第47話 鑑定②
おい女神、スリーサイズ見えるようにするのやめろ。
『ええー、この素晴らしい能力がいらないのですか?』
むくれるなよ。数字が邪魔で相手の姿が見にくいんだよ。
俺の家にあるエロアイテム、何でも1個やるから。
『はい! ぜひとも消させて頂きます!!』パッ!
あ、消えた。仕事はえーな。
というわけで、俺の鑑定スキルはアイテム限定になった。
「ねえお兄ちゃん。これとこれなら、どっちがリンお姉ちゃんに合うぴょん?」
菜々芽は右手と左手に、それぞれ別のアクセサリーを持っていた。
「こ、こら菜々芽ちゃん! 新太なんかに聞かなくていいから!」
ははーん、なるほど。
どっちを買うか迷ってて、買物に時間がかかってたのか。
ここはいっちょ、俺がいいところを見せてやろう。
右手には、黄色い花の髪飾り。
左手には、チェックのリボン。
価格は両方とも同じで1000ペロだ。
フッフッフ……ッ。さっそく俺は、覚えたての鑑定を使ってみる。
【花の髪飾り:防御力3 レア度E
おしゃれな髪飾り。女の子に人気のアイテム】
【まもりのリボン:防御力10 レア度S
清らかな祝福により魔法防御がほどこされたリボン。見た目が普通のリボンと大差ないため、プロの鑑定士でも真価を見抜けないことがあるほどのレアアイテムとなっている。即死耐性あり】
どうよ、これ!
普通なら特殊効果がわからずに迷うところだが、この鑑定スキルさえあれば、こうして迷うことなく買物ができるのだー!!
いや、それよりもさ……。
この2つ、何で同じ値段なんだよ。
1000ペロがどれほどの価格なのかはわからないけど、これ髪飾りの方はボッタクリなんじゃないのか?
それはさておき、どっちを買うかは一目瞭然だった。
「花梨、絶対にこっちのリボンにしとけ!!」
「え……、そうかな。新太がこんな真剣に答えてくれるなんて……」
花梨はというと、鏡を見ながらそのリボンを頭に当てていた。
もう買っちゃいそうだと思うくらい、嬉しそうに笑っている。
「そりゃ真剣にもなるさ。このリボン、レア中のレアだぞ。単純に防御力を比べただけでもこっちの方が上だってのに、耐性効果だってついてるんだからな!」
「…………。ねえ新太、それがリボンを選んだ理由なの?」
「おうよ! すごいだろ、俺の鑑定スキルは!」
「あたしに似合うとか、どうでもいいの?」
「そりゃ、装備品は効果がすべてだ!」
「――――最っ低」
花梨はリボンを戻すと、怒ってどこかへ行ってしまう。
あれ、俺なんか怒らせるようなこと言ったか?
「待って、リンお姉ちゃん! ……もう、今のはお兄ちゃんが悪いぴょん!」
菜々芽も慌てて、ぴょんぴょんと花梨を追いかけていく。
あれ……? え……何で?
鑑定スキルって最強じゃないの?
今のは『わーすごいスキルだね』って褒められるとこじゃないのー??
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