「日本脱出したい病」を創作に活かす? 〜沖縄&鳥取〜

「もー、いやだー! 日本脱出したい!」


 忙し過ぎるのが続くと、時々、そんな発作が起きることがありました。

 何年かに一遍。


 いえ、仕事が忙しい、プライベートが忙しい、身体的に忙しいのは構わないのですが、虚言癖のある人だとか、無意味に大騒ぎしたり、周りを振り回す人格障害的な人に、私だけでなく周囲も振り回され、精神的ダメージを受けながらも、一緒に組んでやり遂げなくてはならなかった後に、よく起きます。


 幸い、私の場合は単発物で、その期間だけ我慢していればいいので、断然マシだとは思います。


 日本脱出願望は、「逃げ」から発生するばかりではありません。

 仕事の一大イベントなどで達成感が感じられ、自分、頑張った! などという時も、ご褒美に旅行したくなります。


 ですが、この頃は、パスポートの期限も切れ、その手続きからとなると、なかなか思い付きで海外に行かれる状況ではなかったので、仕方なく、「日本脱出」から「日常脱出」に切り替え、なるべく日本ぽくないところ(と考えられるところ)に行くことにしました。




 20代の時、沖縄に初めて行ったのは、日本脱出したかったわけではありませんでしたが、珍しいものを食べたので、一応、書いておきます。


 漫画「美味しんぼ」(原作:雁屋哲、作画:花咲アキラ)で、何度か沖縄料理が取り上げられています。初回は28巻「長寿料理対決!!」で。

 それを読んだ私は、沖縄に行ったら、エラブウミヘビを食べてみたい! と思ったものでした。


 普段は、決してゲテモノ食いではないのですが、その思いが強かったあまりに、沖縄に行ったらウミヘビを食べるものだと、また間違った認識へとすり替わっていった気がします。


 エラブウミヘビとは、コブラ科で、沖縄の海にいる猛毒を持ったウミヘビです。

 体長は1メートルとか、1メートル半くらい。

 水族館で見ると、青地に黒の縞模様で、泳いでいる姿は、いかにも怖そうです。

 食べると、滋養になると言われています。

 ただし、毒と臭みを抜くために、手間と時間が大変かかります。


 念願叶って、沖縄本土を訪れ、どこにでもあると思っていた、ウミヘビの食べられるお店は、その当時はあまりなく、雑誌で唯一見付けた郷土料理のお店を、地図を見て訪ねました。


 こぢんまりとしたお店の、座敷で、郷土料理の定食みたいなものを注文したと思います。


 豚足を煮込んだテビチは、ゼラチン質の塊で食べにくいですが、コラーゲンが豊富です。

 沖縄では、豚を残さず食べるので、ミミガーという豚の耳の皮を使った料理もあります。油で揚げたり、茹でてポン酢を付けて食べたり。

 ちょうどいい歯ごたえの食感に、クセのない味で、ビールやお酒のおつまみにとても合います。

 今は、関東でも、コンビニ等でもみかけるほどメジャーになりましたが。

 コンビニのは食べていませんが、関東の沖縄風居酒屋で食べたものは美味しかったです。


 一見して普通の炊き込み御飯かと思ったものは、食べてみるとハッカと草餅の味がして、ビックリしました。

 そうだ! お店の人も、よもぎご飯(フーチバージューシー)って言ってたし、美味しんぼにも載ってた!

 と、思い出しました。

 よく見れば、なんだか、店内の造りも、座敷の雰囲気も、メニューも、漫画と同じではないですか!

 もしかして、偶然にも、取材したお店に来ていたのか!?

 そうに違いない!


 そう思うことで、より堪能出来ました。


 そして、いよいよ、念願のエラブウミヘビ料理!

 ウミヘビの、青地に黒の縞模様だった皮は、真っ黒になっていて、これも驚きました。

 黒くて太い、でも鱗がくっきりのゴムホースをぶつ切りにした感じでした。

 ほんの5〜6cmか、7〜8cmのぶつ切りが2切れか3切れで、スープに浸っていました。


 いろいろ覚悟して、まずはスープを飲んでみると、臭みはなく、濃厚のようでも、さっぱりしていて美味しかったです。


 ウミヘビの皮は、すぐにむけてしまい、中身は、魚っぽいかと思ったら、鶏肉のような食感で、味もよく染みていて、意外と美味しかったです。

 全身ほぼ筋肉だからか、鶏肉のようなジューシーさというよりは、引き締まっていて、少しパサついているような?

 ダシで出ちゃったのかも知れませんが。

 皮も味が染みていて、やはりゼラチン質な感じ。美味しかったです。


 ウミヘビ料理を始め、関東人からすると珍しい沖縄の料理は、いずれ創作で使えそうだと思い、よく味わって食べました。

 というか、結果的に、創作に活かしたと言うべきでしょうか。


 例えば、まだカクヨムにはUPが追いついていない拙作ファンタジー『Dragon Sword Saga』シリーズ。

 現在は、『2』の途中までしか、こちらではUP出来ていませんが、『3』では、砂漠に行きます。

 食べ物がなくなってしまい、飢えているところ、やっと見付けた大トカゲを捕まえ、焼いて食べる場面があります。

 しかも、ヒロインが。

 いえ、後から、皆も食べますが。


 その時のトカゲの味の描写では、ヘビもトカゲも爬虫類だからと、ウミヘビを思い出したので、味は鶏肉風だろうと考えました。


 「ジョジョの奇妙な冒険4」(by 荒木飛呂彦)登場の漫画家、岸辺露伴のように、リアリティーを求めるあまり、クモにカッターをぶっ刺して、舐めて味を見ておく……そこまでは、やりませんが、かなり共感はしてしまいます。


 その後、あちこち観光もしました。

 一番期待していた潜水艦がダメで。

 当日は晴れていたのですが、前日の大雨で海の中が汚れて、視界が悪いのと、海水の流れが速い等あると、中止になるそうです。


 それ以外では、水族館に行ったり、白ヘビを首に巻いて写真を撮ったり、ハブVSマングースを見たり。

 ハブVSマングースは、殺し合いまではさせなかったです。

 マングース、いっぱい噛まれてたように見えましたが……ハブの毒は抜いてあったんだっけ?


 白ヘビは、高校生くらいのバイトの女の子が、慣れた動作で、マフラーでもかけてくれるかのように、……いや、縄跳びの縄とかタオルでも私の首にかけるかのように、ぽんと、ヘビを巻こうとしたので、「ちょ、ちょっと待って! 心の準備が……!」と、思わずよけてしまいました。


 すると、まずは、ヘビの身体をどこでもいいから撫でてみろと言われ、そうっと触り、少し慣れてきたら、頭を触ってみるよう言われました。


 白ヘビは、おとなしくて、よく見ると、可愛い顔をしていたので、だんだん可愛く見えてきました。


 そこで、やっと首にかけてもらいましたが、ヘビも生き物。じっとしているわけはなく、おとなしくても、多少は動きます。

 常に、うねうね動いているのがわかります。

 そこで、またしなくてもいい想像が働いてしまい、ヘビは全身筋肉だから、このうねうね動いている感触は筋肉で、皮はいかにも爬虫類らしく、ぬるっとしているんだな、とか。


 ふと何かが肌に触れた気がしました。

 どうやら、ヘビの舌でした。


 なんか、舌チョロチョロ出してるし!

 コワい!

 舌を出さないでくれ! って、ヘビには無理な話だし!


 おねえちゃん、早く写真撮って!


 一枚、無事に撮り終わると、その子が「もう一枚行きまーす」と。


 にっこりしながら、「早く撮って、早く撮って、早く撮って! そして、早く取ってー!(ヘビを)」


 ものすごく長い時間に感じましたが、実際は、全部でほんの3分くらいだったのでしょうか。いい大人が、恥ずかしいです。

 多分、この時の経験も、ファンタジーのどこかで活かしたと思います。




 2回目の沖縄は、10年後くらいに石垣島でした。

 この時は、「日本脱出!」願望が強かったです。

 沖縄とは言っても、前回の本土とは全然違う雰囲気で、これもまた楽しめました。


 「美味しんぼ」にもあった、オーストラリアのグレートバリアリーフよりも美しいと言われている、石垣島の珊瑚礁を見たいと思いました。

 本当は、宮古島に行きたかったのですが、宿が取れず。

 なんだかいろいろ疲れていたので、美しいものを見て、美味しいものを食べる! が、目的だったかも。

 ああ、香港も一緒に行ったいつもの酒飲み友人が、この時付き合ってくれたのでした。


 石垣島の珊瑚と、グラスボートに乗り、西表島の珊瑚礁も見ました。

 西表ヤマネコの博物館みたいなところにも行ったかな。

 西表島の、独特で濃厚な黒糖が気に入り、お土産に買って、現地のように、コーヒーに入れて飲んだりしていました。


 石垣島の鍾乳洞も行きました。かなり大きな規模で。

 コウモリもいましたし、いろいろな形のものが多く、想像が膨らみ、楽しかったです。

 バニラアイスを削り取った跡のような、ジェラートのような、地層みたいになっているところもあれば、こけしとか、お地蔵さんのように、丸い頭で立っているものや、トトロの形の鍾乳石なんかもありました。


 この時も、当然、沖縄のラーメンみたいなソーキそばや、居酒屋では、ゴーヤチャンプルー、コンビーフみたいな味のスパムおにぎり、ミミガー、豆腐よう(腐ったチーズのような味)などをつまみに、何かを飲んでいました。


 オリオンビールは、飲んだと思います。

 ビールは、その土地に合った味になるので、沖縄のオリオンビールは、少し、アジアのビールに似ていました。少し甘め?

 正直に言うと、アジアや沖縄の料理は大好きなのですが、ビールだけは、関東人の私には、キリンの一番絞りとか、アサヒのスーパードライの方が好きです。


 沖縄のお酒というと、泡盛ですが、さすがに、何かで割らないと無理でした。

 泡盛のサワーもありましたが、せいぜいそのくらいしか飲みませんでした。

 味は、忘れました。

 特に美味しいと思えば、覚えていたかもです。人それぞれの好みだと思います。




 そして、日本脱出したい病は、その数年後、また発症しました。

 その時は、嫌なことがあったというより、頑張ったご褒美だと思うのですが、いったい何を頑張ったのかは、思い出せません。


 その当時は、自サイトと小説家になろうで『Dragon Sword Saga3』を連載し、砂漠の場面を書いていた真っ最中だったので、どうせなら、取材を兼ねて鳥取砂丘にと思いました。


 よく作家がホテルで執筆するみたいに、自分も薄いノートパソコン、MacBook AirとWi-Fiを持参して、夜はホテルで執筆を! と、すっかり意気込んでいました。


 取れた宿は、旅館で、畳の部屋で。

 しかも、Wi-Fi圏外。

 理想とは程遠くなりました。


 そして、部屋に戻ると疲れてしまい、さらに温泉に入ると、酒が飲みたくなり、日中に観光を盛り込んで疲れていたのもあり、飲むとすぐに寝てしまいましたので、執筆どころではありませんでした。


 パソコンを持参したのは、気分だけとなりました。


 温泉も、特に好きではありませんが、鳥取の皆生かいき温泉(地元では、「かいけ」と読む)今まで入った温泉と水質が違っていて、洗っても洗ってもぬるぬるが取れない気がしていたのですが、翌朝、顔や手足、身体中がしっとりしていて、肌に良かったのがわかりました。


 知らなかったのですが、温泉のいろいろな楽しみ方や、お香か何かを使ったリラックス出来るものが用意されていて、女性や家族連れが楽しめるようになっていました。

 そこのところ、詳しくは忘れてしまいました。


 せっかく、鳥取に来たのだから、まずは、水木しげるの鬼太郎ロードを! 

 米子の空港は、鬼太郎空港とも呼ばれていて、来た電車は鬼太郎電車でした。

 普通に、地元の高校生とかが通学に利用しています。

 ほのぼのしたこういう環境って、いいなと思いました。

 鬼太郎ロードの奥に、鬼太郎ラーメンと、さらに奥かな、目玉のオヤジ饅頭があり、鬼太郎やネコ娘が歩いていて、一緒に写真を撮りました。

 目玉のオヤジ饅頭は、すごくリアルで。表面にゼリーがかぶせてあり、目玉の潤っている感じが出ていました。

 味も、美味しかったので、お土産に買いました。




 鳥取には、もう一つ、砂丘に近い方にも空港があります。

 そちらは、鳥取砂丘コナン空港というのだと、最近知りました。2014年に決まったそうです。

 「名探偵コナン」の作者である青山剛昌さんも、同県の出身でしたね。


 遠方に住んでいる私のような者からすれば、地図上ではすごく近く見えたのですが、実際は、すごく離れていて。

 米子のタクシー運転手さんに、「明日は、砂丘に行きたいんですが」と、行き方を確認すると、すごく驚かれたので、そんなに遠かったのか、と思いました。

 特急列車で1時間。普通列車では、2時間以上かかります。


 砂丘センターで、砂丘のことを調べた小学生の男の子が、模造紙に書いたものが展示されていましたが、お父さんがドバイに海外転勤になったのをきっかけに、世界の砂漠に興味がわき、砂漠の砂の質の違いだとか、研究したようで、小学生とは思えないほど細かく調べて書かれていました。


 砂漠って、どこも全部同じような砂で出来ているわけではないのか。

 考えてみれば、その土地の鉱物が長い年月をかけて砕かれ、細かくなって砂になっているので、そうですよね。

 またまた想像が膨らみ、脳内に書き込まれていきました。


 帰ってきてから、写真をプリントしてスケッチブックに貼り、なにかコメントを書いて取っておいたのですが、どこへ行ったかな?

 (※7/18追記 ありました!)


  「馬の背」という、砂丘の盛り上がったところがあって、歩いて登れますが、てっぺんは、ビルの13階に相当するそうです。

 登ってしまえば、いつの間にかです。

 そこから眺める日本海は、深い青で、澄んでいました。


 他にも、ラクダに乗って写真を撮ることも出来ます。


 砂丘に行く前に想像で書いていた『Dragon…3』を見直し、新たに書き加えていたと思います。

 リアルな感じが出ているといいのですが。

 その前に、早くこちらでUPですね!




 最近、ツイッターで、「不気味な描写には、なぜか力が入ってしまう」とお話ししたのですが、不気味なものが好きかというと真逆で、嫌いだし、恐がりです。

 それを上手く表現出来れば、モンスター等の描写に活かせる! と思ってからは、なぜ、それが嫌いか、怖く思うのか、を考えるようになりました。


 そして、不気味なものからも目を逸らさないようになりました。

 人の作ったものより、自然な不気味さなら、観察したいと思ってますし、基本恐がりなのは変わらないので、ホラー映画とかは苦手で見に行きません。

 「どこかホラーなもの」なら、怖いもの見たさで、つい気になってしまうのですが。


 そんな感じで、不気味な魔物をファンタジー『Dragon…』で一生懸命書いている時に、恋愛コメディー『J moon』のラブシーンを書くことは、無理です。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます