俺にもよくわからん。


 同人サークルが商業に打って出ることもあるが、同人のままでいた方が儲かったんじゃないのか? なんて実は思っていたりもする。

 しかしながら、お金だけの話ではないのだろうな、とも思う。


 起業して流通と取引をすることで、自分の作品がアキバ店舗の大看板をドーンと飾ったりする。

 同人ではオファーを受けてくれない著名声優も、商業であればオファーがしやすくなる。

 それに同人はあくまでも同人だから、商業で勝負したいと思うのも、クリエイターとしては当然のような気はする。


 俺自身エロゲは売れない売れないなんて言ってきたわけだが、より正確に表現するのであれば「エロゲバブルの頃はどのメーカーもそこそこ売ることができたが、今は売れるメーカーと売れないメーカーの明暗が極端なほど分かれている」と言うべきなのかもしれない。

 新規参入したメーカーはもちろん売れる側になれる勝算があっての判断だろうから、俺がとやかく言うことでもない。

 実際、新規メーカーは流通の強力なバックアップを受けていることが多いから、少なくともスタートダッシュは成功するイメージがある。


 流行りの絵柄のイラストレーターと十分な広告費。この二つが揃えば「話題作」を作ることはできるから、ある意味ではエロゲは勝ちやすいジャンルなのかもしれない。


 俺としてはクライアントになってくれる可能性のあるメーカーは多い方がいいから、どんどん増えてくれるとうれしい。

 なにより、エロゲが滅んでしまうと沢澤さんのセクシーなボイスを聞けなくなってしまうから、一人のユーザーとしてもエロゲもっと盛り上がれと思っている。


 オタクにとってエロゲが特別だった時代はもう来ないかもしれないが、あの頃に近い勢いをいつか取り戻して欲しいものである。

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