第8日目:Ⅰ【秋と部長】

【1時間目】

 秋、学園祭や絵画コンクールが行われる文化の秋。

 今年卒業する私は、悔いのないようにしないといけない。巧なんて男みたいな名前だけど、くよくよするのが私だ。

 私の描く絵は人によって評価が様々だ。下手と言われたことも多いが、コンクールには毎回入賞する。

 ことができてしまう。そんな私には入賞することくらい朝飯前だった。

 そのことに気づいたのは小学校の時だった。友達が言っていないはずの言葉が聞こえた。それだけだ。

 周りの人の心が読めることから、人々をまとめることは容易で、よくリーダーシップがあると思われる。

 まぁ、人の心を読めてしまうことはいいことばかりではないのだけれど。


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 学園祭マジックなんて言葉がある。

 学園祭の期間中に盛り上がりすぎて変なテンションになった男女が、まるで魔法にかかったみたいに付き合うことを言うらしい。

 心を読むことはできても、彼氏はできない。私には関係の無い話だ。

 私は絵画コンクールに出す絵を、頑張って書いていれば良いのだ。

 ずっと、そう思っていた。


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 帰宅部に青春があるように、美術部にも、青春があるらしい。

 てっきり私は美術部には青春が無いものだと思っていた。

 学園祭前日、私の友達が彼氏を作った。

 そして今日、今度は私が告白された。

 告白なんて初めてだった私は、勢いに押され、つい「はい」、と言ってしまった。

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