『ドライ・マンハッタン』女心はわからない

 拙作カクテル・バー『J moon』『ジャズテイストで行こう!』に登場するバーテンダー優の過去を書いてみました。

 大分前に書いたものは脚本形式だったので、小説に改稿しました。

 さらに、もっといろいろ濃くしました。

 クラシックもジャズも、大人の優は封印して新たに若いキャラを作り出した気分でした。


 優の実技レッスン担当の先生が、あんな感じになってしまったのは予定にはなかったのですが(そもそも以前作ったものには登場していない)、見た目は男でも中身が女っぽい人は音楽の世界には多いので。実際、友人がそんな先生に習ってたという話は聞きました。


 あの先生は、コンクールには、優にラフマニノフとかプロコフィエフだとかを弾かせたがっていて。

 重厚な暗ーい曲を、背が高くて手が大きくて綺麗な男子に弾かせて、悶えながら聴いている……。という設定。

 今まで作ったことのないキャラだったので、ちょっと気に入ってます(笑)


 優の音大時代の友人璃子と大輔は、『J moon』にも出しました。

 第13章(1)です。『ドライ・マンハッタン』の頃のことを振り返ってます。

 優にズケズケ言えるのは、この二人しかいないかもです。


 そして、ボーカリスト兼ピアニストの遥。

 彼女との出会い=ジャズとの出会いでもあり、優の人生にも音楽にも大きな影響を与えていると言っていい、そんな重要キャラなのですが、これを書いていた当時、この手の女性の考えていることが、私にはサッパリわかりませんでした。


 ドラマとか邦画とかでは、言いたいことを察してもらいたいというのが随所に見られて、「なんで? はっきり言ってくれないとわからないよ!」という派(?)の私にはハリウッド映画とかの方がわかりやすくて好きでした。


 通学・通勤で電車に乗るようになってからは、文庫本を読むことも増え、それまで興味のなかった恋愛物も読んでみたら、ドラマとか邦画よりもまだわかりやすかった。

 それでも、そこに出てくる女の人は複雑で、「なんで? さっきこう言ってたじゃん?」とまたまた私には理解不能で。


 だんだん、女性の中には本音と建前があるとわかってきました。

 あ、すごくハッキリしている女性もいます、そういう人は問題ないです、私にとっては。

 言っていることと思っていることが違う女性というのが、理解不能でした。


 だからこそ、恋愛小説の中の女性は、興味深く思えてきたのかも知れません。

 先の展開がわからない、何が本心なのかもわからない、ミステリアス? だからこそ、知りたくなるのかもです。


 そんな時に、遥のようなキャラを初めて書いてみました。

 どうしたいのか、どうして欲しいのかよくわからない。

 当時のものを見直してみると、「勝手に不機嫌になってるすごくイヤな女」に書かれてたので、今回もうちょっと直しました。難しいですね……。


 カクテルも、多分昔飲んだと思う『ドライ・マンハッタン』ですが、味を忘れたし、当時はあまり良い印象を持てなかった気がします。若過ぎたか!?

 今回、これを書くに当たって、横浜のバーで改めて飲み直したら、すっごく美味しくて感動しました!

 それが上手く描けているといいのですが……。


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