甘いお誘い 〜梅酒の罠〜

 子供の頃、母が作った梅ジュース(梅シロップを薄める)が美味しかったのを覚えています。

 もちろん、父母は梅酒ですが、子供の私と兄弟はジュースの方で。

 ちょうど今くらいの時期から、梅の実を漬けてました。


 今は、スーパーでも梅酒の材料と瓶が、目に付くところにあると思います。

 梅酒の作り方は、スーパーの梅にレシピが付いていたり、角砂糖の袋にも書いてあるし(……だったと思います)、今はネットでも調べられます。


 一般的な作り方を、簡単に書いておきます。


◆梅シロップ(漬け込む期間2週間くらい)

 青梅1kg

 氷砂糖1kg

 瓶(4Lあれば○)


◆梅酒(漬け込む期間3ヶ月〜1年)

 青梅1kg

 氷砂糖500〜800g

 ホワイトリカー1.8L(果実酒用。アルコール35%くらい)

 瓶5L用


※どちらも、瓶の中に焼酎をふりかけ、殺菌する。瓶の口を下にして乾かすか、紙などで拭き取ります。


《作り方》


・青梅(傷付いていないもの)は、買ってすぐに洗い、2〜4時間ほど水に浸けてアク抜きをします。


・水気を拭き取り、竹串でヘタを取ります。(金属×竹串○)


・梅シロップの場合は、梅をジップ袋に入れて、一晩冷凍させます。

 (発酵を遅らせ、エキス抽出を早めるため)


・水気を拭き取った梅を、瓶に入れ、梅と氷砂糖を交互に入れていきます。

 (最後は、氷砂糖を乗せて)


・ふたをして、冷暗所に置きます。


・梅シロップの場合、10日〜2週間くらいで飲めるようになります。

 (梅の実は、1ヶ月くらいで取り除いてください)


・梅酒は、3ヶ月くらいから飲めますが、1年くらい置くと深みが出るそうです。

 (梅の実は、梅酒が濁ったり、崩れたりしなければ、1年くらい入れたままで大丈夫)


・梅シロップは、水割りやソーダで割って。お好みで。


・梅酒も、お好みで、ロック、水割り、ソーダ割り、お湯割りなど。



 以上になります。

 作ってすぐに飲めないのがもどかしいですね。特に、梅酒!


 大人になってから、梅酒を作る機会がありました。

 親戚のおばちゃんの庭には、樹齢100年ほどの梅の木があって、幹にはびっしり苔が生えていて、あと、あれも苔だったのか、よくわからない植物も生えていました。


 地面には、実がぼたぼた落ちていて、匂いは良かったのですが、もったいなかったです。


 そんな状態で、おばちゃんも困っていたので、梅の実を取るのを手伝ったら、取れた梅の実を分けてくれました。

 おばちゃんは梅干しを作って、後でくれました。大きめで、美味しい梅干しでした。


 私の方は、せっかくだからと、梅シロップと梅酒を作ってみました。

 なぜ、もう子供ではないのに、梅シロップも作ったのかと言いますと、早く飲みたかったからです!


 初めての梅シロップ・梅酒作りは、うまく行きました。

 基本、放置なので、普通にしていれば、まず失敗しません。


 手作りだと、ジュースであっても、濃厚な味わいで、芳醇という言葉がぴったりです。


 売れる! 思わず、そう思ってしまいましたが、きっと、誰が作っても同じように美味しく出来るものだと思います。


 以来、今時期になると、スーパーでも梅酒セットを見かけ、毎年ではありませんが、買って作ったりしていました。


 すっかり梅酒が気に入った私は、ある時、調子に乗り、友達にもらった紙パックの梅酒1000mlを、家で飲んでました。

 美味しくて、ソーダ割りからロックに移り、ちびちび……というより、ガブガブ飲んでいました。


 本当に、調子に乗っていたと思います。


 半分以上飲んだところで、あまりに眠くて、寝ました。

 が、悪酔いしてました。

 明け方、気分が悪くてトイレに駆け込み……


 記憶がなくなるほど飲んだとか、目が覚めたら、ゴミ集積所のゴミ袋の上で寝ていた……そんな友人たちの、学生の頃の話は聞いていました。

 私が酒で醜態を晒したのは、24歳くらいの時に遊園地で遊び疲れ、その後居酒屋で日本酒やカクテルを飲み、路上で初めて戻し、以来、吐いたことはなかったのですが、それから数年後、もういいトシだというのに、若者みたいな無茶な飲み方をしたものです。


 戻すとスッキリしましたが、頭がぐわんぐわんするし、フラフラするし、眠いし、もうダメだ、今日の昼の会合には行かれそうにない。

 別に、重要な会でもないし、休んでも……、そうだ、休もう!


 そう思って、午前中は寝ていました。


 しばらく寝ていたら、身体は、急に復活しました。

 休んでも良かったのですが、食い意地の張った私は、吐いた後でよく食べる気が起きた、いや、逆に、腹の中が空っぽだったから、おなかが空いていたのか、会合に行きました。


「かがみさん、そんなに梅酒飲んだの?」

「美味しくて、つい……」

「二日酔いで、よく来たねぇ!」

「はい、もう復活しました」

「どのくらい飲んだの?」

「1Lパックの、半分越えたくらいだったかなぁ」


 ところが、帰ってから、梅酒のパックを持ってみると、半分どころか、残り僅か。

 8〜9割り方飲んじゃってたようで。


 恐ろしい!


 飲みやすいからと言って、つられては、とんでもないことになりました。


 以来、なんだか梅酒を飲みたくなくなり、1年後くらいに、試しに缶の炭酸入り梅酒を飲んでみても、一口で、胸焼けしたような、気持ちが悪くなる感覚が……。


 トラウマって、ずっと残るもので。

 身体が受け付けないというより、脳が受け付けないのでしょうか?

 以来、梅酒はもうずっと飲んでいません。

 

 梅酒に罪はないのに!

 もったいないことしました!

 後悔してます!


 美味しいお酒ほど、そんな罠が潜んでます。

 ホント、飲み過ぎには注意です。

 じゃないと、せっかくの美味しいお酒と今生の別れとなってしまう恐れも。


 もう一度言いますが、梅酒が悪いわけでは、決してありません。

 飲み方が悪かっただけで。

 楽しく、節度のある飲み方をするべきです。

 当たり前のことですが、すべて自分次第ですね……。


 あ、タイトルから想像が膨らんだ方が、もしいらしたら、色っぽい内容じゃなくて、すみませんでした。


 これも、罠です。

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