神様助けて

 悪い不良に囲まれた。カツアゲだけならともかく、殴る蹴るとやりたい放題。どうも俺を殺しにかかっているようだ。俺は思わず、

「神様助けてください」

と祈った。そうすると向こうの方から甲冑を着たいかつい男がやってくる。

「神様!」

 本当に来てくれたんだ。

「わしは毘沙門天である」

「神様、悪い奴らに殺されそうです。助けてください」

 俺は頼んだ。

「そち、さっきから神様、神様と連呼しておるが」

「はい」

「わしは仏様じゃ。神様なら他を当たってくれ」

 そう言って毘沙門天は行ってしまった。

「そんなあ」

 やがて俺は仏の仲間入りをした。

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