さて、今回はほぼ同時期に完結したこちらの二つの作品を紹介していこうと思います！

◼『ポテトコロッケに肉は入ってません！』作者 hisa子

　こんなはずじゃなかった......そんな風に嘆く冴えないアラサー女子･瞳。彼女の働くスーパーに、ある日イケメンの花月が入ってきて......スーパーのお惣菜コーナーで繰り広げられる人間ドラマ。

　スーパーにやってくる様々なお客様や同僚。四季折々の売り場や仕事の風景。派手な展開はないものの、日常劇で魅せることのできる作品です。

　お互いの過去を知ったりなんかして、段々と仲良くなっていく、二人の会話が見所ですが、この物語の鍵を握るのが、売り場で1番安い、お肉の入っていないポテトコロッケ。

タイトルにもなっているこのポテトコロッケと、なぜかそのポテコロばかりを買うお爺さんがいるんですが、その存在が物語に深みを与えています。思わずジーンときちゃいました。是非ご一読を！

◼『この財産、差し押さえます！』作者猶(ゆう)

　県庁には、県内の高額税金滞納や悪質滞納を専門に扱う専門部署がある。その名は、財務局徴収部機動課。

　不運にも、希望していないにもかかわらずその部門に配属になったマツリのお話。

　冒頭スリリングな展開に、スピーディーでテンポの良い文章。｢これは面白いな」と読んですぐに確信した作品です。

　やってくる滞納者たち。次々と襲いかかる困難に息もつかせません。最初から最後まで全部読みごたえがあります。特にラスト付近の盛り上がりは必見！

　ただ財産を差し押さえるだけでなく、差し押さえられた人の人生が見えてくるのも面白いですね。

　難しそうな仕事内容をストーリーに上手く絡めて説明する手腕も見事で、理想的なお仕事小説と言えるでしょう。

　さて、今回はこの辺で！

　お仕事小説コン、連載中がまだまだ多いので、評価が難しいですね。

　次あたりは短編コンテストの紹介でもしようかな？？

　それではまた～

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