バーの話を書こうと思った経緯は、お洒落+ギャグ路線脚本

 これを書かなくてはなりません。

 ただ、構想思いついたのが大分昔なもので、思い起こすのに時間がかかりました……。


 学生時代、10代の時に、ライブ・バーで師匠たちのライブを見に行っていました。ジャズピアノ、ボーカル、後は希少なのでやめておきます。

 当時は、ライブには、学生が出ていたのは見たことがなく、ほとんどプロで、アマチュアでも出演していたのはプロ級だったりでした。


 今では、親戚の高校生の女の子が出たと聞きますが(彼女はジャズはやっていないと思うので、どんなジャンルの曲を披露していたのかはわかりませんが)、今の時代は、昔よりは、ライブ会場のいかがわしいイメージは薄れてきていると思われます。


 若手を育てるために、現場で発表の場を儲けているバーやライブハウスもあるようで。

 たまに、そんなところに行くと、まだ未熟であっても、微笑ましいし、頑張っているのがわかると応援したくなります。


 吹奏楽出身のサックスの子は、ジャズの世界に入ることもあるみたいです。

 何を聴いたらいいのかわからなくて、古いジャズ歌手のものから聴いてるそうで、努力が見られました。

 若い女性の参加者も増えたように思います。


 私が学生の頃は、師匠が出演するようなところは、コンサート会場以外は、まあ、主に大人の男性が出入りするところで、女性客は少なく、バーには、女性は独りで行くものではない、とも言われていましたから、師匠が門下生にライブの宣伝をし、声をかけても、なかなか女の子の生徒さんは行きませんでした。

 中には、お母さんと一緒に来た子もいたらしくて。ちょっと驚きましたが、ちゃんとした親御さんだったのではないかと思いました。


 私が友達と行く時は、大抵、男女数人でした。待ち合わせたというより男女別に行って、現地で「おお!」って感じで会ったり、師匠が「これ、俺の生徒たちなんだ〜」とメンバーやお店の人に紹介してくれたので、生意気にも、お店には行きやすい状況でした。


 ただし、チャージと、アルコール1杯は頼まないといけないとか、決まりはありましたから、貧乏学生はお金作らないと、なかなか行かれません。


 演奏は、間近で見られて、大迫力で楽しめて、勉強にもなりました。

 行くところは、大抵、カクテルがメインで、ウイスキーなどもあったとは思いますが、以前書いたように、ウイスキーはずっと苦手だったので、カクテルしか頼みませんでした。


 まだ21、22歳でしたが、20歳になった途端、友人と日本酒の飲めるオヤジの店開拓をしていたくらい酒に興味があった(といっても、ウイスキー、ワイン、それと、ブランデーも高いから手を出せなかったので、これら以外のもの)ので、この頃から、よくメニューで見かけるカクテルは、他の友人情報も合わせて、生意気にも、だいたいわかりました。

 私の行ったライブ・バーでは、そんなに種類もなかったので。


 カクテルも美味しく飲めて、ジャズの生演奏を観られて、幸せな時間でした。


 あ、色っぽい話には、なりませんでした。

 そういう場で異性と話すことはあっても、音楽の話だし、友人の恋バナを聞いてるとか、異性の恋バナ相談に乗るとか、そんな程度で。

 音楽関連ではない友人と飲みに行っても、似たようなものだったかなぁ。


 こう言っては語弊がありますが、自分の周りの音楽関係者は、男女共に、変わった人が多かったので、個性的で面白いという意味では興味深い人は多かったのですが、付き合う対象になるかというと、……そうはならないのでした。

 私も変わってると思われていたので、そういう対象に見られなかったと思います。


 その前に、私の好みが、一般とはかけ離れているのか、同性の友人が好みのタイプは、私には全然なんとも思えなかったりは、よくあることでした。

 友人は、ごく普通の感覚の持ち主だったので、私の感覚が変わってたみたいです。


 といって、変人が好きなわけではありません。

 そして、一目惚れも、有り得ません。

 友人が多くて、遊んでいる方が楽しかったので、その手の感覚、ちょっと薄かったと思います。


 なので、『J moon』の奏汰たちみたいに、バーでいい雰囲気になる、ということは、私にはなかったです。


 バーで飲んでいるうちに、カクテルを自分で作ってみたくなりました。

 普段は、ぼーっとしているのですが、興味を持ったことには、まっしぐらなので、バーテンダーに興味が湧くと本を買いまくり、いずれは、お店で働けないだろうかとか、お店を持てないかとか、妄想+暴走しそうになりました。


 実際は、奥が深過ぎて、バーテンダーになるのは無理なのはわかってきましたので、趣味に留めることにはなりましたが。


 友人と、未来のための貯金も、その頃始めていました。それで店を経営するほど資金が貯まるとは、お互い思ってませんでしたから、ほとんど旅行資金になってしまいましたが、それでもいいか、と気楽に。


 その時の夢というか妄想を、蓮華ママに託し、彼女が友人と経営するバー『J moon』の構想へとつながりました。


 当時見ていたドラマが面白くなくて。特に、ドラマ好きというわけではありませんでしたが。

 読んでいた本は、面白かったのですが、音楽に関する話や、カクテルの話は、場面場面では出て来ていても、それがメインの話というのは、その頃、あまり見かけなかったと思います。


 それで、自分だけが楽しめる話として、『J moon』を書き始めました。

 「⒐ プロットとかリメイク前の話」にあるように、シャーペン漫画で。

 ごく親しい友人にだけ見せたら、皆ウケてくれました。

 (今の『J moon』は、それをもっと客観的に見て、直して小説にしています。マニアックではあるでしょうが)


 思えば、黒歴史を振り返るのも嫌なのですが、パロディとかギャグ漫画を書いていた頃がありました。

 文章を書くのはもともと好きでしたが、小説を書いてみたいとは思いませんでした。


 脚本なら、学生時代に友達と書いて、ハマった覚えはあります。

 自分から書いたというより、学校の課題だったのです。

 グループで、ドラマ制作をしろ、という。


 漫画家島本和彦が原作「アオイホノオ」がドラマになり、見ていると、映像作品制作の課題があって、グループ制作の時には他人との温度差にイラついたり、ライバルより良い作品を作りたいと悪戦苦闘する場面にも、すっごく共感していました。


 彼とは違って、私は映像の学科ではありませんが、授業では、そこにオリジナルの音楽を付けるのと、電子機器に慣れておけ、という主旨なので、脚本や演技は二の次で良かったのだと思います。


 ですが、どうせなら、内容も楽しめるものを作りたいと思っていました。


 大人な男女のカッコいい、美しくお洒落な話を書いていた友人がいて、学校の個人制作課題ですら、カッコいい脚本を書いていました。


 私はというと、……なんか、どこかにギャグの入ったものを作っていて、クラスでは、一応、ウケました。こ、これも、黒歴史!

 ちなみに、その友人も、カクテルが好きだったので、気が合いました。


 グループ制作課題の時に、そのトレンド路線な友人と組むことになりました。課題等で組むのは、それが初めてだったと思います。


「都会的でカッコいいドラマに見せかけて、ところどころ、こんなギャグを組み込んだらどう?」

 と言うと、反対されるとばかり思っていたら、意外にもその友人がウケてOKしてくれました。

 カッコいい路線を崩しては申し訳ないと思っていたら、逆に、あちらは、私が一緒の時でないと、そういうものが作れないからと、賛成してくれたのです。


 グループの中には、真面目な子もいて、「ちょっと、それは……」って反応もありましたが、トレンディー友人が監督も兼ねていて、「これで行こう!」と断言してくれたので、その路線に決まりました。


 キャストも、後輩イケメン男子と、大人の男役で先生をスカウトしよう! と私が提案すると、やはり同じく真面目な子からは、「え〜、グループ以外の人なんか呼んじゃっていいの〜? そこまでやるの?」と言われましたが、授業の先生に聞いたらOKで、その子、渋々引き下がりました。

 私のやることに限らず、彼女は何かと反対していたように思いましたが、明確な理由もなく、あまり押しは強くなかったので、まあ、気にしませんでした。


 演出の都合上、一瞬ラブシーンがありました。

 そのために、わざわざ歩道橋を探し、そこで撮影しました。


 夜空の下(星は撮れませんでしたが)でのラブシーンでは、監督がホントにチュウさせようとしていて。

 ラブシーンが盛り上がるほど、オチが映える内容になっていたので。


 相手役の女の子が「絶対やだ!」って言い出して。そりゃそうだ。


「相手はイケメンなんだから、いいじゃん」「顔が重なって見えないように撮れば大丈夫!」なんて、私たちが冗談で言ったら、「やだ、やだ!」と言って、泣き出してしまいました。


 ええーっ? そんな本気で?


 彼女は、普段は冗談ばかり言う人で、冗談で返してくるとかではなかったのが、意外でした。


 相手のイケメン後輩目の前にして、そこまで嫌がるのも失礼な気がしましたが、もしかしたら、彼女には好きな人がいたのだろうか?


 真相はわかりませんでしたが、そしたら、イケメン後輩くんが、「ああ、じゃあ、キスしようとして、恥ずかしくてごまかした、っていうのはどうでしょうか?」とフォローしてくれました。


 そのようになりました。

 それでやっと、相手の女の子も、泣き止みました。


 ですが、そこでも食い下がった私、

「ああ、じゃあ、そのごまかす時に、『今夜は星がきれいだね』って、クサ〜く言ってくれる?」


 相手は、イケメンで、演技力も高かったものですから、「恥ずかしいですね」と笑いながらも、クサいセリフも上手に言ってくれました。


 なので、言わせまくりました。


 あとから、その授業の先生に、「可哀想にねぇ、あんなセリフばっかり言わされて。キザな人だと思われちゃうよねぇ。イメージダウンになっちゃわない?」と苦笑されてましたが、後輩くんは、さわやかに、……苦笑していました。


 私の演出は、それだけに収まらず、奏汰のモデルにもなったアジアンくんも引っ張り出しました。


 彼には、そのカップルの、「星がきれいだね」ラブシーンで、オリジナルのバラードを歌ってもらいました。


 関係者にもしもバレたら……と心配なので、ネタバレはこの辺でやめておきますが、ドラマのエンディングに、そのバラードをもう一度流した後、NGシーン集も入れました。

 盛りだくさんで、自分たちのやりたい放題です。


 案の定、ドラマはウケました。

 「星がきれいだね」ラブシーンも、笑いを取れました。彼の演技力が大きかったです。

 そして、いくつか選ばれた優秀作品の中の一つとして、学内で上映されました。

 お客さんは、少なかったので、幻の作品となったことでしょう。


 おそらく、バー等に通った経験を始め、それらの経験を経て、図に乗ってしまい、TVで放映されていたドラマに対抗して、『J moon』を書き始めたのでした。


 念のため言っておきますが、グループ制作ドラマと『J moon』は、一切関係ありません。

 登場人物もセリフも全然違っていて、バーも出て来ません。

 友人の個人制作である、お洒落な脚本とも、全然違いますので。

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