カルチェ・ラタンの魔女

作者 名月明(アキラ)

58

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★★★ Excellent!!!

こちらの作者さんの作品は、まだ全部読んでいなかったため、児童小説と歴史小説のイメージがつよかったのですが、今作にて、そのイメージがいい意味で払拭されました。

今作、なんというかとてもミステリアスな雰囲気が漂う、大人な感じです。主人公が姉を探すのですが、候補となる人物が三人いて、だれだろうとなやみながら、でも時におもしろく読ませてもらいました。

とても、おすすめですっ!!

★★★ Excellent!!!

お供のナタンと共にパリにやってきた学生、ファン・ビュリダンが主人公。彼の目的は幼い頃に生き別れた姉を捜すこと。彼が様々な仲間と出会い、パリの街路を冒険しながら成長していくのですが、青春小説かと思いきや物語は意外な展開に・・・・・・。

魔法使いが実際に存在する中世パリという世界観は新鮮。さらに豚が闊歩する汚物まみれの街路、娼婦や疫病、学生の乱闘といった中世ヨーロッパの風物詩ともいうべきものが時代の趣を添えています。

主人公は放火犯捜しも依頼されることになり、放火魔は誰か? というミステリの要素も加わって、物語がどの方向に転がるのか全く予想がつきません。終盤は一気読みでした!

是非ご一読を。

★★★ Excellent!!!

 堅っ苦しい歴史小説と思ったら大間違い。ぐいぐい惹きこまれます。
 中世のパリを舞台にした青春ドラマ。入念な下地がありながらだらだらした描写に陥らず、読者を惹きつけながら当時のパリの様子を思わせる筆致はさすがです。
 そして何よりもキャラクターがすごくいいです。主人公を含む主要人物はおろか、ほんの端役まで個性があり存在感があります。

 その主人公が姉を探すうちに事件に巻き込まれていく中で、成長していく。事件の真相を解明していくと、待ち受けているのは……。

 アクションシーンに手に汗を握り、どきどきはらはらしながら読み進めていくと驚愕の真相に辿りつきます。
 
 さぁ、ぜひこの素晴らしい世界を旅してみてください。

★★★ Excellent!!!

たぶん1話目から抜け出せなくなっていたのだと思います。
「続きはまた明日読もう」ができません。
この謎が解けたら、ここが分かったら…と読み進めてしまい、結局は最後までの一気読み。強制的に読まされた感!でした。
謎や伏線の張り方、その回収の仕方が絶妙なんです。

別の方が歴史小説だと先入観は捨てるべきと書かれていますが、歴史小説と思って読むと私のように読む終わった後に心がバラバラになります(笑)
ファンタジーとミステリーの融合では?と思いました。
史実も散りばめられていて、うっかり本当にあった魔女裁判とかそういう類の話だと思って読み進めてしまって、やられました。
謎の敗北感にやられ、このレビューは作品を読み終わった2日遅れです。

長編を最後まで一気に読ませてしまう素晴らしい作品です。読み始める方は注意が必要ですよ(^^)

★★★ Excellent!!!

ジャンルとしては歴史・時代小説ですが、皆さんが考えているような堅苦しさはありません。
読んでいるうちに、小説の世界に入り込み、主人公のファンと一緒に不思議な青春を体験できると思います。

時代背景もしっかりしていますし、ストーリーや文体もなじみやすくてよかったです。

ジャネット、ソフィー、リリーと三人のヒロインが出てきますが、三人とも個性があり、うまく描けていると思いました。

まあ、そんな中で私はソフィーを押します。ちょっと悪役っぽいところが大好きです!

皆さんも是非一読ください!

★★★ Excellent!!!

歴史ジャンルというと、作中で当時の細々とした時代背景をくどくど読まされてダルい……
なんて感じてしまう人もおられるかもしれませんが、そうした先入観に囚われて敬遠したりせず、是非この作品に触れて頂きたいと思います。
掛け値なしに面白い! 

ざっくり全体の印象を述べてしまうと、『カルチェ・ラタンの魔女』はお堅い歴史小説というより、「実在の古都(パリ)を舞台にしたシティアドベンチャー風の本格ファンタジー活劇」といった趣向の内容でした。
フランスの歴史なんかわかんないし興味ねーよという人でも、伝奇アクション小説的なノリがお好きなら、きっと楽しめる作品になっているはずです。

主人公は、人捜しのためにパリの街を駆け回り、連続放火をはじめとする奇怪な事件といくつもの謎に巻き込まれていくのですが、物語の中盤から終盤にかけて、それらが伏線回収され、解明されていく過程がお見事。
思わず読んでいて「なるほど、そういうことか!」と膝を打つような納得感が味わえます。

ちなみに余談ですが、私はヒロイン三人の中ではリリー派です(笑)。

★★★ Excellent!!!

こういう話とは思わなかった。
が、それは良い意味で予想を裏切られた、という意味である。

中世のパリに関する本を読んだことがある人なら衛生環境がひどかったというのに目を留める人は結構いると思う。
そう、フランスは汚い。現在のパリですら、ミュンヘンやウィーンやロンドンに比べると明らかに臭く汚いのだ。なんでファッションやら料理やらで成功してる国なのにこう不潔なのか。

しかし、不潔=悪なのかというと、そんなことはない。汚さは人らしさの証でもあり、そこにはドラマが生まれる。

本作の主人公ファンは売春宿やトイレの整備されてない学院での生活に関わるなか、梅毒やペストといった病気、喧嘩や火事に巻き込まれつつも、活力を感じさせる力強い行動を通じて、自分の過去を乗り越え大人になってゆく。

その姿はタイトルから想像していた瀟洒な雰囲気でのスマートなものではなく、泥臭く這いながら成長するリアルな青春ドラマの主人公のものであった。こういう、他と少し違う路線を見せてくれるのが、この作者の書く作品の魅力である。

そしてジャネットがいい。
このキャラクターはすごく私にヒットした。彼女が登場してから大きく話が動き、ググッと展開に引き込まれた。彼女の過去・現在・未来があってこその本作だと思う。

もちろん他のキャラクターもいい。ソフィーとリリーもいい。学院の仲間もいい。こういういいやつらを書けるのは、アキラさんがいいやつだからに違いない。

今後も楽しみにしています!
ありがとうございました!






★★★ Excellent!!!

中世パリで発生したペストや魔女裁判を下敷きに、街を騒がす放火魔事件へ迫るサスペンスアクション。

いつもながら、アキラ先生の作風の多様性には舌を巻きます。
中世ヨーロッパの生々しい風を感じる、精緻な取材に基づいた街並みと世俗。

主人公ファン君は魔女の子供で、左目に透視能力を受け継いだ魔法使い。さらに右目には、あらゆる魔力を見抜く神の眼を宿しており、否応なしに事件へ巻き込まれます。

さらには生き別れの姉を探すという個人的目標も絡んで、矢継ぎ早に叩き付けられる真相と事件の連鎖は、読者に息をつかせる暇さえ与えません。

ファン君の淡い初恋に涙。
魔女の非業な生い立ちと境遇に涙。
迫力の魔法バトルに手に汗握り、つまびらかになる真実に肝を潰しましょう。

え、これが公募落選作?
どんだけレベル高かったんすか、その年の大賞は。

★★★ Excellent!!!

なんとなく開けてみたこの作品。
すると気が付いたら先へ先へとページを捲っていて、続きが気になり過ぎて他サイトに飛んで最後まで一気に読んでしまっていました。

この作品にはどうして惹きつけられたのかと読了後に考えてみたのですが、非常に読みやすく無駄のない柔らかい文体が、最初に読み手を捕らえるのかなと思います。
また、それによって作者さまが精巧に作り込んだ世界観に引き込まれていくのですが、何よりも十六世紀のパリの様子をかなり詳しく描写していることに目が惹かれます。そのため、読者はまるで十六世紀にトリップしたかのような感覚を覚え、登場人物と一緒に物語を駆け巡れるのかなと思いました。

もちろん登場人物も魅力的です。
主人公は普段は頼もしいのに、女の子が絡むと途端にかっこつかなくなるところに好感を抱きます。
また、三人のヒロインも三者三様で、主人公が彼女たちと深く関わるにつれて、キャラの魅力と作品の魅力を一緒になって味わえるのかなと思います。