想い出ループ

誰しも輝くときがある。

その瞬間を見ている人がいる。

目に焼き付いた君のその時は、

未だに鮮明に思い出せる。

そこに居合わせた誰もが彼女達に注目し、

身を揺らして音楽を聴き、心を震わせていた。


「もっと歌っていいよね!」

スピーカーから大きな声と共に、

目の前の人達が大きな歓声を上げて返す。

他のファンにもみくしゃにされながら見ていた僕は、心穏やかではなく、けれど、少し誇らしい気持ちも持ち合わせて居た。

今の彼女はとても遠い存在に感じるけれど、

終わった後のいつもの君に戻れば、

僕だけに特別な笑顔を見せてくれる。

僕も自然と向けていた。

こんな感じで二人は束の間の間だけ一緒にいた。

エイトビートから始まるこの曲が有名になるまで。


僕はエイトビートがきらいだ。

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A Story's Role —日常の中のワンシーン— 村乃 @orikouko

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