追放ものがブームらしいです
皆さんこんにちは。
昔からこのエッセイを読んでいる人は知っているかもしれませんが、このエッセイを書き始めた時のタイトルは「異世界転生がウケる!?は真っ赤な嘘」でした。
ですが、そのタイトルの時、実は何回かファンタジーをメインに書く作者さんに「今は異世界転生ってそんなに流行ってないよ」「現地ものにシフトしてる」「今はおっさん主人公ものがむしろブーム」というツッコミを受けてました。
見てみると確かにその当時、なろうのランキングではおっさん主人公が多かったです。
でもその時は「おっさん物とは言ってもどうせちょっと大人向けにして味つけを変えただけで本質は転生ものだろ」と思っていました。
なろうで転生ものが別ランキングになって隔離されたというのは知っていました。
でもその影響は当時はあまり感じられず、相変わらずネット小説は異世界転生・転移ばっかりだなぁ、チートでハーレムで同じような小説ばかりだなぁ、やれやれ――と、そんな風に思っていました。
そして最近は何やらなろうで「追放もの」が流行っているということも小耳に挟みました。
でも流行っているらしいということは聞いていたのですが、なろうメインではないのでそんなに実感はなく、また新しい転生物の亜種が出てきたんだろうな、くらいにしか。
ですが、アルファポリスに登録しはじめて、ようやく私はこの「流行」が本物であると実感しました。
アルファポリスでは今、ファンタジー小説大賞をやっています。
その名の通り、募集するのはファンタジー小説。ですが、確かにランキングを見ると思っていたよりも転生・転移と名のつくものは少なく、以前よりも現地ものが多い印象。
二、三年前から指摘されていましたが、自分の目ではっきりと見てようやく気づきました。異世界転生ものは目に見えて減ってきてる……自分のアンテナ感度の低さを感じました。
そしてなんとそのランキングの一位、二位、三位が全て追放ものだったのです!!
世は今や大追放時代!!(なんだそれ)
なろう・アルファポリスでそうなっているということは恐らくカクヨムでも今後追放ものが流行りだす可能性があります。
ではなぜ追放ものがそんなに流行っているのか?
不思議ですよね。主人公が追放される所から始まる物語がこんなにも流行るなんて。
そう考えた時に思ったのは、もしかして読者は、苦労したり不利な状況におかれた人が一発逆転する物語を望んでいるのでは? ということでした。
よく考えると異世界転生ものも、前世がいじめられっ子だったりぼっちやニート、社畜だったりと、苦労したり報われなかった人が一発逆転するストーリーが多いように思います。
思えばおっさん主人公ものも、若者のように体力が無いというハンデがあったり、普通の少年向けマンガや小説で主人公にはなれない不遇のキャラが報われる所に魅力があったようにも思います。
スライムとか人外に転生するのも、女性に人気の「悪役令嬢」とか「婚約破棄」も不遇のキャラの逆転劇ですしね。
よくよく考えればシンデレラも不遇な主人公が報われるパターンですし、ハリーポッターも初めは両親がいないいじめられっ子でしたし、NARUTOだってはじめは落ちこぼれでした。
よく転生ものに対する批判に「前世でコミュ障だったのに転生したとたんいきなりモテるわけない」「前世でニートだったのにいきなり異世界で活躍できるわけない」というのがあります。
自分もその点はずっと不思議でしたが、たぶん読者は「報われなかった主人公に報われてほしい」と思っているのではないでしょうか。
だって現実の世界は報われないことばかりですから。
じゃあ、ブームに乗って追放物を書けばいいんじゃないかと思うかも知れませんが、ブームを知ってから書き始めたんじゃ遅いと思うんですよ。
一時流行ったクラス転移や人外も最近あまり見なくなって来ていますし、あまり流行を追いすぎるのも、それが終わった時、一気に古くなってしまう可能性があります。
そんな風に考えると、「異世界」とか「追放」とか「婚約破棄」とか、流行りを無理して取り入れるよりは、「初めは不利な状況に置かれるが、そこから一発逆転」という所を取り入れた方がいいんじゃないかと思ったり。
不遇キャラが活躍するというのを色んなシチュエーションに置き換えれば、一見流行りじゃないテイストの作品でも読者に受け入れられやすくなるのではないでしょうか。
そんなことを考えながら、今、私は次のカクヨムコンに向けて次回作を練り練りしてます……苦戦中ですが。
あと、最後に声を大にして言います。
今は「異世界転生」も「チート」も「ハーレム」も、そんなに流行ってないらしいぞ!!
今さら「異世界転生じゃないと読まれない~」とかぐちぐち言ってる奴は、鼻で笑われてるぞっ!!
それではっ!
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