第54話 アイテム欄

「アラタが勇者だと認められるには、何かが必要なのかもしれない」


「シェリル、何かって……?」


「勇者とは勇気あるもの。それを証明できるようなアイテムとか」


「なるほど。紋章とかクリスタルとか石板とか……ありがちだよな」


 くあ~っ、じゃあそれを入手するまでは最低ランクのままなのかあ。

 あ、アイテムっていえば、そういや気になることがあったんだけど。


「なあシェリル、そういやさっき大量に買ったものってどうしてるんだ?」


 不思議なことに、シェリルは今手ぶらだ。

 とてもカゴいっぱいのアイテムを買ったとは思えない。

 さっきもらったローションにしろ、どっから出したのかわからなかったし。


「ああ、それはな……ここにあるぞ」


 シェリルは何枚ものカードを取り出した。

 そこには各種アイテムの絵が描いてある。

 ……何これ。


「これを使いたいと念じると……ほら」


 ポンッと音がして、アイテムの実物が出現した。

 え……!? 嘘だろ、超便利なんですけど!!


 俺は試しに、自分のバイブをカードになれと祈ってみた。

 するとポンッと音を立てて、バイブがカードに変化する。

 待て待て待て!! じゃあ俺が今までバイブを片手に街中歩いてたの、すげー恥ずかしい行為だったんじゃねーの!?


「こんなことできるんなら、もっと前に教えておいてくれよー」


「これは冒険者の基本スキル。今アラタが冒険者になったから可能になったんだ」


「あー、そういうことなのか……」


 ちゃらららちゃーらっらー♪

【アラタは スキル:アイテム所持 を覚えた!】


 お、久々のスキル取得だ。しかも下ネタが混ざってないし。

 そしてもはやおなじみ、目の前に現れるウインドウ。

 そこにはエクスカリ肉棒バーの名前が書かれていた。


 ちなみにローションは先ほど使い切ったから、もうない。

 だから俺のアイテムは1つだけ……のはずなのだが。


 見知らぬアイテム名が、そこには書かれていた。




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  アイテム


 →エクスカリ肉棒

  どうてい

 -----------------------------------------





 いや、名称自体はむしろよく見知っているのだけれど。

 つーかいらねーだろ、これ。




 -----------------------------------------

  アイテム


  エクスカリ棒

 →どうてい  ----------------------  

 -------------------  →つかう

           すてる

        ----------------------





 カーソルを合わせると、さらにウインドウが出てくる。


 わかってんだよ。どうせ捨てられるわけないんだろ。

 やってみたところで【それをすてるなんてとんでもない!】って出てくるだけだろうしな。まあ、ロープレネタのお約束ってやつだ。





 -----------------------------------------

  アイテム


  エクスカリ肉棒

 →どうてい  ----------------------  

 -------------------   つかう

          →すてる ピッ

        ----------------------










 -----------------------------

  だれで?


 →シェリル

  かりん

  ななめ

  めがみ        

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 ――ファッ!?

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